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つらたん  作者: 補給兵
3/5

3.帝国兵、昇進蹴飛ばす

平原の戦いは夢のようだった。幻の中にいるように高揚した。鉄の匂いで鼻が刺激され、陽炎が立ち上るほど戦場は熱気に包まれていた。敵の顔を切ると面白い変顔を見してくれる。けどどうしてだろうか変顔を見すぎると、飽きてしまう。適当に戦っているとマイクを見つけた。あいつ負傷兵を守りながら敵をいなしていた。きっと庇いきれなくなって死ぬだろう。「キェ」と言って前の敵が剣を振り上げた。敵が振り下ろすより早く、手首を切り飛ばした。返す刀で首を切り落とした。噴水のように血が舞い上がり当たりを赤色で汚した。青空の下、熱気に蒸しかえる中、噴水のように立ち上る血がとても美しく思えた。

2時間ほど戦うと王国が撤退した。兵舎に帰る途中、胸から剣を生やした兵長は見つけたがマイクの死体は見つけられなかった。

兵舎に着くとマイクは生きていた。3分の2くらい死んだのにマイク生きてやがった。

マイクはふっと笑うと「ルース、君なら死なないと思ってたよ」と言ってきた。俺はマイクにフラグを回収して欲しかった。

その後3日ほど何も無く、俺は藁の人型で思い出していた。しかしあれほど脳裏に焼き付いた光景も日にちが経つにつれて色あせてしまう。そして俺とマイクは隊長室に呼ばれた。

隊長室に入ると髭ズラのおっさんが座っていた。

「ルース、マイク今回はよく戦ってくれた。ルースは多くの敵を倒し、マイクは負傷兵を多く生還させてくれた。今7班の兵長の座が空いてるから7班でいちばん強いであろうルースに兵長をマイクに副官を務めて欲しい。」と言われた。

絶対つまらない事増えるな。「辞退させていただきます。」と言って頭下げた。

隊長は眉をひそめ「責任とか考えてるなら大丈夫だ、機密だが王国とは今平和条約を結んでいる。戦争は終わりだ。安心して兵長をつとめてくれたまえ」

と言ってきた。

戦争終わりってことはつまらない代わり映えのない日常が戻ってくるのか…。楽しみを知ってしまった俺はもう日常には戻れない。「俺除隊します。」と言って隊長室を後にした。

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