託された武器、立ち向かう『武器』
間章1
「よう坊主。お前も独り身になった口か? 俺もだ。ハッハッハ!」
俺はこのバカみたいに笑うおっさんに救われた。
言いようによっては命の恩人、親父とも言える。
「だが安心しな、お前は一人じゃない。見ろ、みんなお前と一緒だ」
親父の背後には俺と同じくらいの子供がたくさんいた。
その数は、救うことができた人の数は、彼が助けることができなかった人の数に反比例していた。
「よろしくな。俺の名前は――――」
俺はこの男のお陰で一時の安寧を手に入れた。
そう、あくまで一時の、だ。
つかの間の平穏はそう長くは続かなかったんだ。
「どこへ行った!」
「探せ、そう遠くには行ってないはずだ。ったく、めんどくせぇ」
私服と変わりないような服の集団。しかし彼らは一人一人何らかの武装をしていた。それだけで一般人では到底敵わないレベルの武装だ。
彼らは誰かを探していた。ほんの数時間前に突然現れた侵入者だ。それも国外からの、である。
もともとこの国、イギリス。もとい正式名称『グレートブリテン連合皇国』は正体不明の防御壁によって外界からの侵入の一切を遮断している。なので本来侵入者っが現れること自体異例なのだ。実際にこれまで侵入者など一人もいなかった。
そんなところに、現在屋根から追手を観察中の二人組、柊晴人とエルナは『何故か』来てしまったのである。
それも、侵入者の存在に一番に気付いたのはこの国のトップ、トロイト=カーツだ。
他の誰かだったら、少し惨酷だが口封じしてしまえば何とかなったのだが、どうにも運が悪かった。
「やべーぞエルナ。このままじゃ見つかっちまう」
とある屋根の上。
ビクビクしながら追手の動向を確認しているのは晴人だ。
「ふむ。晴人、余……いやイギリスにいる間は俺様のことはエルと呼べ」
「あん? エルナの様子がおかしい……」
晴人はエルナの方は向かずに追手ばかり観察していたので、エルナの言葉と声にすごい違和感を発生させていた。
「エルナじゃない。エルだ」
晴人は考えた。
エルナは今までは○○じゃ、とか○○よのう、とかおじいさんっぽい言葉使いをしていた……はずだ。ならこの俺様とか○○だとか使うやつは一体何者なんだ、と。
気になった結果、晴人はいつもの調子でエルナを煽ってみることにした。
「はいはいエルさんねー。エルちゃんって呼んだほうがよかったかなー?」
返ってきたのは……
「こっちを見ろっ!」
「あ痛い!!」
返ってきたのは言葉ではなく、背中への強烈な蹴りだった。
少なくとも女にしてはキツイ蹴り。
エルナ? は白々とした声で続けた。
「馬鹿、声がでかい。追手に見つかったらどう責任取るんだ?」
「責任って……エルナが蹴りなんか入れるから―――」
晴人は背中をすりすりしながらエルナのほうを振り向いた。
そしてとうとう目撃してしまう。
「お前……」
「ようやく気付きおったか。痴れ者め」
そこにいたのは、いかにも英国紳士なイケメンの男性だった。
「あれー? エルナさーん? 隠れてないで出てきなさーい」
「俺様は此処だァァァァァァ!!」
「何故叫ぶ!?」
エルナ、ではなくエルは中々に自己主張の強い方みたいで、まあ要するに……、
「見つけたぞ! あそこだ、追え!! 追えェェェェ!!」
隠れることなんて言語道断である。
「俺様がルールだ」
「うるせぇよ! テメェのせいでアイツらに見つかっちまったじゃねーか!! どうすんだこれ!?」
「あんなカス共はまとめて吹き飛ばしてしまえ」
「確かにそっちの方が楽だけどさ。あーもうじゃあいいよ! 俺様が全員倒すからエルさん刀に変われ」
エルは動かない。
「おい早くしろよエルさん。追手が来るって」
「却下」
「……は?」
エルの言葉にあっけらかんとする晴人。驚きのあまり一文字「は?」しか発声することができなかった。
「ちょっと待て! ワンモアチャンスだ。刀になってくれい」
「ことわーる!! あんな雑魚相手に俺が必要か? 否! おぬしが俺の主ならあの程度俺なしで倒してみよ」
「(メンドクセェこいつ……)」
「しかし、だ。俺も久しぶりに男の姿になった。ちょっとした肩慣らしがしたい。半分だ。あの追手共の半分だけ手を貸してやるから、残りは晴人が倒せ」
そういってエルは左手を振るった。
その後、彼の左手には見慣れた刀が出現した。
「へー、お前ってそんなこともできんのな」
「他の姿では疲れを伴うからあまり使いたくないのだがな……行くぞ!」
屋根という名の地面をけるエル。間合いを一気に詰め、敵を斬り伏せていく。
「まだ使いたくなかったんだけどな。仕方ねぇ」
晴人は腰につけていたベルトに掛けていた銃を取り出した。
デュオライフル。これは情報の町でFRから譲り受けたものだ。
「えーっとここをカチッとしてーの……」
デュオライフルは失われし遺産だ。当然晴人は一度も使ったことがないし、使い方も知らない。
そして晴人がカチッとしたのはデュオライフルに起爆性弾丸の装弾をするスイッチのようなもの。
「試し撃ちには……丁度いい!!」
狙いを定めて引き金を引く。銃から射出された起爆性弾丸は相手の目の前まで飛んでいき――。
コン♪ という軽快な音。
「いたっ」
相手は弾が当たったところをポリポリと掻いた。
「弱っ! デュオライフル弱っ!!」
「逃がさんぞ侵入者。お前はこk―――」
轟ッッ!!!!
ここで捕える。という彼の言葉は爆発音にかき消された。
起爆性弾丸が爆発したのだ。この弾はどうやら物体に命中してちょっとして起爆するらしい。
「うおっ! なんつー爆発だよ!」
彼の言葉を晴人は爆発で最後まで聞こえなかったが、かき消されたのは言葉だけではない。
爆発による煙が消えて、晴人は見てしまった。
「うっ……これは…………」
無残に飛び散った焦げ肉。赤黒い血液。表現としては、目の前にいた男は、爆発によって文字通り体の一部が掻き消えていた。
そして、
「貴様よくも……!!」
なんとか爆発に巻き込まれなかった仲間の憎悪の眼差しが晴人を射殺す。
「ちっ、ちがっ! こんなに危ない物だって知らなくて……」
あまりにいきなりのことで動揺する晴人。彼は多くの人を斬ってきたが、殺したことは一度もない。人は殺さず、それは彼の人間としてのアイデンティティーを保つための条件で、
「俺は悪くない、俺は……悪くない俺は……」
それを犯した今、晴人は自我の崩壊を起こしそうになっていた。
「おい! ケキード、大丈夫か!?」
晴人が殺めたのはケキードなる人物らしい。追手の一人がケキードの亡骸に近づく。
「あ……ああ。ビックリしたけどもう大丈夫」
ケキードは仲間にもう動ける、と伝えた。実際に立った。傷も治っている。
「……………………………………………は?」
それに一番驚いたのは殺した張本人の晴人だ。
ケキードは死んだんだ。動けるはずがない。
晴人は確かに自分の目で見た。
飛び散った血を肉を、臓器を。
しかし、彼は生きて目の前に立っている。
「おいおい侵入者さんよぉ。過激なことするじゃあねぇか。じゃっここからは、お返しタイムだ!」
追手の持っている鋭利な刃物が月明りに照らされて光る。
来る! 考えてなどいられない。迎撃しなくては。
晴人は再び銃を構えた。
「(なりふり構っていられない。相手は殺す気なんだ。自分もそれぐらい本気になれ)」
心の中で自分にそう言い聞かせ、起爆性弾丸をセットする。やらなければ、殺られる。
「クソッたれがァァァァッ―――――!!」
晴人の放った弾丸は目の前にいた追手全員を巻き込む形で爆発した。当然、そこには起こるはずの悲劇が、
起こらない。
「あっつう! こりゃ死ぬわ。超熱い!」
「久しぶりに死っていうモンを味わっちまったぜ。痛い、苦しい……ふふ」
「人間ごときがこれほどまでとは……驚いた」
「なっ……」
晴人の目の前には起こるはずの悲劇など一ミリたりとも起こっていなかった。
ただ不死の人間が痛みに苦しんでいるだけ。ありえない状況だ。
「晴人ぉぉぉ!!」
どうなっている、と考えていると別のところで戦っていたエルが声を張りながら戻ってきた。
「まてコラァァァァァァ!!」
追って半分を背に。
「逃げるぞ! こいつら死なねぇ!! 斬っても斬っても再生するっ!」
どうやらエルも相手の不死性に気付いたらしい。
走りながら続ける。
「このままじゃ埒があかん。いったんどこかに身を隠した方がいいかもしれんな」
エルの提案。
後ろからは大量の追手。
「そうだな。どこかに隠れて体勢を立て直そう」
乗らない手はない。
☆
二九九九年 七月五日 午前二時。
日付は、一日進んでいた。
「撒いたか」
「みたい……だな」
誰もいない建物の中に隠れて早数時間。やっと追手の気配が消えた。
「アイツら何者なんだ……死んだはずなのにすぐ後には回復して動き出しやがる。あんなの人間じゃない……」
晴人は軽くトラウマ気味な記憶を思い出し震えた。
「そうだな。とりあえず俺たちの敵はおよそ人間ではない何かだってことか。これはまた何ともオカルトチックな話だ」
エルは特に怖気づくわけでもなく状況を整理する。
「敵の数は不明、町の住民の居場所も不明……わからないことばかりだ」
情報不足。これは旅先では一番困ることだ。
「おっしゃ! 町に繰り出して人を探そう。現地のことは現地の人に聞くのが一番だ」
「晴人はアクティブだな。俺はもう眠いんだが……」
あくびと共にそう告げるエル。それも仕方ない、昨日は一日中動きっぱなしだったのだ。
「ムリすんなよ。なんならここで休憩してから行くか?」
「無理をしているのは晴人のほうではないのか? 俺たちは飯も満足に食べていないのだぞ。だというのにおぬしはまだ動こうとする。少しは自分の体を労ったらどうだ」
「む――」
エルの言葉になんとなく同意する晴人。
しかし、晴人をここまで突き動かすのには理由があった。
「心配してくれるのはありがたいんだけど、ここで立ち止まってたら何も解決しないじゃん。俺だって腹減ったよ。たらふく食いたい。でもそれにありつけるのは動いた者だけなんだ。なら行くしかねーだろ」
事態の解決。それは何よりも優先されるべきだと晴人は言った。
食事など二の次だ。こういう本当にヤバくなったときにポジティブでいれるのが晴人の長所と言えるだろう。
「多分町の人は集会でもしてるんだよ。パーティーさ! おいしいご馳走が俺たちを待っている。行くぞ!」
「待て待て、俺はもう動けないんだって」
建物を飛び出そうとした晴人をあと一歩のところで制止させるエル。
「俺、一旦ネックレスになるから後のことはよろしく~」
そう残してエルは晴人の首にかかる装飾品となった。
「わがままな英国紳士だなぁ」
晴人は一言嫌味を垂れて探索を開始した。
☆
イギリスの町並みはすごい。
どれくらいすごいかというと……。
「カックイー!!」
どこまでも洋風な建築物の数々。
新日本都の町並みとはかけ離れた壮大さは、晴人の胸を打った。
「レンガ造りの建物。ドーム状の建物……全てにおいて俺の故郷を上回っている!」
その芸術性は有史以前のものとされていて、それゆえに神秘的、幻想的とも言われている。
「いやー一回でいいからこんなとこに住んでみたいものだよ」
それにしても、今日の晴人はよくしゃべる。
理由はある。
「芸術のプラネタリウムやーーー!!」
現在時刻は午前二時頃。
大声で叫びまわる晴人は迷惑甚だしい。
想像してみてほしい。
自分の家の周りで聞いたことない言語で喚いている状況を。
「イギリスサイコーーーーー!!」
それも誰もが寝静まっている時間にだ。
耳障りだと思った人は晴人を黙らせるために家から出てくるだろう。
つまり、晴人の狙いはそこにある。兎に角人と出会わないと始まらない、それ以降のことはそれから考える。
「……誰も出てこない…………」
しかし、そううまくはいかない。
「誰かいるなら返事しろやァァァァァ!!」
晴人は叫んだ。絶叫だ。
すると、晴人の耳にある音が聞こえてきた。
「………………………おっ? 足音。ようやく俺の声が届いたか」
何やら遠くからこちらにやってくるような音。
その音はだんだんと大きくなり――。
「いたぞー!! 侵入者だー!! 捕まえろ―!!」
その音の正体は追跡者。
追手が晴人に迫ってきていた音だった。
「やべ、気付かれた」
そこからは猛ダッシュだった。
「捕まるわけにはいかねぇんだYo!」
晴人は近くの路地裏へ入った。
日はまだ昇っていないから、追手から逃げ切るにはちょうどいいと思ったのだ。
「路地裏に逃げたぞ! 二手に分かれろ、挟み撃ちだ!!」
男が他のやつに指示を出す声が聞こえた。その直後追手は左右に分かれて晴人を追い詰めるように動いた。
「くそっ、この町の地の利はあいつらだ! このままじゃあ捕まっちまう……」
細い道を駆け抜けながら晴人はふと壁に貼り紙が貼ってあることに気付いた。
貼り紙は壁のいたるところに貼ってあった。
走りながらでも読めるほどの貼り紙は、おそらく住民が書いたのだと思われる。
「武装蜂起……だって?」
内容は単純だった。
貼り紙中央に大きく『武装蜂起せよ』、続いてその下には小さく『これより地上を火の海にする。然るべき準備を整えて集いを待つ』
「物騒な話だな、町に住民がいないのもこれが理由か」
武装蜂起、それはこの町で何が起こっているのかを完結的に表していた。
反乱。
「まさかイギリスがこんなに荒れていたなんてな。今の今まで知らなかった」
後ろからは追手の声が聞こえる。
「一か八かだが、状況を打開するには一つしかなさそうだ」
反乱軍に会いに行く。
どのみちこのままでは助からない。ならいっそ反乱に紛れてイギリスから出る方法を探したほうがマシだろう。
「貼り紙には集いを待つ、って書いてあったけど、どこに行けばいいんだ?」
「それは俺たちが聞きたいんだよなぁ! 今日は反乱軍が蜂起してただでさえ忙しいってのに、貴様という侵入者も捕えなくてはいけない」
晴人の前方に追手が現れる。
「チッ!」
来た道を戻ろうとした晴人、しかし――
「逃がしはしないぜ、お前はここでジ・エンドだ」
後ろも追手に塞がれてしまった晴人。
逃げ道は、ない。
「まずい、エルナー……じゃなくてエルさん! 起きろ!」
……返事はない。
「起きてくれよぉぉぉぉぉ!!」
「気味の悪いガキだ、誰に話しかけているんだ? まあいい。面倒事はさっさと済ませるとしよう」
追手が武器を構える。
「(デュオライフルで迎撃するか……)」
「気絶させてでも捕まえろ!!」
「これしか出来ねえのか!?」
できればもっと穏便に済ませたかった。
デュオライフルは強すぎる。
彼らは死なないが、だからといってそう易々と使うわけにはいかない。
「捕まるわけにはいかねえん――――っ!!?」
晴人は目の前で繰り広がった光景に息を詰まらせた。
ひどくうるさい音が二つ。
追手の叫び声だ。
「だっ……れ……きさっ…まァ……!!」
「しばらくそこでジッとしてな」
追手に深手を負わせた男は、平坦な声で一言告げ、追手の足を重そうな武器で砕いた。
「お前……反乱軍か!」
「だったらどうした」
「ここで死ねっ!!」
「ふん……」
男はその手に持っていた斧を収縮させ、懐にしまった。
「降伏しろぉぉぉぉ!!」
ビーム状のソードで追手は突然現れた男に襲いかかる。
男は、追手の攻撃を紙一重で躱し、頭を掴み、宙に浮かせ、一発足蹴りをお見舞いした。
その一撃で、追手は気を失った。
「君、大丈夫? なんでこいつらに追われてたの」
追手をアイアンクローしたまま男は晴人に話しかける。さっきまでの雰囲気とは打って変わってすごく穏やかになっていた。
「あっ、あの! あなたは……」
「僕はレジスタンスのカリータ=コルナディオン。君は?」
「俺は、柊晴人だ」
「ほう、君が例の侵入者か」
「……お前も俺を捕まえに来たのか?」
いけるか? 気付かれないようにデュオライフルを握る手に力を込める。
しかし、それは徒労に終わることになる。
「いやいや違うって! むしろ逆だよ。君がこの屑共に追われているようだったから助けに来たんだ」
この屑共、という台詞の辺りでカリータは掴んでいた追手の頭を握りつぶした。
その結果血肉が飛び散ったのだが、カリータはそんなこと気にもしなかった。
「そうだったんですか! ありがとうございます、助かりました」
「ははっ! 敬語なんて使わないでくれ、僕も晴人って呼ぶからさ」
「ああごめん、カリータ。今この国はどうなってるんだ、状況を教えてくれ」
偶然とはいえ反乱軍と合流することができた晴人。現状の確認をするためにカリータに質問をする。
「簡単さ、今この国は新しく生まれ変わるんだ。僕たちの手によってね」
「じゃあ、こいつらは……」
「政府の連中だよ。まあこれ自体はただの下っ端だけどね」
晴人は追手の破損し尽くされた肢体を横目で見た。
その時、晴人に一つの疑問が浮かび上がる。
「そういえばこいつらって再生すんじゃないのか? 前戦ったときは体が吹き飛んでも、すぐ後には復活して動けるようになってたんだ」
実際、カリータがアイアンクローしていた追手のほうは既に回復を開始していた。
「奴らの再生能力は厄介だからね。通常の武器じゃ行動不能にするのは難しい。だけど――」
カリータは先程懐にしまった、収縮していた斧を取り出した。
その斧はみるみるうちに大きくなり、さっきと同じ形に変化した。
「この堕天武装を使えば、いくら驚異的な再生能力を持っていようが、どんな攻撃も通さない体を持っていようが関係ない」
カリータは斧を再生途中の体、その胴体を真っ二つに断ち切った。
頭はないので声は聞こえなかったが、追手の足は痛みを訴えるかのようにグネグネと動いていた。
「ねっ? 普通ならこの程度じゃ三秒もあれば再生は余裕だけど、堕天武装の攻撃だったら完全回復するのに一日を要する。これが僕たちレジスタンスの切り札さ」
カリータは斧についている血を払い、収縮させ、懐にしまった。こんな形状変化する斧を晴人は知らない。しかし、これも堕天武装の特色なのだろうと無理やり納得させる。
「さあ行こう晴人、ここにいたらまた追手に追われてしまう。時間もそろそろだしね」
晴人は時間を確認した。
午前二時半。普段なら完全に寝ている時間だ。
「どこに行くんだよ、あと時間って一体……」
既に歩き出していたカリータは顔だけ晴人のほうに向け、答えた。
「僕たちはレジスタンスなんだ。レジスタンスが何をするかを知っていれば君の疑問はすぐに解ける筈だよ」
☆
久しぶりに夢というものを見た。
それは、懐かしい記憶――――
「いいか、いつか必ずお前を必要としてくれる人が現れる。お前は必ずその人を助けなさい。おそらくその人を助けるのはお前にしか出来ん」
それは、太古の出来事――――
「俺にできるのはここまでのようだ……後、は任せ、た‥ぞ、っ!」
それは、思い出の欠片――――
「息子を、頼む――」
感じる、同種の気配。
「えへへ、またいつか逢おうね……お姉ちゃんっ!」
どうもお久しぶりです。わたしです。
まあなんて言いますかね、まだ生きてます。
今月は更新の月ということで新たなお話、イギリス革命編を更新していきます。
だいたいは二日に一回のペースでいけると思います。今後とも未熟な駄文にお付き合い下さい何でもしますから!
次回!『レジスタンス』




