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手紙 1

『ねえ、元気にしている?』


 出だしはいつも同じ文言だ。


『相変わらずサヘルに虐められてる?そろそろ助けに行ったほうがいい?

 そっちの暮らしも飽きた?

 あ!あたしはこの間初めてドラゴンが生まれるところに立ち会ったんだ!

 白い可愛いドラゴンでね、ルビーみたいな赤い瞳をしてる。女の子だから名前を何にしようかなあ

 何がいいと思う?可愛い名前を考えなきゃっておもっているんだ。

 スイとシェンが穏やかでいい成龍になるだろう、って言っていました』


 少女の手紙はタイスの言葉ではなく、シェンが教えはじめたというカルディナ語で書き認めてあった。


『シェンはいい奴だけど時々すごい間抜けだ。この前なんか俺にも料理はできるなんて言ったくせに油の分量を間違えて危うく里が山火事になるところだったんだ!

 スイにも村長にめちゃくちゃ怒られてて、竜族のくせにシュンとしてた。おっかしいの。

 あの場面、みせたかったなあ。

 それから、あたしは背が伸びました。

 たぶんそのうちあんたよりでかくなるんじゃないかな!』


 手紙はぷつんと唐突に途切れる。

 時候のあいさつもなく、突然終わるところがキリらしい。


「どれだけでかくなるんだよ」


 小さなキリの姿を思わず探してしまい、いるはずもないと苦く笑う。

 窓辺に座って明るい陽射しの中で手紙をもう一度目で追ってイェンは表情を緩め、そっと畳む。


「にやついているが、いい報せか?」


 目線をあげると褐色の肌の背の高い男が扉の前に立っていた。

 背後には少女のように美しい小姓を二人従えている。イェンは立ち上がって己の主人に目礼した。


「イスファン様、何事かありましたか?」

「楽にしろ。休憩中だろう」


 という割に、イェンの主人はついてこい、と彼を手招く。


 ……オアシスが野盗たちに襲われてからはやくも一年が過ぎた。


 エチカの亡骸を埋葬したあと、イェンは誘われるままにイスファン夫妻に仕えていた。

 泣いて離れたくないというキリは、スイに託した。

 彼女はカルディナ北部の北山……魔女たちの住む集落にいる。


『あたしを捨てるのか!』


 激昂した少女にイェンは頷いた。そうだ、俺はお前を捨てる、スイに責任を全て押し付ける。キリから逃げる。そして全部わすれる。無かったことにする。

 そうでもしなければ。


『俺を追いかけてくる不幸が、きっと。キリ、お前も殺すだろう……俺はそれに、耐えられない』


 イェンが心を寄せるものは、その指をすり抜ける。

 手元には残らない。

 だから……距離を置くのだと言外に告げると、聡い少女はさっと顔色を変えてくるりと背を向けた。


『イェンの……弱虫!!あとで絶対後悔するんだからな!!』


 泣くキリを宥めてスイが去り、イェンはそうかもしれないぼんやり思いながら、それを見送った。

 二人からは手紙はくるが、会えてはいない。

 いないが、……後悔はなかった。

 遠く離れたどこかで、スイとキリが平穏に暮らせているのなら、それでいい。

 それから一年。

 イスファンの所有する騎士団に籍を置き、日々は淡々と過ぎて行く。


「キリからの恋文か?」

「はい。ドラゴンが生まれたと……」


 思い出しながら話すとイスファンはそうか、と気の無い相槌を打つ。

 領主が背後にいた小姓たちに「お前たちはさがれ」と軽く手を振ると少年たちは無言で頭を下げる。

 去り際、黒髪の美しい少年に妙に濡れた瞳で盗み見られた気がして、イェンは思わず手首のあたりに浮いた鳥肌を撫でた。

 イスファンは面白そうに少年の背中としかめっ面のイェンを見比べた。


「お前も罪なやつだな、イェン。……珍しく微笑んだりするから見惚れていたぞ」

「……はぁ」

「一度相手をしてやればどうだ?思い出くらいくれてやれ」

「無理です」

「ははは!あいつも可哀想に」


 間髪入れない回答に、イスファンは珍しく声を立てて笑った。

 タイスでは男色は珍しくもない。

 むしろ美しい少年を侍らせて彼等を「教育」して絆を醸成するのが貴族や戦士の嗜みだと思っている特権階級は少なくない。

 こればかりはカルディナ生まれのイェンには悪習としか思えなかった。

 何かの功績を立てた後の酒席でイスファンに小姓を一人譲ってやろうかと戯れに持ちかけられた際もイェンは固辞して小間使いの老女を下賜して貰った。

 理由を問われ、自分の作る料理に飽きたからだと言うと、イスファンとサヘル夫妻は大笑いしていたし、彼等の腹心であるマスードもおおいに呆れていた。


「まあいい。私はお前のそういう潔癖なところが好ましい」

「ありがたいことです」

「連れて歩くのは気分がいいしな」

「光栄です、殿」


 イスファンは素っ気ない返しにくつくつと笑った。

 お前は身を飾る宝石と同じだと言われても別段腹も立たない。

 先ほどの小姓たちはおそらく彼の手付きだろうが、イスファンは美女か十代半ばまでの少女めいた少年しか好まない……

 身体を売ることもなく、この見てくれで飯が食えるなら称賛はすべてありがたく貰っておく。


「マスードが帰ってきた。出迎えに行くぞ」


 はい、とイェンは頷いた。

 西国はこの一年で随分とキナ臭い。

 サヘルの父王が不治の病に侵されたとまことしやかに噂され、各地で王族同士のちいさな諍いが起きている。次期国王と目されている王の息子たちは中央で鍔迫り合いに忙しく、地方の争いは見て見ぬ振りだ。中央が内紛を見て見ぬ振りとは……


 西国はそもそもが一枚岩ではない。


 いくつかの氏族が治めていた大陸の西を一つの国として一人の王が治め他のは500年ほど前のこと。王朝は幾たびも名を変え、王の氏族も変わる。

 波乱の土地だから人々は目敏く、ずる賢く、逞しい……

 イスファンの腹心たるマスードは、がっしりとした体躯の初老の男で手入れされた髭を胸元まで伸ばしていた。一見好好爺に見える武人だが、一度戦場に駆り出されれば彼の周囲は血で塗れる。


「殿、長らく留守にいたしました」

「予定より遅かったな。しかし、お前がおらぬあいだは静かでよかった」

「お寂しかった、ということでしょうか?」


 イスファンに軽口を叩けるのはマスードが彼の一族の者だからだ。

 彼は戦況を簡潔に述べ、イスファンは歩きながら的確に論功行賞の指示を出す。マスード共に現れた小男が頭を下げてつきしたがいながら二人の会話を聞いている。

 貧相なナリの小男……ナジルは恐ろしく記憶力のよい男で、二人の会話をあとで文書に認めて正式に発令するのだろう。

 マスードが主君から得た褒美は予想以上だったらしい。彼は満足げに髭を撫でた。


「イェン」

「はい将軍」

「今回は留守で暇だったろう。次回はお前も連れて行こう、存分に剣を振るえ」

「心待ちにしております」

「……次はお前もきっと楽しいぞ?なにせ、あのハリファが出てくる。お前はかつて、奴の麾下にいたな?」

「…………!ハリファ、ですか」


 イェンが西国に来て一番初めに仕えた主人の息子だ。

 殺されかけて追い出されたが……。


「お前に首を譲ってやる!存分に働けよ!」


 かかかと老人は笑い、イスファンはわざとらしく耳を抑えた。

 ここ最近頻繁に起きている領地をめぐる諍い……相手がハリファとは……。あそこを去ってから五年近く経つが、……見知ったものはまだいるだろうか。イェンを救ってくれた騎士団長はいるだろう。

 それに美しい声で歌う雌狼も……。


「殺したくない奴がいるか?」


 イスファンの平坦な声で切り込まれ、イェンは一瞬動きを止めた。


『ざまあみろ』


 せせら笑う女を思い出したが…、彼女のことをいまだ己は惜しむか?

 ……どうだろうか。


「昔のことです。忘れました」


 ふん、と主人は楽しげに笑って先を急ぐ。

 なんとなくぽつんと取り残されたイェンの隣でナジルがやれやれと肩をすくめた。

 彼が速足で歩き始めたのでそれに着いていく。そういえば休憩中だったのだが、飯を食いっぱぐれているが今日は昼飯抜きになりそうだなと思っていると、


「おまえ、次回は大変だぜ?手を抜いたら軟弱だとかなんとかマスードが騒ぎ立てるぞ。旧主の首を取りに行けとは難儀な。情をかければ二心があるかと疑われ、旧主を屠れば周囲に情のない奴だと謗りをうけるだろうし、ハっ!損な役回りだなあ」

「旧主じゃない。主人になる前に放逐おいだされたからな」

「そりゃまたどうして?ハリファの野郎の妃に色目でも使ったのか、お嬢ちゃん」


 悪意のこもった揶揄に鼻を鳴らす。


「未遂だ。寝取ってやればよかったか」

「言ってろ言ってろ!いけ好かねえ奴だな相変わらず」


 けっ、とナジルが吐き捨て……、次いで何かに気づいたのか相好を崩した。


「父さんっ!」

「坊主!!」


 甲高い声とともに、小さなナジルの息子が跳ねるようにしてかけてきて父親に抱きつく。

 父に少しも似たところのない可愛らしい少年はイェンにも気付くとおずおずと、こちらを見た。


「こんにちは」

「こんにちは、お父上のお出迎えかな?利口な子だ」


 よく見れば王城のあちこちに兵士たちの家族が出迎えに現れている。中には戦死した者も居るから悲嘆も聞こえるが。

 少年の視線がそちらに向かぬようにナジルが位置を変えて息子の視界を遮蔽したのを見て、イェンは苦笑する。

 この目敏い小男は根性が悪く、残忍で酷薄で。

 ついでに言えばイェンを嫌っているのだが、自身の息子にはまるで別人のように甘い。


「イェンさんも、無事におかえりでよかったです」


 無邪気に言われたイェンは少年の前にしゃがみ込んで目線を合わせた。


「いいや?俺は今回はお留守番だったんだ。坊やと一緒だな」

「一緒なの?」

「ああ、お父上のおかげでのんびりと留守番できたよ」


 丸い瞳にじっと見つめられたので、つい構いたくなって微笑んで抱き上げる。

 体温の高い子供はくすぐったそうに身をよじったが嫌ではなかったらしく、ころころと声を立てて笑った。

 表情のない男だのと陰口を叩かれているイェンの笑顔と行動に、周囲が一瞬ざわついた気もするが無視して、呆れ顔のナジルと先を急ぐ。


「なに堂々と他人の息子をかどわかしてやがる……」

「許せよ 。俺は孤独で家族の愛とやらに飢えている哀れな男らしいからな?少し分けてもらってもいいだろう。……坊やは可愛いな。憎ったらしいばかりのどこかのむさ苦しい男とは大違いだ……母上は美人だったんだろうな」


 むさ苦しいナジルが小さく舌打ちをした。

 彼が溺愛する息子の母親は、息子を産んだ時に亡くなったらしい。


「ねえ!イェンさんは、半分竜族なの?」

「だいたいそんな感じだな」

「じゃあ、いつかドラゴンになってお空を飛ぶの?」

「ドラゴン?」

「竜族は、ドラゴンになるんでしょう?」


 少年の勘違いを正すのも勿体無い気がして、イェンはそうだなあと首をひねった。


「気が向いたらな。……だけど秘密なんだ。誰にもいわないでくれ」


 少年は物珍しいのかイェンの髪に手を伸ばす。

 好きにさせつつ歩き続けているとナジルが折れた。

 下手に人目を集めたくないのだろう。彼はあるきながら戦況を簡潔に説明してくれた。

 西国の中央は後継者争いで忙しい。

 地方の領主たちも好戦派の長兄か、内政を重んじる次兄に与するか考えあぐねているらしい。中には後継者争いで国が混乱するのに乗じて自領の自治を認めさせようとする領主もいるという。


「イスファン様は中立でいたいのさ、今は」


 現王の寵愛を一身に受けた女性が唯一産んだのが、サヘルだ。

 彼女は女だから世継ぎたりえない。しかし、王の体調が回復したなら、妹を味方につけた方に王が有利な遺言を残すことはあり得る。


 いや、現時点で腹心に言い含めていないとも限らない……とも言われている。


 それほどまでの寵愛なのさ、とナジルはどこか呆れたように言った。

 婿のイスファンは、妻の威光を十分に利用して、より優位な方につきたいのだろう……と推察は出来るが。イェンはイスファンの錆びた色の瞳を思い出した。

 冷たくはない。残虐ではない。道理を知る名君だという声もある。

 面白味が無いわけではない。

 仕えやすい主君ではあるが。

 誰かに心酔出来るほどの心の柔軟さをイェンは失ってしまっている。


 ……イスファンが勝ち馬であり続けるならこの場所に留まるだろう。

 だが、敗北するなら逃げるしかない。心中はごめんだ。

 しばらくナジル親子と他愛もない話をしていると、パタパタと軽い足音がして馴染みのある少女が駆けてきた。イェンは眉間に皺が寄るのを自覚しながら振り向いた。


「イェン殿!奥方様がお呼びです。どうぞこちらへ……!」

「……いや、そろそろ私はイスファン様の側へ戻らねば」

「まあ!?サヘル様よりイスファン様を優先するおつもりですか。姫様がお怒りになりますわ!早く!」


 侍女は大声で言い、周囲の幾人かが鼻白むのがわかった。イスファハン臣下には、口には出さないまでも傍若無人なサヘルを嫌うものは多い。新参のイェンには関係がないと言いたいところだが、何故かサヘルには気に入られてしまっているのでイェンは彼らに冷ややかにおもわれている。


「参りましょう」


 イェンはナジルの息子を彼に返し、侍女に従う。ナジルが皮肉げに笑ってせいぜい頑張れよと小さく呟いた。頑張れも何も……。イェンは内心でため息をついて歩みを進めた。


「失礼します、サヘル様」


 部屋に入ると漂う強烈な甘い匂いに顔をしかめた。

 紗の向こうには眠っている女がいて、彼女と同じベッドに上半身裸の女二人が不明瞭な言葉を繰り返しつつ、緩慢な動きで上下(・・)に揺れている。

 イェンはため息をつくと窓を開け放った。

 よどんでいた空気がたちまちに薄くなっていく。


 闖入者に気付いたのか、まだあどけなさを残した女が「あー」と赤子のように言葉を発して、イェンの手をつかむ。イェンは手近にあった花瓶を掴むと容赦なくその水を女たちにかけた。


「きゃっ」

「冷たい!」

「何をするのよ!」


 途端に我に返ったらしい女二人が顔をあげて――イェンに気付いて、きまり悪そうに胸を両手で覆った。


「結構な眺めだが。私はお前たちではなく、サヘル様に用がある。――失せろ」


 無慈悲に言い渡すと少女たちは脱ぎ捨てていた上着を羽織ってそそくさと部屋を退出する。部屋の前に立っていた侍女は彼女たちに笑顔で手を振った。

 部屋には侍女と、イェンと、だらしなくベッドの上で伸びているサヘルが残されていた。

 距離を取りながら、ひざまづいて彼女に声をかける。


「――私をお呼びとうかがいましたが、サヘル様?」

「……ううん……あっれ、イェン。呼んだっけ、私」


 ふわふわと笑うサヘルを開けはなした窓から捨ててやりたい衝動にかられながらイェンは背後に控えた侍女を見た。侍女は慈愛に満ちた微笑みを浮かべて紗の中に入ると主の乱れた衣服を整える。


「イェン殿にお話があると言ってらしたではないですか、姫様」

「そうだったかなあ、覚えていないや」


 あふ、とサヘルが大きく欠伸をする。

 彼女の側にある香炉から漂う、どろりとした重い香気はただの香ではない。

 質の悪い麻薬だ。

 イェンは生憎と麻薬の効きづらい体質だから嫌な匂いだと思うだけで何ら作用をもたらさないが、ただ人には毒だろう。

 ……しかもサヘルのように頻繁に使うとあっては。


「思い出した」


 まだどこかとろりとした視線でサヘルは言った。

 素肌に長衣を羽織っただけの肢体からなまめかしい白い足がのぞく。


「――今度、イスファンがハリファと会うんだって。戦場で。聞いた?」

「……殿から直接ではありませんが、噂では聞き及んでおります」


 サヘルはくつくつと喉を鳴らした。


「ハリファの事を私の部下が色々教えてくれるんだけどね。あいつは最悪なやつで、妻に対してもひどい扱いをするんだって……聞いたことがある?」

「いえ……」


 話の筋道が見えない。

 いぶかしんで顔をあげると、楽し気なサヘルの瞳とかち合った。


「気位の高い正妻を殺し、自分に意見をする古株の騎士たちを冷遇し……つい最近ではまだ若い側室に姦通の疑いを向けて白い背中を鞭で打ったのだとか」


 いかにもハリファのやりそうなことだが、サヘルの意図が読めない。

 サヘルはイェンの困惑に構わず続けた。


「その側室は美しい金色の髪を持つ女でね……まるで鈴のような声で歌うのだとか!」

「………」

「その可憐な容姿にふさわしくない勇ましい名前をしているのだと聞いたよ、たしか……」


 女狼(アセム)—―。


 思わぬ場所で聞いた懐かしい名前に、イェン思わず視線を泳がせ——サヘルは笑みを深くした。












他サイトのお話で申し訳ないのですが

「追放された最強聖女は、街でスローライフを送りたい!」が発売中です~

みかけたらどうぞよろしくお願いします。

悪ドラの続きは7月はあと二回はあると思います……!


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