ゴブリン狩りへ
剣を持って森に行った。
適当に歩いていたらゴブリンがいた。折れた剣を持っていたが顔を切りつけると死んでしまった。死んで崩れた方がこいつの本来の顔のような気がする。つまらん。さっさと終わられよう。ゴブリンを5匹ほど殺して帰った。ギルドに行くとザワザワしていた。ギルドのおっさんにゴブリンの耳をあげると金くれた。おっさんは顔を顰めて「鎧くらい着ろよ」て言っていた。俺は服に剣1本しか持っていない。あと小銭袋くらいだ。確かに鎧着てないのは変か。
ギルドに隣接された武器屋は混んでいた。違うとこ行きたいのでおっさんに聞くと教えてくれた。
おっさんの教えてくれたとこはかなりボロいとこだった。金ないって思われてんのか。
武器屋に入ると狭い屋内にぎっしりと武器や鎧が並んでいた。その奥にドワーフの女が座っていた。幼女にしか見えんな。ドワーフは俺を顔から足元それから顔へと見たあと手を見てフッと鼻を鳴らした。
なんだコイツ
ドワーフの女に「鎧くれ」と言うと、「そう焦んな」って言って「剣見せてみろ」と机をダンダンと叩いた。
面倒になって剣を机に置くとドワーフは剣を持ち刃を擦りながら「これは無理だわな」といった。
鎧、売ってくんないのか。帰ると言おうと思って口を開くと
ドワーフの女が顔を上げて俺の顔を凝視して言った。
「ロックて冒険者知ってるか。彼はこの店を懇意にしてくれて彼の剣も私が作ったんだが、今朝、仲間と死体で見つかったんだよ。それで仲間は矢で殺されててロックは顔叩き切られて死んだらしい。」
俺が黙っていると、ドワーフの女は俺の顔を見たまま続けた。
「でもおかしな事があるんだ。みんなは山賊にやられたとか、ゴブリンにやられたとか言ってるけどそんなわけないんだよ。ロックはEランクだったけどCランクに近い剣の腕を持ってたんだよ。ゴブリンにやられるわけない。あの辺はゴブリンとかコボルトしか出ないから、少なくとも顔に1発で倒せる人間にやられた。で山賊なら矢を抜いたりしないんだよ。人の頭から矢を抜くのは面倒だし時間がかかる。しかも抜いた矢は曲がったりかけたりしてるから再利用なんか出来ない。そう考えると1つ仮定すると辻褄会うんだよ。あの街道の先は帝国だ。そして帝国の矢の羽は特徴的な赤色。そして今帝国の剣を持ってきた。男がいる。そしてそいつの剣は長年研いで使いまくったせいか剣が磨り減っている。ロックを倒せるくらいね。さらにそいつの手には弓使いにはよくあるコブが手にあるのに何故かそいつは弓を持っていない。」
「さぁて、改めて聞くよ。」ドワーフの女はニコリと笑った。「ロックて冒険者について何か知らないかい?」
しまった。剣を取られてる。そこらに落ちてる剣を拾ってドワーフの女に振り下ろした。ドワーフの女は小さい体を生かし机の下に潜った。「待て待て!!私が貴様を衛兵に突き出すつもりなら今言わないよ!話しよう!」
剣が机にくい込んで抜けない。剣を手放し槍を掴んで机を刺し抜き刺し抜いた。手応えない。槍を手放し大槌を掴んだ。
「待て待て私はロックとかどうでもいいんだよ。私は強いやつの剣を作りたいんだよ。強いやつが私の剣でどんな強いヤツを倒したかきくのが好きなんだよ!お前の剣すり減ってるし私が作ってやる!」
そう言ってドワーフは机からひょこっと顔出した。
持ってた大槌で机ごと叩き潰す。机は潰れたがドワーフの女は飛び退いた。
ん?武器作ってくれるし黙ってくれるのか。ちょうどいいな。
大槌を手放し、分かったと言った。
ドワーフの女ははぁはぁ言って、とても疲れた顔している。服もボロボロだ。
「君ヤバいね。武器作っとくから明日また来てくれるか?とりあえず命が五六個減ったよ。」
と言ってズルズル座ってしまった。