第1章 NEWfriendの誤解
第1章 NEWfriendの誤解
4時間目の授業が終わり、皆が食堂や購買部に行く頃、三神は1人教室でギャルゲーをイヤホンをつけてノートパソコン(黒根の物)でやっていた。
「ふふん♪おっ!選択肢きた!!」
タラリンッ♪
☞1,このメガネは君の?
2,はいっ。これからは落とさないようにね!
3,こんな所にメガネ落とすと踏むぞ!
「えぇ〜っと……まぁ、3はありえないね。ん〜1と2……どっちかなぁ…………。うん!2だなぁ〜……!!わっ!?」
ゲームをしていると、誰かにイヤホンを耳から抜かれてしまった。三神はびっくりして、急いでパソコンを閉じた。
「……はぁ……やっぱり……噂道り、変態三神……なんですね…………。購買部に行こうとしたら……パソコンを……やっている人がいたので…びっくりしました…………。」
「えぇ〜っと……君は?」
「……。」
「……あのぉ〜……。」
「へ……変態さんは嫌いなので!!!」
「えぇ〜!?なんだよ、いきなり!だから、君は誰!?」
「…………。」
そっと彼女はポケットから携帯を取り出し……。
ピッ。
そんな聞き慣れたような電子音が鳴り
『はい!』
「?」
三神は、彼女が携帯で話す相手の声に、疑問を思った。
「警察ですか?」
「……。」
三神は、訳がわからず混乱した。
「変態がいます!助けてください!」
「……っえ!まって!なんで警察にかけてるの!?」
三神は急いで彼女の携帯を取る。
『変態がどうしたのですか?』
警察の人が困っているようだ。
「いっ、いや、今のは冗談です!すみません!」
三神が必死に謝る。
『君は誰かね?』
「えぇ〜と……さっきの子の友達です!本当に、すみませんでした!」
三神が友達。ということにして、また警察に謝る。
『……もぉ……こういうイタズラ電話が最近多いから、ダメだよ!』
「すみませんでした。本っ当にすみませんでした。」
ピッ。
三神が安心したように肩をおとした。
「ねぇ、君は誰なの?」
三神が携帯を返した後、彼女に聞いた。
「……いの……いのし……。」
彼女は体を震わせながら、なんとか言おうとしている。
「イノシシ?」
三神が冗談半分で聞き返す。
「ちがいます!」
怒られてしまった。そりゃそうか。
「い……いの……いのし……井下……井下彩香です!!!」
彼女もとい、井下は震えながらも言いきった。
「僕は三神かみt……「わかってます。三神かみ(髪)好きな変態さんなのですよね。まぁ、略して『変態三神』ですね。」
三神が名前を言ってる途中で井下が話し始めた。しかも名前が違う。
「いや。最初から言ってた、僕の名前と変わってないよね!?てか、僕、全然『髪』には興味がないからね!僕が好きなのは...」
『キーンコーンカーンコーン』
言いかけて、今度はチャイムに止められた。
「……チャイムが鳴った……ので、帰りますね!……昼食べられません……でした…………。変態三神……今度、購買部に行けなかった分、買ってください。……では!」
ガラガラガラ。
「な、なんだったんだ……?」
三神は皆が教室に帰ってくる前に、ノートパソコンからギャルゲーを取り出し、黒根の机にパソコンを置き、走ってパソコン室へと向かった。
その頃、井下は教室で、いつもの様になっていた。
「さっきのは…………。」
窓の外を見ながら、小さな声で言った。
===!
放課後、三神は、朝学活と帰りの学活にだけ教室に登場し、学活が終わるとすぐに教室から逃亡し、またどこかに行くという……。
「やっぱり、まだ寒いな...。」
三神はいつもの様に、黒根のパソコンを借りて、バックに入れ下校していた。
まだ、入学してから、2ヶ月くらいしかたっていない。空気はまだ冷たく、風も冷たい。
と、そこで瀬戸達に出会った。
「…………。」
三神は、無言で通りすぎようとする。
「なんか、しゃべれよ!!」
いつも通りツッコミをいれる水木。
「よし!!じゃ、マグレに来いよ!」
佐次が言った。
「や・だ!!!」
「じゃあ、三神のおごりだろ。」by水木
「だから!!い・や・だ!!!」
「きまり〜!!」by瀬戸
「やだよ!!」
「んじゃ、そーゆーことで。」by水木
「はっ!?」
「よし!今から行くか!!」
===!!
マグレに連れて行かれた、三神……。
「いや〜三神の財布取っておいてよかった〜」
水木が言った。
「いつの間に!?」
三神が驚きポケットをまさぐるが……入ってないっ⁉
「と、いうわけで、僕チーズバーガーのセットのオレンジで!!」
「ビッグマッグとダブルチーズバーガーとポテトLとコーラLで」
「じゃあ、うちは、ダブルチーズバーガーのセットで!!」
「あ、私もひなと同じで〜。」
「俺は高い値段のやつ全部とシェイクのLLで!!」
住谷、水木、瀬戸、南野、佐次の順にカウンターで注文をしていく瀬戸達。一通り注文が終わったところで定員が確認を取る。
「以上でよろしいでしょうか?」
《はい。》
「え!!ちょっ、まっ《だまれ!!!!!》バギッ」
「……。」
注文を止めようとして水木と佐次に殴られる三神。
〜それから30分後〜
わーわーきゃーきゃーざわざわざわ
「……う……うるさ―――――――――い!!!」
……グレ中が静かになった。
「……。」
「っというわけで!!」by住谷
「三神のバッグ!!」by水木
「探ろう大会!!」by佐次
《イェ―――――――イ!!》
「やめてくれぇ~!!!」
三神が叫んだ。
「おとなしくしてろ!!!」
佐次におさえつけられる三神。
「それじゃあ、レッツ、スタート!!」by南野
「中身は何かなー??」by瀬戸
「まずは〜あっと〜いきなりアダルトの本だー!!」by住谷
「ひくわ〜。」「ないないw」「最低!!」「おろ〜〜」
水木は吐くふりをした。
「やーめーてーくーれ〜!!」
「では、次は……お!!財布が出てきた!!えーっと残金は……なんと、21円!!」by住谷
「少な〜」「びんぼうだな〜ww」「うまいコーン2本しか買えね〜w」
「さっきお前らが使ったからだろ!!!」
「は?何のこと??勝手ないいがかりつけてんじゃねぇよ!!!」
逆ギレする水木。
っと、ここで遅くなったが人物紹介をしよう!!
まず、住谷拓真。学年1のチビで身長がなんと145cmしかない。『うっさい!』by住谷
次に、水木悠祐。クラス1の長身で170cmもある。『長身なのか?』by水木
続いて、佐次拳。かなりのドS。アニオタのボカロ好きだ!!『悪かったな!!』by佐次
そして、瀬戸雛乃。ボカロ系音楽好き。意外と人気者(?)あだ名は「ひな」『なんかフツーのあだ名だよね〜』by瀬戸
最後に、南野咲。英語の成績はなんと学年1位!ただ、その他の教科は…『それは言わないで!!』by南野
……ちなみに、この5人、三神とは中学生からの仲でめっちゃ仲がいい……らしい。
「わ―――――――!!?!」by三神
「と!続いて13個目、なんとエロゲーが7ソフト目だ!!」
ってか何かいきなり、13個目になってる!?
「おい!ナレーターでてくんな!」by水木
「まあまあ、みずゆ〜落ち着いて!!ナレーターくらい、ほっときなよ!!」by瀬戸
「次いこうよ!!次!!」
住谷が水木と瀬戸が二人でヒソヒソと何か話してたので、しきった。
「さて、次は……お!!パソコンが入ってる!?……三神ってパソコン持ってたっけ?」
佐次が言った。
「持ってないけど……借りたんだよ!!」
「借りた?借りたって誰に?お前、パソコン借りられる様な友達、同じクラスにいたのか??」
「うっ……そ、それは…………。(あいつら、友達って言えるのかな?)」
「答えられないじゃないか〜!!」
「やっぱ、友達いないんだろ〜?」
水木が言った。
「……。」
「ねえ、もうやめてあげなよ!!なんかやばそうだし……」
瀬戸は三神の異変に気付いたのか、止めようとしたが。4人の盛り上がりは最高潮に達していて聞こえていない。
「かわいそうな三神君。同じクラスに友達が1人もいないなんて〜(笑)」by水木
「三神君、得意なネットで友達募集したらー?(笑)」by南野
「てかさ〜、友達いねーのに『友達から借りた』って……(笑)」by佐次
「あははっ!あいかわらずだな〜三神は(笑)」by住谷
ほかの4人は盛り上がって笑っていた。
「……………………っ」
「ねぇ、聞いてる?やめてあげなってば!!...なんか、三神の様子がおかしいしさ……」
瀬戸が言った。
やっと瀬戸の声が聞こえたのか4人は三神への方へ向いた。
「……へ?」by佐次
「あ、あれ!?あの…….三神……君?」by南野
「え、えっと……その……ごめん…………。」by住谷
「あ〜……ごめん……三神……。」by水木
「…………かげいにしやがれよ……??」
「……え……?」by瀬戸
「い……い……いーかげんにしやがれよ!?お前ら!!」
「う、うわぁ!?み、三神がキレたぞー!!?」by住谷
説明しよう。三神は普段のほほ〜んとしているが、キレると『お前、本当に三神か?』と言われるくらい、性格……というか人格がかなり変わる。
「さっきから、友達いない、友達いないって言いやがって!!!!人のことなんだと思っていやがるんだ!!!!俺だって同じクラスに、友達の1人や2人いるわ!!!!」
「あ、あーあ……。だから、止めたのに…………。」by瀬戸
「なっ!!だって、ひなも『やめろ』とは言わなかったじゃねぇかよ!!」by佐次
「本当の所、何人友達いるのかな?」by南野
「どーなんだろう?今、三神にしゃべりかけられないし…………って、なんかけんか始めた2人がいるんだけど……。」by住谷
「なっ‼?拳君達が聞いてなかっただけじゃん!!それとも、うちが悪いってゆーの!?」by瀬戸
「別にそーは言ってねーだろう!?ただ、三神がキレる前に止めてくれたっていいだろうって言ってるだけじゃねーかよ!!」by佐次
「はぁ!?うちは、ちゃんと止めたって!!だいたい、三神に友達いないって言っていじり始めたのは拳君達でしょ!?」
「はい、はい、はい。もーわかったから2人共、や・め・ろ!!!今は、三神を止めなきゃいけないだろう!!」
水木が二人のけんかを止めた。
「あっ!!そっか……拳君……ごめん…………。」
「いや……俺の方こそ……ごめん…………。」
「ふぅ……やっと、こっちは終わったぜ…………って、三神が大変な事に!?」by水木
「みんな……そーやって、いつも俺をいじめるんだ‼‼みんなみんな………………………………死んじゃえばいーんだー‼‼」
そう言って、カッターを振り回す、三神。
「うわぁ!!!あ、危なっ!!!」by水木
「なんでよけんだよ!!!よけんじゃねー!!!」
「三神君、落ち着いて!!あ、ほら!!なんか、おごってあげるからさ!!ね?」by南野
「う、うん!!だから、もーやめて?ね?」by瀬戸
「そう、そう!!好きなだけたのんでいーからさ!!!!」by水木
「ほら、みんなもそー言ってるし、機嫌直してくれよ〜な〜?」by住谷
《佐次が!!》「佐次君が!!」「拳君が!!!」
と、佐次に押し付ける瀬戸達。
「はぁ!?なんで!?なんで俺が、三神におごらなきゃいけないんだよ!!!」
「だって、1番ひでー事言ったの佐次だしさ〜」by水木
「あと、お金、この中で1番持ってるし!!」by住谷
「この金は、課金するために持ってるだけで、人におごるために持ってるわけじゃねーんだけど……」
「え〜……ねぇ、拳君、おねが〜い」ニコッ
笑顔で頼む瀬戸。ちなみに、おどしてるわけではない。あくまでも素だ!!
「……じゃあ、今回だけ、だからな?」
「わーい!!!ありがとう!拳君」ニコッ
「瀬戸……怖えーよ……」ヒソッby水木
「うん……かなりおそろしい……。」ヒソッby住谷
「あんなキャラだっけ?ひなって……」ヒソッby南野
「3人共、何か言った?」by瀬戸
《いえ、なんでもないです!!!》
瀬戸について南野達がヒソヒソ話していると、いきなり瀬戸に話しかけられて、びっくりして敬語を使ってしまう南野達。
「ふ〜ん……まぁ、いーや〜。」by瀬戸
「よし!!んじゃぁ、三神、好きなだけおごってやるから、機嫌直せ!!な?」by佐次
「……やっ……。」by三神
「やっ?」by住谷
「やっ……やった―――――――――――――――!!!!!」by三神
「うわ!?びっくりしたぁー」by南野
「いきなり、叫ぶなよ!!!」by水木
「だって、好きな物好きなだけ買ってくれるんでしょ!!最高じゃん!!!」by三神
「あぁ……そーゆーこと...」by住谷 ↓by三神
「なにがいいかな〜?やっぱりここは、ギャルゲーとかか」「マグレでだよ!!!」by佐次
「あ、あぁ……なーんだ……マグレでか…………。」by三神
「あ〜、おなかすいた……あ―――――!!!!変態三神!!!!!な、なんでこんな所にいるんですか!?」
そんな聞いたことのある声に三神は反射で立って言い返した。
「だーかーらー!!!!変態じゃないって前にも言ったじゃん!!!!」
「変態に変態って言って何が悪いんですか!?」
「18禁系は好きだけど、変態じゃない!!!!」
「やっぱり変態じゃないですか!!警察呼びますよ!?」
「なんで!?」
「あ―――、もう!!2人共やめて!!周りの人に迷惑でしょ?」
2人の言い争いを止める瀬戸。
「そーだよー!!てか、井下さんと三神って知り合いだったの?」by南野
「え?あ、うん。一応……」
「にしても、めずらしいな。井下がこんなにしゃべるなんて。」by水木
「うっ…………」
「たしかにな~。教室じゃめったにしゃべんねーもんな。」by佐次
「え?そーなの?」
「なーんだ。三神しらないの?井下さんって1−Dじゃ『無愛想で笑わない』って有名なんだぞ〜。」by住谷
「へ〜。そーなんだー……普通にしゃべってたから、普通の女の子だと思ってた……」
「…………では、私はこれで。さよなら、変態さん。」
帰ろうとして、三神に腕をつかまれ、止められる、井下。
「何するんですか!?変態!!!」
「だから!!変態じゃないって言ってるじゃん!!」
三神と井下が言い争いをしてる時、佐次が三神の耳元で、
「お前ら、付き合ってんの?」
と聞いてきた。
「はぁ!?何言ってんの!?それ寝言!?」
「どうしたんですか?」
「あ、い、いや!!なんでもない!!なんでもないよ!!」
「ふーん……。じゃあ、私はこれで……」
「だから、ちょっとまってってば!!」
ふたたび止められる井下。
「何なんなんですか!!さっきから!!警察呼びますよ!?」
「だ・か・ら!!なんで警察なの!?って…………そーじゃなくて……の名前は『三神上斗』で、『三神“髪”好きな変態』じゃ、な・い・の!!!!」
「へ?あ...そーでしたか...。」
「あーよかった、なんか、心のモヤがとれた感じ...」
「では、帰らせてもらいます。さよなら変態さん。」
「って、結局それかよ!!」
やっぱり俺の人生には瑠璃色に輝いた青春はここから、いや。これからも起きないのかもしれない。
本当に三次元は理不尽すぎて最低だよ……。そう俺はゲームみたいに選択肢でハッピーエンドっ!と、そんな事は絶対に起きない。
誰か俺を助けてくれ……二次元を俺にくれ。そして俺は誰かにSOSを出せたらいいんだけどな……。
願いかぁ……。
〜1、NEWfriendの誤解〜(完)
初めましてっ!宮田咲夜です。
この作品は1年ほど前からpxivにて公開している作品ですが……今回、修正を加えてここで公開することになりましたっ!
pixivで先に読んでしまっている方にはわかると思いますがこの作品『僕S』は話数を重ねる都度に文字数が増えています。なので初めて読んでくださった方はたぶん「え~。これしかないの?」とか「ぜんぜんおもしろくない」とか思っているかと思いますが、実際これからが本番ですっ!なので、次の話をゆっくり待っていただけたらと思います。
そして、少し余談ですがこの作品……ノンフィクションだったりフィクションだったりしてます。あと、プロットの時点でこのシリーズの完結には4,5年掛かることが予想されますので、長く読んでくれたらうれしいです。
最後に、この作品の制作には水谷かおるさんのご協力をいただいて制作しています。まだ、始まったばかりなので続きも読んでくれたら嬉しいです。もし気に入ってくれましたら、今後ともよろしくお願いいたしますっ!
・2015年10月 宮田咲夜