表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
霧の思い出〜Revival  作者: 秋本そら
2日目——本当の帰還
16/24

15章 病院訪問の日

音楽室に吹奏楽部員が集まっている。そして、何故か楽器を外に停まっている車に積み込んで行く。


実は、今日は下町病院という所に訪問して、演奏をする日だった。この日のために、2ヶ月前から練習していたのだ。

部長の凛と副部長の昭が話している。

「いよいよ下町病院を訪問する日だね」

「——うん、そうだね」

凛がぽつりと呟いた。

「昨日は咲希ちゃんがいたのにね……」

「うん、今日は見当たらないね」

2人に霊感があるからこそ、話せる話題だった。

「あっこが休みだからかな……?」

昭の言葉に、凛は驚いて言った。

「えっ⁉︎そんなの聞いてないよ!」

「あっ、言い忘れてたね。あっこが今日、急遽休むことになったよ。親戚が昨日、亡くなったんだって。ほら、パートのラインですっごく謝られたんだよ」

顕子と同じパートの昭がグループラインの画面を表示させて、凛に見せた。


『あっこ:ごめんね!昨日親戚が亡くなって……急遽行けなくなっちゃった!ソロ(独奏)もあったのに……本当にごめん!ソロは2人に任せても平気かな?』

山口やまぐち恵理奈えりな:大丈夫です!』

『昭:大丈夫だから、心配しないで行ってきて』

『あっこ:2人ともありがとう!本当にごめんね 泣』


「……そっか。分かった」

しばらくの間、画面を見つめていた凛が言った。


その頃、サックスパートは。

「今日は咲希ちゃん、いるのかな?」

「分かんないよ……うちら、霊感ないんだし」

「まあね……」

琴音と湧真が話していた。楓はトイレに行っていて、その場にはいない。

「琴音先輩!湧真先輩!」

楓がトイレから帰ってきた。

「どうしたの、そんなに慌てて?」

「——今日は咲希、来てないみたいです。千尋先輩がそう言ってました」

「……そっか。教えてくれて、ありがとね」

しばらくの間が空く。

「ほら、積み込みはまだ終わってないよ!頑張ろ!」

沈黙を破ったのは、湧真だった。


そんなサックスパートの様子を見ていた人物がいた。

凛だった。

「……言えないよなぁ」

小声で、ぼそりと呟く。

「……下町病院に、咲希ちゃんが入院してるなんて……」

突然の三人称視点で驚かれたと思います。

これからは咲希の一人称と三人称視点とを交えて書いていく予定です。

ちなみに、グループラインの会話の中に出てきた山口恵理奈ちゃんは、フルートパートの1年生の女の子です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ