第3章 Tha first summer vacation!!! 【肝試し編】①
第3章 Tha first summer vacation!!!【肝試し編】
第一話 さぁ!肝試しを始めよう‼
水泳大会が終わって、あと四日で夏休みに入ろうという時、体育館で行われていた学年集会で金満先生がいきなり…… 。
「終業式の日、午後六時から肝試し大会があるので、参加したい人は、今日配られる応募用紙に1年何組何番氏名を書いて提出して下さい。大会はグループ制なので5~7人のグループで参加して下さい。」
「き、肝試し大会⁉」「この学校、〝大会″好きだなぁ~」「絶対行こーぜ!」
……など、いろいろな声が飛び交っている。そんな中、井下達は……
「肝だめしかぁ~おもしろそうだね!」by瀬戸
「だね~」by南野
「三神も引っ張ってくるか~?」by水木
「は? あの変態は強制参加だろ?」by佐次
「僕、出なくてもいい?」by住谷
「だ……ダメです……。皆で行けば……こ……怖くないですから……‼」
と、話していた。ちなみに三神は一番後ろに座っていた。水泳大会以来三神は、学年集会だけで、出るようになったのだ。ただし、あくまでも、学年集会だけなので、山田先生、北先生の怒りはまだ消えそうにない……。
その日は、学年中、肝試しの話で持ちきりになった。応募は今日中だったため、佐次と水木は、めずらしく理科の授業に出ている三神の所へ、授業中にもかかわらず、入って来たため山田先生にこっぴどく怒られた……。まぁ、なんとか三神を肝試し大会に出場させることが出来たわけだ。
~そして三日後の終業式の日~
「……では、夏休み事故の無いよう、楽しく、安全に過ごして下さい。以上で私からの話を終了します。」
「きおつけ‼ 礼‼」by生徒会長
校長先生の三十分近い話を終えて教室で、宿題や成績表などを受け取り、帰りのホームルーム終了直後、放送が流れ始めた。
ピンポン、パンポン♪
『一年生の生徒に連絡です。肝試し大会に参加する生徒は、本日の五時五十分には、校門で受付を済まして下さい。ただし、他の理由での校内侵入は、不法侵入とみなしますのでご注意下さい。』
ピンポン、パンポン♪
「だ、そうだ。みんな忘れるなよ‼ ってことで、良い夏休みをな‼」
金満先生の放送が途中で入ったが、山田先生の帰りのホームルーが終わり、皆が話し始めた。
ザワザワザワザワザワザワザワザワ
皆は、嬉しそうに教室を出て行くが、三神は一人、浮かない顔をして教室を出た。すると……
「おっそ――い‼ 三神、アウトー‼」
「は?」
教室の前には、なぜか井下達が立っていた。瀬戸はかなりイラついているようだ。
「何でいるの?」
「いや~。三神が逃げ出さない様に、見張っておこうと思ってさ~。」by水木
「そーそ。」by住谷
「いや、逃げ出したら、瀬戸に殺されるだろ……僕……。」
「さぁ~? どーでしょうかね~?」by瀬戸
「(殺しにかかるなぁ……これは……)」by住谷
「(危険人物だ……こいつ……)」by水木
「(怖い……。ひなちゃん怖い……)」by井下
「あ、今日ちょっと用事があったんだ‼ じゃ、うち先帰るね!」by瀬戸
「了解!」by佐次
「っと、忘れる所だった。みんな‼ 五時三十分に拳くんの家の前に集合ね! じゃ、またあとで‼」
と、言うだけ言ってダッシュで帰っていく瀬戸。
「……なんで、あいつ今まで居たんだ?」by水木
「なんでだろうね?」by南野
「あの……早く帰りませんか?」by井下
「そーだね。帰ろ、帰ろ~」by住谷
「だなぁ……。みんなが来るまで、寝るかぁ~。」by佐次
「よし‼ 三神!! なんか奢れ!」by水木
「は? 意味わかんないんですけど⁉」
「いーからお・ご・れ‼」
「い・や・だ‼」
「……また、かよ……。」by住谷
まぁ、そんなことを話しながらみんな帰りました!=>(ちなみに、三神は、ダッシュで逃げましたよ。水木から)
~そして、約束した五時半~
「おっそ――い‼ 三神まだ来ないの⁉」by瀬戸
「まぁまぁ、まだ三十分になったばっかりだし、あわてない、あわてない!」by南野
「そうだって‼ ひなと違ってあいつは、スローペースなんだからさ~」by佐次
「へ? ひなちゃんと違って?」
「……今日、三十分前に来たんだよねぇ~ひな。」by佐次
「早っ! 早すぎだろ⁉」by水木
「いつもの事じゃないかな?」by住谷
「そうだよねぇ~。」by南野
「だって暇だったんだもん‼」
「さきに帰らずに一緒に帰れば良かったんじゃないですか?」
「同感だ」by佐次
「だって~。駅前まで買い物に行かなきゃと思ったら家にあったんだもん!」
「ふ~ん……。で、さっきから気になってたんだけど……なんでリュック持ってんの?」by南野
「ん~、まぁ後でわかるよ。」ニヤッ
「……?」by南野
「で、三神の奴はまだこねぇのかよ‼」by水木
「……。よし‼ 家に行くか! 三神を呼びに‼」by佐次
「そーだねー。待ってても来そうにないし……。」by瀬戸
ってことで、三神の家に呼びに行った瀬戸達。ちなみに三神は、家で爆睡していたらしく、佐次に殴られ起こされた……。
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いろいろあったが、なんとか受付時間に間に合った三神達。全員の受付が終了したのを先生が確認すると、
「よーし。じゃあ、各グループの代表に渡した番号の順番に始めるからな~。まず、①のグループから入れ~‼」金満
「うわぁ……。一っ番最後じゃん‼」by瀬戸
「三神のせいだな。」by佐次
「三神サイテー。」by南野
「変態さんのせいで……。」
「一回死んどくか?」by水木
「サイテーダナ‼」カタコトby住谷
「うっ……。ご、ごめん……。」
~肝試し開始四十分後~
「……そろそろだな……。よし! 最後のグループ入れ~‼」金満
「やっとか~……」by佐次
「ルールは覚えているよな? 特に佐次と住谷‼ それと三神‼」金満
「もちろん、覚えてますよ!『1、物を壊さない‼』」by住谷
「何で俺まで……『2、ふだを破らない』だろ~」by佐次
「えっと、『3、ふだを全部見つけるまで戻らない』?」by三神
「まだあるじゃん‼『4、屋上には近かずかない』‼」by瀬戸
「たしか……『5、面白半分で、友達を教室に閉じ込めない』っていうのも…」by井下
「あと、『6、銅像の裏に入らない』」by南野
「あれ? これって俺も言うパターン? はぁ。最後に『立ち入り禁止区域には行かない』だな」by水木
≪詳細≫事前に全員には事前に地図を配布しており、立ち入り禁止区域は、体育館プール棟、新館の食堂の調理室、本館一階の職員室と事務室と校長室、二階のコンピューター室と金工室、三階の木工室、中庭……だ‼
「よし。大丈夫だな。まぁ、南野がいれば安心だな。ってことで、懐中電灯と札を入れるケースを渡しておくからな~。」金満
金満先生は、南野に懐中電灯とケースを渡した。
「じゃ、気おつけて行って来いよ~‼」金満
いよいよ、肝試し大会のスタートだ‼
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「……で、どっから周るんだっけ?」
と、スタートして、一分も経たない内に水木が言ったので、三神達はずっこけた。
「えー……地図見ればわかると思うんですけど…。」by井下
「へ? あ、本当だ‼ ルート書いてあんじゃん‼」
「はぁ……バカだ…こいつ……」ボソッ
住谷がボソッと水木に聞こえないように言ったつもりだが……
「ん? 何か言ったかなぁ~? 住谷くん?」
「いや、なんでもない……。(地獄耳だ、こいつ……)」
「おーい‼ 早く来ないと置いてくよ――?」by瀬戸
井下、水木、住谷が話してる間に、三神達は本館の入り口に立っていた。
「へ? あ、ちょっ、みんなー待ってよ~‼」by住谷
「おっそい‼ もー早く行くよ‼」by瀬戸
「(やっぱり、ひなちゃんせかっちだな……)」by井下
「えっと……最初は新館の二階だから……まず、二階に上がって連絡通路に行こう‼」by瀬戸
本館二階の3-Fの前にある連絡通路にダッシュで向かおうとした瀬戸。……走る前に水木と南野に止められたのは、言うまでもない。途中、保健室や校長室など在ったがスルーしたのは気のせいだと思う……。まぁ、三神は案の定、コンピュータ室に入ろうとしていたが……。
何はともあれ、なんとか? 新館二階の食堂室に着いたのだった。
「うっわぁー……やっぱここも薄暗いね……。」by瀬戸
「肝試しだから当たり前だろ~。」by佐次
「とりあえず……早いとこおふだを全部探して帰ろう‼」by瀬戸
「そ、そうですね‼ 早く帰りましょう‼」by井下
「ってか、もう帰ろうよぉ~」by住谷
「あ、そーしよっか‼」by瀬戸
「えっ⁉ 肝試し大会出ようって言ったのひなだよな? 何で帰ろうとすんの?」by佐次
「ひな……もしかして怖いの?」by南野
瀬戸は、顔を赤く染めてアタフタし始めて言った。
「べ、別に~お、お化けとか幽霊とか怖くなんかないし~……。あはは……。」
「嘘だろ。100%。第一に声が裏返ってるしさ。」by佐次
「ひなって女の子らしくないけど、こういう可愛い所もあるんだね!」by南野
瀬戸は、どんどん顔が真っ赤になっていった。
「うっ……と、とにかく、手分けして探そう‼」
「う、うん。そ、ソーダネ。ハヤク帰ろう‼」by住谷
「……。(住谷もビビッてやがる……。)」by水木
とりあえず、全員でふだを探し始めることにした三神達。
~探し始めてから十分くらいが経過~
なかなか、ふだが見つからない……。瀬戸は探すのを中断し、何か考えている。と、おもむろに携帯を取り出し、何かをし始めた。
「(んなことしてる場合じゃねえだろ‼)」
水木は、瀬戸の方を向いて目で訴えた。だが瀬戸は、見向きもしなかった。
ピロリン♪
しばらくして、三神と井下以外のメンバーに瀬戸からメールが来た。その内容は……
『全員(三神とさーちゃん以外)新館一階の購買部の前に集合‼』
と、書かれていた。
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瀬戸達がいなくなったことをに全く気ずいていない井下と三神。二十分探し続けてようやく三神がしゃべり始めた。
「あ――もう‼ まったく全っ然見つかんねぇよ‼」
「ですよね……。ひなちゃん達はどうです……か……ってあれ? みんなは?」
「え? その辺にいるんじゃ……。いない…。ってことは僕たち……置いてかれた⁉」
「ど、どーしましょう……。あ、そうだ! 携帯……って、あれ? な、ない⁉何で⁉ ちゃんと入れたはずなのに……」
「あ、じゃあ僕ので……って、そーだ。水木にスマホ取られたんだっけ……。」
「ってことは……連絡手段がないって、ことですよね?」
「そーゆーこと……だな……。」
「どーしましょうか? ここで待つのはイヤですよ?」
「それは、僕も同感だよ。」
「地図通りに歩いて行けば見つかりますかね?」
「ん~……確かに、じっとしてるよりマシかな?」
「じゃあ、行きますよ! ……はぐれないで下さいね……っ…変態さん。」
「へ? あ、うん……って、僕は、変態じゃないんってば‼」
「プッ。もう、慣れちゃいました!」
この時、少し井下が笑顔、笑ったように見えた……。でもそんなのが起きるはずがない。きっと僕の見間違いだ……。
……とりあえず、瀬戸たちを探すため、歩き始める三神と井下。はたして、見つけることは、出来るのか?そして、この学校の七不思議とは……?
ま、そーゆーことで!! 本当の肝試し大会は、ここからスタートなのだ⁉