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長雨 8

「えっ!シアに会ったの?」


 隠しておくこともできないだろう、と私がさきほどの邂逅を説明するとシンは驚き……あちゃー、とぼやいた。


「会っちゃったんだー」

「……よくなかったでしょうか?会いたくて会ったわけでもないというか、偶然というか。事故と言うのか……」


 事故だな。

 置き土産(イェン)もあるし。……そういえば二人はどこに行ったんだっけ。そもそも竜族の長がなんだってヴァザの領地に来ていたんだろう?視察、みたいなことは言っていたけれど。

 私が声を潜めると、シンは笑って私の頭の上にくるりと指で円を描いた。


「レミリアのこの辺に何かあるのかな?」

「何かとは」

「竜族をおびき寄せる……なにか……こう……」

「人を獣寄せの餌みたいに言わないで!」


 私が小さく悲鳴をあげるとシンはあはは~と笑った。

 ごめんごめんと気持ちがこもらない口調で謝る。

 そんな属性あってたまるものですか!

 ただし、ゲームの強制力……みたいなもので、メルジェが竜族多量発生地になっている可能性はなくもないかもな……と私も思ってはいる。

 不吉な予感に怯える私の隣でヴィンセントが肩をすくめた。


「とはいえ、まあ……困ったな」

「……と言うと?」


 私が尋ねるとヴィンセントがシンをチラリと窺う。

 シンがどうぞ、というのを確認してからヴィンセントは礼儀正しく口を開く。


「竜族の長にシン公子が会いに行くという書簡は出した。会う、との返信が来ていないんだ」

「来ていないんですか?」

「シアの近くにいる……別の本家筋の人に会える約束は取り付けたんだけどね。……シアは勝手にしろって言ってるみたい。彼を引っ張り出さなきゃ意味はない」

「……フランチェスカ殿下の立太子の儀には参加されるんでしょう?いままで、竜族が寿ぎにこなかった王太子なんていないもの……」


 たしか、ゲームでも来ていたと思うんだけどなあと私は思い出していた。

 スチルに竜族の人たちの顔は描かれていなかったけど、美しい方々ね!とマリアンヌ(進行役)がニコニコしていた記憶はあるんだ。


「当代の長は人間が好きじゃない。王都へは来ないかもしれないな」


 イザークが苦笑したので、私も頷く。


「……たしかに、言葉の端々に嫌いだ……という感情が滲んでいた気がするわ……」


 私の感想にヴィンセントがやれやれ、と天井を仰いだ。


「レミリア様が長に会ったというのに、シン公子は会えずじまいと言うのもなかなか外聞が悪いな……君が長に会ったことを……ここにいる人間とドミニク以外で、誰か知っている?」

「まさか!だれも知っているわけ……ない、わけではない……ですね」


 この町の領主が一緒にいて目撃している。


 彼の口はとてつもなく軽そうで……しかも、ヴァザびいきっぽかった事を思い出して、私は視線を泳がせた。

 あれは……危ないな。

 重ねて口止めをしようにも何時間も前に彼らは屋敷に帰ってしまった。今から口止めをしても無駄だろう、という確信すらある。


『シン公子が門前払いにされた竜族の長に、ヴァザの姫君はお会いになった!しかも長は使者として竜族の者(イェン)を残して行かれた。さすがヴァザだ!新王家よりもやはりヴァザが竜族の祝福を受けている……』


 だなんて話を盛られかねない……。

 私の妄想に三人は顔を見合わせた。……ありえそうな話だものね。

 もしくは、とヴィンセントが続けた。


「ヴァザの姫君は竜族の長に何かを吹き込んだのだろう。抜け駆けして事前に長にあうなどとは卑怯だ!……長雨の視察などとは口実に違いない!そのようなこと、わざわざ女がするものか!……レミリア様の妨害でシン公子は長に会えなかったのだ……!……とか噂を流されたりしてね?」


 私はヒィと震えあがった。何その無駄なリアリティ!

 私は慌てて抗議した。


「ヴィンセント!やけに真実味がある台詞を言わないで!」

「シン公子がシア様との謁見に失敗した後に……僕が流布しそうな噂を先にを口にしてみたんだけど、どうかな?」


 どうかな?じゃない!!流布しないでそんなこと!

 なんなのそのさわやかな笑顔!この嫌味大王~~~!!私が怯えると、ヴィンセントは冗談だよ、と苦笑する。


 ……どっちにしろまずいことになったのは、わかった。


「どちらも面倒ですから!シンはシア様に面会できるように頑張ってください」

「……努力はするけど、頑固だからな、あの人。人間側についていった俺の事を、たぶん今でも怒ってるし」

「シア様とは知り合い、なのね?」

「テーセウスの家にいた時はたまに遊んでくれたかな。ま、俺が目当てっていうよりイェンに会いにきてたんだろうけどさ」


 頭を抱えていた私は、シンのセリフに、あ、と思い出した。


「そういえば、確実に長に会える方法を、私知っています……」

「え?ほんと?それってどんな……?」


 シンが目を輝かせる。

 私がここにはいない不良竜族の名前を出そうとしたまさにその時――前触れもなしにドアが蹴破られた。褐色の肌に白髪の美丈夫が現れて、シンが「げ」と嫌そうな声を出した。


「よお、久々じゃないか。シン!」


 ――ほろ酔いで現れたイェンとスタニスに、シンとその近衛騎士二名はおそらく別々の意味でそれぞれ固まった。




 ◆◆◆◆◆


 三日後に、必ず自分のもとへ帰って来い、と……シアはイェンに命じていた。


 命じてというかあれは懇願に近かったような気もするが。

 なので、シンがシアに会いたいのなら、イェンと一緒に竜族の里へ行けばいいのでは?と思うのだけど。私が提案してみるとイェンは私に用意された部屋の豪奢なソファに行儀悪く寝っ転がった。

 上着を脱いで、雪のような白髪をけだるげに解く。

 寛ぎすぎたモードにスタニスがぴくりと頬をひきつらせたが、私はまあまあと侍従をなだめた。

 イェンをこちらの型にはめようとしても機嫌を損ねるだけな気がする。

 しかし、いちいち豪華な家具が似合う人だなとと私は変な関心をしながら彼を見つめた。


「ご迷惑ですか?イェン様も里に帰られるならみんなも一緒にいけばいいのかな……なんて、あまりに軽く考えていたんですが」

「……竜族への特使の話をしているのに、近所にお遣いにいくみたいな気楽な話をするんだな、公女殿下」

「物知らずな小娘なので。いかがなものか教えて頂けたら嬉しいです、イェン様」


 皮肉には空惚けるといいんですよね?と私は亡き祖父を思い出しつつ嘯いた。

 嫌なこったと言われるかと思ったが、イェンは笑って手を振る。


「構わない。シンが俺だけと一緒に行くんなら連れて行ってもいいぞ」

「……というと」


 ぴくり、とヴィンセントが反応する。


「ユンカー、キルヒナー。おまえたちは慎ましくドミニクとお嬢様とこの街で遊んでいろ。他の護衛の騎士も置いていけ。おまえが俺と二人で来るって言うなら一緒に行って、ついでに説得してやる。あいつは人間嫌いだ。ズカズカと人間が里へ訪問したら山かなんかに篭って出てこない」


 スタニスが師の説明に呆れた。


「長ともあろう御仁が随分とガキっぽいんですね、イェン。竜族はそれでいいんですか?」

「知るか!……言っとくが、竜族の奴らの頭に為政者としての素質を求めるな。直系の血族で、異能が一番強けりゃ長はそれでいい……」


 そうなんだ!?

 また一つ、竜族への知識が増えたなあと頷きつつ、私はイェンに尋ねた。


「直系で強い方がいいんでしたら、イェン様が将来、長になる可能性もあるんですか?」


 イェンは強そうだもの。そういう可能性ってないのかな?

 私の素朴な疑問に西国の血を引く竜族はくつくつと笑い、シンは戸惑ったように私を見た。

 ……ん。この質問は少し良くなかったかもしれない。……しかし、イェンは鷹揚に返してくれた。


「俺は純血じゃないからな。その線は無い。竜族もヴァザも血筋や純血にこだわるところがよく似ているかもしれないな」

「……無礼なことを質問いたしました。イェン様」


 構わない、とイェンは笑う。


「愚かなことだと俺も思うが……血筋にこだわる奴らはどうしようもないのさ。苦しくても主義を変えられない。自分の根底が揺らぐからな」

「……はい」


 イェンの言葉を聞きながら私は今まであった多くのヴァザの信奉者たちを思い出していた。

 ……私をヴァザの血統と言うだけで無条件に賛美する人たちの気持ちがわからないし、怖い……と思ったことが何度とある。

 それと同じくらい、「レミリア・カロル・ヴァザの母親はヴァザの一族ではない。彼女はヴァザの本家筋としては──汚れている」と非難してくる人も恐ろしい。

 どちらも見ているのは幻想的な何かであって、私ではないのだ。


「人間混じりでも直系の血筋で異能が強ければ長になれるって条件なら、シンが長でもよかっただろうにな。惜しいことをしたな、シン」

「……竜族の奴らって雑種のこと嫌いなヤツ多いじゃん。シアはともかく、ヤエトとかさあ。……俺は、あいつ嫌い。絶対、里なんかで暮らせないよ」


 雑種。


 シンは時折強い言葉を使う。

 私はヒヤリとしたけど、イェンはこれにもくつくつと笑うばかりだった。言われなれているんだろう、と思い当たってモヤモヤとした気持ちになる。

 私もぼんやりとした竜族への憧憬があるのだけれど。

 純血主義で、人間混じりを雑種と呼ぶ方が多い……のであれば、彼らへの憧れの気持ちは薄らぐなあ。


 それと、私は気になることを二人が話していることに気づいた。

 直系に近い……強い異能……。

 シンがそれに当てはまるなら、シンの父上もシアと親戚関係で、かつイェンとシンも近い血筋だ、ということになる……。


 私の目線は気にせずに二人は会話を続けている。


「怖いのさ、人間が。だから恐れてる」

「人間が?竜族なのに?」

「竜族だから、だろ。……考えてみろよ。狼よりも人間は弱いが、人間が地上で一番強い。何故だかわかるか?」

「……なぜって……ええと、火を使うから、とか?」

「おまえなあ、もう少し勉強してこいよ。軍学校で4年も何を学んできたんだ。このバカ」

「…………はっきり教えてくれればいいじゃん」

「その形がいい頭をせいぜい使うんだな」


 イェンは無言で目を伏せた。

 ……これ以上は話したく無い、ということらしく話題を切り替える。


「おまえ一人ならシアに会わせてやるし、フランチェスカの立太子の儀に参加するように説得もしてやる。……元々、あいつもいくべきだと理解してはいるだろう。だが、おまえ以外は行かない方がいい、と俺は思う。忠告をしてやる。やめておけ」

「…………竜族の里は、危険ですか?」


 スタニスが静かな口調でイェンに尋ねた。

 思わぬ指摘に私たちは顔を見合わせたが、イェンはあっさり肯定する。


「シンは人間混じりだとしても同族だ。異能も強い。竜族の多くが敬意をもって接するだろう。だが供のものはどうかな。徒に刺激して、危害を加えられないとも限らない。もしおまえたちが死んでも、シアが立太子の儀に参加するといえば、ベアトリス女王は責任の所在を曖昧にするだろう。事故死で片付けられる」

「……野蛮だな」

「俺たちは野蛮だとも!……それで、どうする?今決めろ。ま、別に俺と行かなくたって当初の予定通りみんなでぞろぞろ物見遊山でいくってのも悪かないが」

「その場合、里に着いたらイェンは俺のシアへの懇願に口添えしてくれるの?」

「冗談じゃない。俺は里のどっかでのんびりと寝ている」

「………なるほど」


 シンはわずかに考えて、わかった、といった。

 ヴィンセントが反論しようとするのをシンが首を振って遮る。


「女王陛下には俺から話す。──たぶん、イェンの提案が一番確実な気がする。……イェン。俺を案内してくれる?」

「わかった。交渉成立だな」


 にっこりと笑ったイェンは「もう一つ条件があるぞ」と笑みを深めた。

 シンが嫌そうにソファにもたれかけたイェンを見下ろした。


「なに?」

「おまえの歓迎会をドミニクがするらしいな?俺も参加させろ。久々に北部の美食が食いたい」

「……いいけど」


 ……なんだか拍子抜けするくらいあっけないお願いにより、翌日のシンを囲む歓迎会には、なぜかイェンと…………、本当に何故だか私も飛び入り参加することになってしまった。



 ◆◆◆◆◆

 酒宴はささやかなものだった。


 私たちヴァザからの三名、シンとその護衛で十人弱。そしてドミニクと、メルジェを代表してシルヴィアが来ていた。


「シルヴィア姉様、ご無沙汰しております」

「到着が遅れてごめんなさいね」


 シルヴィアはいつものように上品に微笑み、私はちょっと違和感を覚えた。


「なんだかお痩せになられました?」

「痩せたというか窶れたのよ。夏風邪が酷くて」

「お大事になさってくださいね」


 シルヴィアはカタジーナの娘だというのに朗らかな人で、しかも綺麗だから男性方には大変人気がある。

 女王陛下の侍女の中でも特に目立つ人だから、シンの護衛の方々も彼女と話すと嬉しそうだ。

 ……私の従姉がドミニクと別れたというカミラ情報は真実だったのだろうか。だとしたら少し残念だなあと思ってたんだけど――


「……ね、ねえスタニス」

「なんでございましょう、お嬢様」


 立食形式に移行して、皆が談笑する中で私はベランダでグラスを片手に何やら親密な男女に目を向け、私は竜属混じりの我が侍従の名前をこっそり呼んだ。

 視線の先には月明かりの下にイェンとシルヴィア。


「あの二人、妙に仲良くない?」

「…………ど、どうですかね」

「あの二人、会ったことあったっけ?すごく親し気なんだけど。なんか変……」

「以前、イェンが王宮に来た時に話をしたのではないでしょうか?……シルヴィア様は社交的な方ですから、それ以上の意味はないだろうと……推察いたしますよ」


 スタニスが苦虫をかみつぶしたような顔で呻いた。

 ううむ……美男美女でお似合いだけど。シルヴィアがドミニクがいる酒宴であからさまに別の男性と親し気にする、という配慮のない行動をしている……というのに違和感があるな。


 私はできるだけあからさまにならないようにドミニクを探して、観察する。

 彼は卒なく客たちをもてなしていた。……何か思うことがあったって、表に出すような人じゃないものな。

 ……視線に気づいたらしいドミニクの隣にいた黒髪の青年が振り向く。

 私は一瞬、びくっとなってしまった。

 イザークがいつものようにニコッと笑ってこちらに来てくれる。


「ちゃんと飲んでいる?はい、どうぞ」

「……ありがとう」


 果実酒を片手にイザークは現れた。

 入れ替わりでスタニスがシンに呼ばれて私の側を離れる。


「度数は低いから安心して」

「ご心配なく!私、そんなにお酒は弱くないみたい」

「……それが一番危ないと思うなあ。油断して飲みすぎそう」

「気を付けます」


 私が舌を出すとイザークは「心配だなあ」とちょっと遠くを見た。

 当たり障りのない楽しい会話をしていると、不意にイザークが私に尋ねる。


「兄がどうかした?熱心に見ていたけど」

「……ううん、その……シルヴィアと仲良くしてないのかな、ってちょっと……」


 イザークはああ、と頷いてベランダを見た。

 イェンとシルヴィアは今もずっと話し込んでいる。笑顔と言うより深刻な話っぽくて別の意味で心配になるな。なんの話があるんだろう?あの二人の共通点が思い当たらなくて不思議だ。


「イェンとシルヴィア様かあ、なんか変な取り合わせだな。兄貴、あとで泣いてそう」


 イザークのぼやきに私も頷きつつも首を傾げた。


「余計に変……シルヴィア様、人をことさらに傷つけるような方じゃないもの。イェンと親し気に振る舞って、ドミニク様に嫌われたいのかなって……」


 ふぅんとイザークは言いつつ、少しだけ笑った。


「なに?笑ったりして」

「ううん?レミリアがそういう事をいうのって新鮮だなあって思って。出来たら従姉姫のことじゃなくて、自分のことを考えてほしいなあって思うけど」


 イザークが悪戯っぽく自分を指差すので私は思わず噎せた。


 ――君が好きだよ。


 そういわれたことを、勿論忘れるわけがない。

 思い出すと機能がおかしくなるから、棚上げしてるのを許してほしい。

 私があーとかうーとか言っているとイザークはくつくつと肩を揺らした。


「なかなか会えないし、たまに釘を刺しに来ようかなと」

「……会えて嬉しい、のは、本当だよ」

「俺たち、に?」


 私がシンとヴィンセントに視線を向けると敏いイザークはほんの少し口を尖らせた。

 ヴィンセントが私たちに気づいてこちらに来る。


「今はそれで充分です、お姫様」

「……もう!シンが竜族の里に行くなら、皆はどうするの?」


 私が聞くと、声が聞こえる位置に来たらしいヴィンセントがさて、と肩をすくめた。


「せっかくメルジェまで来たし、水害の影響を視察しようかな。……レミリア様がご迷惑でなければご協力を仰ぎたく」


 私はヴィンセントが側に来てくれたことになぜかほっとしつつ、頷いた。


「もちろん。被害の状況を宰相閣下や……女王陛下にこっそりお話ししてくださると嬉しいな」

「レミリア様のお心のままに。はい、これも結構おいしいよ」


 ヴィンセントは私に桃色のお酒が入ったグラスをくれる。

 イザークが口を尖らせた。


「ヴィンス、俺のは?」

「ご自分であちらから持ってきてはいかがです?イザーク卿?」

「……冷たいなあ」

「生憎と、ザックに塩は贈らない」


 にこりとなんだか艶っぽい顔でヴィンセントが微笑む。

 イザークはちょっと言葉に詰まって、べ、と舌をだしてグラスを取りに行った。


「塩?」

「たいしたことじゃないんだ。どうぞお気になさらず――だけどよかったね。君が懸念していたことが本当になって……そして、被害が最小で済んだ」

「うん、本当に。人が死ななくて……よかった」


 復興は大変かもしれないけど。人命は取り返しがつかないもんな。

 

 私とヴィンセントはちょっと沈黙しつつ部屋の人々を眺めた。

 ヴィンセントといると沈黙が苦痛でないのが不思議。


 そう広くない部屋の中。

 人間模様があちこちで繰り広げられているな、なんてことを思いながら。

 私は降り始めた雨音に耳を澄ませた。


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