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ライトノベルの男主人公が妄想癖を持っているだけの話。  作者: 風祭 風利
第四章 部活内の意見の飛びあいはいつの間にか大喜利のようになってしまうこともしばしばある。
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第八節 全員集合と部活動、出し物案

日常編開始します。あまり深く考えずに読んでください。

9月も半月が過ぎた。変わり映えの・・・・あったな。今年は学校行事にずれと言うか、日程変更があったって言ってた。といっても一週間程度のずれだがな。

さて今日も心理研究会の部活に行きますか。

いつも通り部室の前に行くとドア越しに複数の声が聞こえてきた。 

ん?議論中なのか? ドアを開けるとそれぞれ三人一組で話し合いをしていた。うおぅ 今日は全員集合か。


「今回のあのアニメの展開どう思うよ?」

「今期限りだからって展開が急すぎると思いましたね。あんな展開誰が想像できますか? 声優の無駄遣いです。」

「オリジナルだからってやっていい展開と悪い展開ってあるよね。今回のはまさに悪い展開の仕方だったね。」

うんうんと 壮一、葉月、天木先輩でアニメについて語っていた。俺も最初の頃から見ているが、あの展開の仕方は間違いだと思った。


「海外を舞台に起こるサスペンスって人間模様が複雑すぎるんですよねぇ。それに殺しに使うのも銃が多い感じもするんですよね。」

「でもそういうのだって傷痕の口径から銃を割り当ててそこから実はマフィアの一味の一人を当ててそこから不正なマフィアを一網打尽って展開も半分くらい王道ですよね。」

「しかし人を撃つのならそれなりの銃声が鳴り響きそうなものだろう?」

「それはドラマだけッスよ庸日先輩、実際は工場跡地なんかに1対1で入ってホルスターから間髪いれずに急所を撃つんです。銃も音もれしないようにサイレンサー付けているんで基本的には暗殺に近いんですよ。死人に口なしなんで。」

別グループの豊見永、庸日先輩、東輝が話していた。


「ほらほら、こうやって動物も本能的に求めるのよ。オスもメスもね。」

「・・・あ、あれは動物・・・人間同士がやってるわけじゃないの・・・・ ・・・・はぅぅ・・・あ・・・あんなに・・・あんなに・・・っ!」

「照鳴先輩、部室に来て早々に純粋無垢な子にこんなもの見せないでください。 完全に思考停止寸前ですよ。 渡瀬ちゃん。」

「でもみようとしているところをみると嫌いじゃないんでしょ? 動物はいくら自制しようとしても本能は、逆らえないのよ。 知性を持った我々人間もね。」

照鳴先輩が動物の交尾画像を見ている真っ赤な顔の渡瀬と見せるのを止めようとしている青山の姿があった。何やってるんだあの本能先輩は。


「あ、源君。なんだ来ていたなら声を掛けてくれればよかったのに。」

天木先輩が自分の存在に気づき、声を掛けた。それを筆頭に、

「あぁ、源君。どうやら君が最後みたいだね。」

「おう亮二、珍しいじゃないか。お前が最後なんて。」

「俺が来た時も源先輩がいなかったんで、不思議に思ってたんですよ。」

「亮二はぁ、今日は日直でぇ、先生の手伝いをしていたんですよぉ」

「ほとんど部活に出席している先輩がいなかったので予定があるのかと思ったけど、そういう訳ではなかったのですね。」

「俺は分かってたけどね。源がこの部活を欠席するときはよっぽどのことがあるときですよ。」

「そうだよね~。あ、亮二君も見る?トラの交あいたっ!!」

言わせる前に脳天チョップを食らわした。この人はほんとにぶれないな。どっから出てくるんだ。そんな動物的な本能は。


「もう、なにするのさ。」

「出席早々にとんでもないものを見せようとしている先輩は制裁しないとと思った次第なので。」

「むぅ 動物の交尾位見せたっていいじゃないか。子孫を残すために大切な事なんだよ?」

「先輩はアニマルセラピストとして何をしたいんですか」

「出生から死亡までを一から十まで見ていきたいの。人間にも歳を重ねて変わる想いがあるように、動物にも種子保存の為に想うところもあると思うの。」


言っている事は分かるがピュアな女の子にその画像を平然と見せるあんたの精神のずぶとさにはこっちが若干引くわ。

「でも露実ちゃんのピュアさもあそこまでとはね~。こりゃいじりがいがあいたっ!!」

懲りてないやこの先輩。あんな先輩はほっておいてさっきから一切喋らずに俯いたままの後輩に心配の念も込めて話しかけた。


「・・・渡瀬、大丈夫か?」

「ふぇ!??? あ、せせせ先輩!! だ、大丈夫です。 私は大丈夫でしゅ!!」

あっきらかに動揺しているんだが、顔も真っ赤だし、呂律回ってないし、見てるこっちが心配になる。

「・・・・無理はしなくていいぞ? これ以上具合が悪くなるようなら誰かに言えよ? 照鳴先輩以外でな。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はぃ」

声が小さくなってしまった。 落ち着くまでしばらく掛かりそうだな。


「源君が来たので、本日は珍しく全員が部室にいる事になる。」

庸日先輩が話し始めた。そうなのだ。ここの部活で全員が揃うのは、イベント前以外では月一あるかないかの範囲なのである。


「そこでだ、今回は今後のイベントに備えてなにか計画を立てておこうと思う。滅多にない全員集合だ。有意義に考えようではないか。」

話を振って来た。

「計画を立てるのはいいですが、具体的になんのイベントに参加する予定です?」

一番知りたいであろう質問をみんなを代表をして、庸日先輩に言った。


「ふむ、ここから3か月の予定ではあるが、まず10月にはわが校の文化祭がある。次に11月には君たち2年生は修学旅行がある これに関しては我々3年生は何もできる訳ではない。」

「お土産は買ってきますよ。」

「修学旅行話、楽しみにしている。 そして12月ここの大晦日前の3日間に最大のイベントに心理研究会は全力で力を注ぐ。」


みんな同じように頷く。

察しのいい読者ならお分かりだろう。そう、我々オタクにとっての最大のイベントのあれである。

「しかしこちらはまだ先があるため後回しだ。まずはわが校の文化祭、我々心理研究会の出し物について議論をしよう。」

話し合い、もとい案の出し合いが始まった。しかしまあ最初は誰しもが考えてしまう。そして10分したのち、

「一応言っておくが、期限は10日後であるため今案が出なくても構わない。そこまで思い詰めてしまうとなかなか案が浮かばないものだ。」

あまりにもみんなが悩むので、見かねたのだろう。庸日先輩がその事実を告げると俺もみんなも気が抜けたみたいに緊張が解けた。

「あ、なら出店出しません? ほかの部活も出店出すみたいですし。」

まずは東輝が意見を出した。


「あ、ならわたしぃ 自分で小説書いてみんなに見てもらうっていうのはどうでしょうかぁ 自分の書いた小説が他の人にどうやって見られるのか見てみたいですぅ。」

続けて豊見永が言う。


「劇しようよ、劇。わたしたちにしか出来ない劇をさ。」

別の案を天木先輩が言う。


「うんうん みんなそれなりの意見が出てきたね。他のみんなはどうだい?」

「出店の案に俺は乗ります。やっぱり祭りと言えば出店で買い食いしながら回るのが醍醐味だと思いますんで、俺は」

「あたしは小説を書くことに一票。自分の書いたものがお客さんに取ってもらえるのは自信になりますし、なにより物として残るものは文化祭の思い出としては大きいとおもいます。」

「あたいは劇! 躍動的に動くことは他の者に伝染して、やがて見ている人全員を魅了するの。一体感のある演出は大好き!」


壮一は「出店案」、葉月は「小説出版案」、照鳴先輩は「劇案」に分かれた。

「ふむふむ みんなそれぞれの派閥に分かれたね。 君はどうかな? 源君」

「俺っすか。 う~~~ん。」

みんなの意見に乗ろうかとも思ったのだが、それぞれに一長一短である。変な話、どの案も心理研究会らしくないと思っているのだよな。う~ん。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・心理テスト・・・・・」


心理研究会の事を思いながら考えたらそんな言葉が出た。深い意味はなかった。何となく浮かんだ単語がそれだった。

「ふむ、なかなか興味深い答えが出てきたね。 心理テストか、我々心理研究会にふさわしい出し物だと思うよ。」

庸日先輩が言ったのだ。え?まじで?

「わ、私も心理テストを出し物にするのは斬新だと思います。」

先ほどまで俯いていた渡瀬が賛成の意見を出した。おいおい いいのか?

「しかし心理テストをどうやって出し物にするんすか?」

こちらも話を聞いていた側の青山が質問をした。ごもっともな意見である。こちらとしてもあまり考えなしで口にして賛成意見が出てしまったので、正直困っているのだ。


「確かに出し物としては不安定なものだろう。 しかしそれは文化祭での考え方だ。心理テストは「楽しむもの」だと思わせれるかというこちらから心理的に繋げれるかという力にかかっている。誘導するのではない。あくまでも楽しんでもらうのを目的にすればやはり見方も変わってくる。」


「具体的には?」天木先輩がいうと庸日先輩は、うちの備品のひとつである心理テストの本を取り出してパラパラと読み始め、あるページで止まり、


「では君たちに心理テストを行おう。「無人島にヤシの木が一本あり、その下に実が落ちている。何個落ちている?」」と質問をされ、

「9個」(天木先輩)

「5個ッスね」(壮一)

「0ですぅ」(豊見永)

「あたいも0」(照鳴先輩)

「2個です」(青山)

「1個よ」(葉月)

「6個で」(東輝)

「い、1個、です」(渡瀬)

「3個ですかね」(俺)

「みんなそれぞれ答えが出たね。これで分かることは「過去の恋愛経験の数」だそうだ。」

そう答えるとみんな驚いていた。


「うっそ!?あたし9回も恋愛経験ないわよ!?」

「片思いとかなんかカップルっぽいことをされたとかもカウントされるんじゃないですか? この診断」

「これって個数が多いほど惚れっぽいってことなんですかね?」

「現在進行形もぉ、含まれているとかぁ?」

「池山先輩はアニメのキャラとかに惚れ込みそうですよね。」

「うっせ! 個数ならお前の方が上だぞ東輝」

「それは関係ないんじゃないか?」

「と、このように話題の種にすることも出来るし、実際はそうなのではないのかと思い返すことも出来る。」

うむむ 高校生らしい話題にできるという事か、深いな。

「他にはどんなのを? 出来れば男女別々に診断できると、異性に気にせずにできるんじゃないでしょうか?」

「確かに別々の方が聴きやすいものもあるかもしれない。 今回はちょっと別々でも一緒にさせてもらう。お互い気まずくなるかもしれないが我慢してくれないか。」

辛いだろうな。その質問。

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