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12.

 ***


 覚えていたのはそれが原因ではなかった。強い一年のお陰で順当に勝ち進んでいるから一度観に来いと。直人に誘われて行ったんだ。春の大会だった。桜並木が近くにあったのか桜が舞い上がりひらひらと舞う先に佐伯涼と若菜がいた。子犬みたいに佐伯にじゃれて幸せそうな若菜が。

 直人の学校の試合を観て、あれが言っていた佐伯涼なんだと知った。

 でも俺のなかには桜散る中にいる若菜の姿が鮮明に残っていた。


 桜吹雪を見るたびに思い出していた少女にまさか夜の街で会うなんて思ってもいなかった。若菜があの少女だと気づいたのは、若菜から佐伯涼の話を聞かされた時だった。

 ああ、会えたんだ。あの子と。


 今日は桜吹雪が舞い上がりひらひらと舞っている。あの時のように。だけど若菜の隣には俺がいる。あの頃のように子犬のように話しかけてくる若菜を愛おしいと思う。まさか、こうなるなんてって、想像もしていなかったけど。

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