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レボリティー・レポート  作者: アルフ
情報の町編
20/55

EXオブジェクト

「――よくも俺の弟を倒してくれたなあああああああああァァァァァァァァァァァァ!!!!」


 腹の底、否……地獄の底から轟いてくる轟音に俺は耳を塞いだ。

 なんて声量だ、これじゃあ戦う前にぶっ倒れちまうぞ。

 ホモの雄叫びは約三十秒ほど続いた。……しかし、よくあんなにデカい声をずーっと出せるなあ。ホモはいろんな意味で人間離れだ。

 目の前のホモは俺がいろいろと思考を巡らせているうちにふうーーーと長い息を吐いた。


「決闘だ。俺とお前、あとそこの女」

「安心しなホモ野郎。エルナは戦いには直接は参加しねーよ」

「ほう。二対一という有利を貴様は自ら放棄するのか」


 ホモはニヤリと口元を歪ませている。


「放棄上等! 一対一と二対一、どっちが本当に有利かこれからお前に教えてやるよ」


 善玉と違って煽りが利くとは思えないが……やれることはやってやる。


「そうかそうかフフフ……。ハッハッハ――!!」

「?」

「何じゃこいつ……頭おかしくなったのじゃ?」

「よい、よいぞ!! 貴様らを殺す方便は既に整っている!! 俺と弟で作り上げたこのRPGの最後にして最高のバトルの幕開けと行こうじゃないか!! 勇者・柊晴人よッ!!」


 圧倒的威圧。これはまさに立っているのも限界ってやつ!


『魔王・悪玉が現れた』


「って、ここはしっかりやるんだな」


 魔王戦らしいBGMが始まった。

 ホモのくせに曲だけは手が込んでやがるぜ。


「晴人、気を引き締めよ。ホモとはいえ相手は魔王じゃ」

「………」

「…………」


 ……………アレ?


「……!! ……!!」

「―――――!!」


 ――――これは……っ!!


「気付くのが遅かったようだな。勇者よ……ならばこちらの先攻とさせてもらうぞ!!」


 危っ!! 避けないと――


「……!!?」


 動けない!!


「ふんっ!!」

「痛っ―――ガァァァァァァァッッッ!!」


『晴人は三千のダメージを受けた』


 最大HPの二割――――。

 何もできないまま体が吹き飛んだ。痛い……悪玉の攻撃はただのパンチだったようだ。

 が、有り得ない……ただのパンチにこれだけの威力を出せるというのか!?

 しかし、この一ターンで情報を得ることはできた。


「(エルナ! 変われ、刀剣モードだ!!)」


 エルナは俺の言葉にコクっと頷き変身した。


「驚いたぞ晴人。何せ急に言葉を発せなくなるのじゃから」

「(ああ、すぐ気が付くことができてよかった……)」


 そうだ。この戦闘を俺たちは知っている。


「この戦いは最初の黒服戦と酷似しておるようじゃの」

「(だな、これは典型的なRPG戦闘そのものだ)」


 先程の俺たちと同様、悪玉は動くことも出来ずに無言で立ち尽くしている。


『晴人はどうする』


「(不幸中の幸いか、この戦闘なら奇襲ってことはないだろうからゆっくりと作戦会議ができる――)」


「――――そんな余裕など与えんのだが?」


「「!!?」」


 今は俺たちのターンのはずだ! 何故あいつは動けるんだ!!


「疑問に思っているな? いいだろう教えてやる。まず一つ、貴様らのターンには三分の制限がある。今現在は……一分弱といったところか」


「(何だと!?)」


 最初の戦闘でFRは制限のことなんて言っていなかった……はずだ。


「フハハ、驚いているな。俺にはお前の思っていることが手に取るように理解できる……それが二つ目、そして――」


 唐突に軽快なステップで舞い踊るホモ……


「何故悪玉が行動できるのじゃ!?」

「フフフ……」


 いい動きのホモは微笑を浮かべてこちらを見つめていた。

 なるほどそういうことか……


「何か分かったのか晴人!」

「(そのままの意味だ。アイツは俺たちのターンでも自由に行動ができるんだ。チートもいいところだぜ……!)」

「なっ」

「正解だ勇者……この三つの特別設定がある限り貴様らはこの戦闘で俺を倒すことなど不可能。さらに」


 一旦言葉を止め、悪玉は悠々とこちらへ向かってきた。

 そして俺の正面まで来て立ち止まり、仁王立ちになった。

 一体何のつもりなのか。


「ん? どうした勇者よ。俺を攻撃しなくていいのか?」

「(何の真似だよ……)」

「俺の行動が理解できないか、フン。仕方ない」


 悪玉はパチン、と指を鳴らした。それを合図に魔王の座る椅子の側の壁に巨大な時計が発現する。

 その時計の針は、俺が知っている時計とは針の進む速度が違っていた。遅かったのだ。

 秒針も一つしかない。その秒針が示しているのは、百六十。


「怪しいオーラを放っておるわい。余は不愉快じゃ」

「(同感だ。針の動く音すらホモらしいし、まず時計ですらねーし)」


 時計らしきものは秒針を進め、現在百七十秒。


「貴様のターンの残り時間をわかりやすく時計にしてみたのだが……不評だったようだな。まあいい、早く攻撃し――――」


 スパァン!!

 俺は秒針が百八十を迎える寸前に悪玉を攻撃した。


「(っぶねー、なんとか間に合ったか)」


 だいぶ深く入ったな。これじゃたとえ魔王だってただじゃ済まないだろう。


「それフラグじゃ晴人!!」

「……(へ?)」


 あ、また声が出せない……ということは。


「貴様等に俺をどうこうすることは不可能。考えても見ろ、この世界は俺の作った世界(ゲーム)なんだからな」


 空を切り裂いて手刀が俺を襲う。


「ごっ、ガァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」


『晴人は五千のダメージを受けた』


 容赦ない結果がフキダシとなって現れ、俺は体の自由を失った。


「EXオブジェクト・取扱説明書。この本がある限り、世界の支配者は俺なのだよ」


 ノーバウンドで十メートルほど飛んで、俺は壁に激突した。


「晴人! 無事か!?」

「……っ(何とか、な。だが、なるほど。俺がアイツに攻撃した時にフキダシが出なかったのも攻撃を一すら喰らっていなかったからってわけか)」


 実際、攻撃直後は焦りでそんなこと気にしてなかったんだけど。


「EXオブジェクトは素晴らしい能力だ!! いや、それを言うならこの空間制圧タイプ全体にこそふさわしいッ!!」

「EXオブジェクト……どこかで聞き覚えがあると思えば魔導解読書にもそのような名がついておったのう」

「EXオブジェクトを二つ作ったのは失敗だった。が、こうして勇者を打ち滅ぼせるのだ。結果オーライといったところか」


 EXオブジェクト……そういえばあの魔導解読書は善玉の側に置いてきたっけ……


「(ひらめいた!)」


 このターンで俺が行った行動は走ることだった。

 向かう先はただ一つ、悪玉がこれみよがしにすごいものだと語ったEXオブジェクトの片割れ魔導解読書だ。

 あの本さえあればもしかしたら悪玉が持っているEXオブジェクトに対抗できるかもしれない。


 俺は、一直線に出口へと駆けた。しかし――


「させると思うか?」


 悪玉は手から謎の光線で天井を崩し、退路(今行こうとした道)を完全に断った。


「(ちくしょー。魔導解読書があればなんとかなりそうだったのに)」


 思えば、善玉が明らかな致命傷でも死に至らなかったのはあの魔導書の効果だったのだろう。

 EXオブジェクト、それはこのRPGの根幹的な基礎を支える重要なものらしい。俺の行動を読み魔導解読書への道を塞いだ悪玉の行動でそれは確信した。


「じゃあ、次は俺のターンだな」

「(だが、そんなことわかっても俺にどうしろってんだよ!)」


 悪玉による妨害によって大切なターンが終わってしまったのだ。

 相手の攻撃は重い、おそらくあと三ターンもあれば俺のHPは底をつくだろう。


「晴人! 余にできることはないのか!?」

「(お前は刀状態を維持だ。今エルナが人間モードに戻ったら困るのは俺だ)」

「そう……か。ならば余は何もするまい……不本意じゃが」


 エルナに出てこられるとエルナを守りながら戦わなければならなくなる。しかもこれはRPG戦だ。悪玉のターン中にエルナが攻撃されたら防ぎようがない。

 どうにか次のターンで形勢逆転しないといけないな。


「弟のEXオブジェクトを利用しようとは考えたものだな勇者。……いいだろう。もう少しいたぶってから殺そうと思ったが、その機転の利く頭に免じて次の一撃で木っ端微塵に吹き飛ばしてやろう」


 前言撤回だ。どうやら俺に次のターンはないらしい。


「どうするのじゃ!? このままじゃ確実に殺されるぞ!」

「(らしいな。どうやら俺もここまでみたいだ)」

「らしいな、っておぬしどうしてそんなに余裕なのじゃ!?」


 余裕。

 そんなもんはとっくの昔に消え去っていたんだ。


 明確な死。

 木っ端微塵なんて言われたらさも当然かのように焦りが消失したんだ。


「勇者よ。貴様もあのEXオブジェクトを持っていたのなら聞いたこともあるだろう」


 悪玉はEXオブジェクトのページを捲る。


「このページだったかな。―――ターン・オブ・エニキス。この世界に二つとない最上級の魔導だ、これが発動した時点で貴様の寿命は零となる」


 こう敵に殺すだの死ぬだの言われたら逆に生存フラグってよく言うが、ダメだな。俺は動けないしエルナは人間に戻ったとしてもそれでエルナのターンは終了。まるで希望がねぇ。


「この魔導の詠唱は少々時間を要する。面倒だなぁ……そうだ! EXオブジェクトでルールを改竄すればいいじゃあないか!!」


 白々しい声。俺をイラつかせるのが目当てなのか、あえて俺によく聞こえるように悪玉は言った。


「ルールの編集。この世界のすべての魔導の発動詠唱を破棄。代わりに魔導はその名前を口にすることで発動する」


 悪玉のルールの編集とやらで世界は変動を起こした。この場自体は何も変化は見受けられないが、悪玉が変わったと言ったのなら変わったのだろう。


「さあ!! またせたな勇者。ルールを編集するのに多少時間がかかったが、ターン・オブ・エニキスの詠唱はとても大変でな、俺が詠唱するには一時間もかかるのだ」

「(俺は何時間かかってくれてもいいんだけどな)」


 きゅぴーん、という音が聞こえた。


「ほざけ、貴様はもう死ね。ターン・オブ・エニキスッッ!!!」






 ………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………。





『しかし、何も起こらなかった』









「な―――――」


 悪玉はあまりの出来事に一瞬言葉を詰まらせた。


「何も起こらないだとっ!? ターン・オブ・エニキス!! ターン・オブ・エニキス!? 有り得ん、有り得んッッ!!」


 何度も世界最高の魔導の名前を叫ぶ悪玉。

 その魔導を唱える度にフキダシは魔導が発動しなかった旨をお知らせする。


「何故だッッ!? 何故何も起きないのだ!!!!」


 ターン・オブ・エニキス。ターン・オブ・エニキス…………。

 五十ほど唱えたあたりで、悪玉は悲鳴を発した。


「そォだッ!! ルールの編集に何らかの不備が生じたんだ!?!? ならば詠唱からやり直してやるゥゥゥ!! はははは!! これを唱え終わったらお前はもう終わりだァ?!?」

「なんじゃ一体。魔導が発動しないとは」


 エルナはいつの間にか人間モードに戻っていた。悪玉がターン・オブ・エニキスを何度も唱えている間に変身を解いていたのだ。

 不思議なものを見るような目で悪玉を見るエルナ。


「どれ、ためしに余も……詠唱破棄……アルテマ・バケーション!」


『しかし、何も起こらなかった』


「おお! 余の魔導も発動しないようじゃぞ晴人!」

「(みたいだな、俺には何が起こってるのか理解できん)」

「いやー危なかったのう晴人。悪玉の魔導をくらったらひとたまりもなかったわい」

「(一時間もかかる詠唱を始めるなんて、つくづくホモは馬鹿ばっかだな)」


 エルナは晴人の心の言葉の途中で怪訝そうな顔をした。


「どうした晴人。さっきから黙りこくって……おぬしは会話のキャッチボールが出来んのか?」


 エルナの言葉に、今度は晴人が怪訝な表情を浮かべた。


「お前……俺の心の声が聞こえないのか?」


 その台詞は、一見すると常識外だと思われるだろうが、晴人にとってみればついさっきまでそれができていたのだ。それはもう、いうなれば常識が覆されて心底驚いたことだろう。


「そういえば晴人の馬鹿らしい思考が聞こえなくなったのう。まあそれも急に魔導が使えなくなったことと関係しておるのじゃろう」

「そう、か」

「そうじゃろう」


 二人でうんうん頷いて納得し合った。


「……アレ? 俺何回も喋れるようになってる!!」

「おぉ! 余もじゃ!」


 二人はだいたい頷き終えるといまだ詠唱を続けている悪玉に目を――


「待て待て、地の文いつの間にか復活してるぞ! てか俺たち別に悪玉に目をやってないし!」


 いやァすいませんねー。なんだか久しぶりなんで、調子悪いみたいで……


「「地の文が喋ったーーーーー!!」」


 なに驚いているんですか(笑)私だって喋りますよぅ。ははっ!


「こやつ……地味にウザイんじゃが」

「右に同じだ。悪いが本来の地の文に戻ってくれよ。このままじゃ物語が台本形式になっちまう」


 えーいいじゃないですか台本形式。私はありだと思いますが。


「ねーよ。とっとと失せろ」


 はーいわかりましたー。主人公にそこまで言われたらしょうがないです。


「エルナ。地の文が戻ったか確認してくれ」

「わかった」


 エルナはジャンピング飛翔で飛び跳ねた。


「……なんか違和感があるというか」

「うむ、『頭痛が痛い』とか『危険が危ない』とかの――? 何じゃったかのう」


 重言デスネ。


「うわ、また出てきやがったよ」


 いいですか? 重言とは同じような意味の言葉を重ねて使うれっきとした表現方法の一種です。貴方たちは重言に違和感を感じていたようですが、別に重言は日本語として誤っているわけではないのです。考えてみてください。重言は貴方たちが例として挙げた以外にもたくさんあるのですよ? 『歌を歌う』なんかは誰しもが日常的に使うのではないでしょうか。つまり―――


「「つまり消えろ(失せろ)」」


 ふふっ、少し喋りすぎましたかな? でも、私がこうしていられるのも限界のようです。

 もうじきしたらこの異変の正体も理由も知ることになるでしょう。

 では――――


「……何者だったんだアイツ」

「あやつは最後にこの異変の正体などとほざいておったな。あれはどういう意味じゃろうか」

「どうもこうも……あれだろ」


 晴人はエルナがわかるように、あれを親指でさし示した。


「……(ようやく地の文が復活したようじゃの)」


 エルナは心で安堵をしつつ、あれを眺めた。


「哀れじゃのう。一時間詠唱したところで最早魔導など発動せんというのに」


 そのことについてはエルナが既に実証済みである。当然、半錯乱状態の悪玉は気付くことはなかったのだが。

 あれ、もとい悪玉はかれこれ十分ほどの間淡々と詠唱を続けていた。


「回転の甲奏者の槍庭園の牙三つが重なりし狂気・爽籟の鐘深甚の役黄金の災厄――」


 それをやや離れた位置で見学する二人。

 詠唱中とはいえ相手は件のEXオブジェクトを持っているのだ。油断はできない。


「こんなにグダグダになったのも地の文の登場のせいだよな。折角のラスボス戦のはずなのにまるで緊張感がないぜ」


 晴人たちの狙いは一つ、悪玉が魔導の失敗で狼狽える瞬間。


「今回は善玉に裏切られた以外は特別何かされたわけじゃないしのう。しかしそれが悪玉を放っておく理由にはならん。奴を放っておいたら世界がヤバいのじゃろう?」

「まあ、そうなんだけどな」


 晴人は曖昧に頷いた。

 確かに、自分の力が結果的に世界を救うならそれに越したことはない。

 しかし、晴人は世界がヤバいというエルナの言葉に疑問を感じていた。


「でもさ、善玉悪玉の目的が世界征服で、なおかつ町一つまるまるRPG世界に変えるほど影響力のある『何らかの力』があるのなら情報の町程度に収まらないでその力で世界ごとRPGにしてしまえばいいんじゃないか? そしたら世界征服なんて達成したようなもんじゃん」

「それもそうじゃな。この町の情報は強力な武器じゃが、世界をRPGにできるのならチート的な能力でなんでも自由にできる。しかし奴らはそうしなかった。ならば奴らの目的は世界征服ではないというのか? 余には悪玉の目的が見えん」

「ま、悪玉のRPG世界にする能力の効果範囲が元々この町一つ分程度だとしたら世界征服なんて夢のまた夢だけどな」

「何故そう言いきれるのじゃ? 能力というのは使いようで化けるものじゃぞ」

「……さあな。そんな気がしただけだ」

「はぁ……退屈な時間よのう」


                ☆


 悪玉が詠唱を開始して、そろそろ十分が経過しようとしていたとき、ある変化が訪れた。


「―――――永劫の破滅を現世にもたらさん、ターン・オブ・エニキス!!」


 魔導名。それは魔導の詠唱において最後に来るもの。

 つまり、それが意味するのは……魔導の、発動。



「……………………………………………はぁははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!! 大変長らくお待たせいたしましたァァッ!! これより、予定を五十分早めて『勇者の惨殺会』を執り行いまぁぁぁぁす!! 司会は悪玉ことダニエル=ブロッケンでェェェェエエェェエェエす!!」



 詠唱に一時間かかるのは嘘だったのか。

 しかし、声の主は完全に平常心が消え去っていた。気合で四十分早く詠唱したのだろうか。


「『悪玉』の課せられた指令はただ一つ。迫りくる勇者の討滅のみ!! よって死刑、死刑、シケエエエェェェエェエェェェエエェェェェイ!!」


 『悪玉』は晴人らへ猛スピードで接近してきた。


「うおっ、急に叫び始めたと思ったら次はこっちに向かってきたぞ!!」

「晴人! 余は刀にならせてもらうぞ。アイツからは謎の気配が感じられる」


 エルナは言うや否や晴人の武器へと変化した。


「ターン・オブ・エニキスの神髄は術者の自由意思で対象を殺すことができるのだよ!! だがそう簡単には殺さんぞ? 貴様は捕まえて屈辱をたっぷりと味遭わせてから殺すことにした!!」


 『悪玉』の悪玉はここでは表現しがたい形状になっていた。


「身の危険を感じるが……仕方ねえ。こいよホモ!! 性根の腐った汚物どもは俺が消毒してやらぁアああああ!!」


 刀は火炎を噴出し、文字通り消毒の態勢が整った。


「「死ねぇえええええええええええええええええええええええッッッッッッ!!!!」」


 お互いがお互いを全力で殺しにかかった。

 そして、お互いの攻撃がお互いの攻撃を相殺しあい、このエンドゲイダンス城を激しい光が包みこむ。

 まもなくしてエンドゲイダンス城が墜ちた、という一方は情報の町の全員に伝わった。


 晴人の、勝利だ。

次回予告



 悪玉を撃破した晴人達は、ある人物と再開する。


「君のじゃないことぐらい知ってるよ、この本。いや、オーパーツは」


 ある人物が放った言葉、『オーパーツ』

 それは、晴人達の今後を大きく左右する代物だった。


「ニメイサマ、ご案内しまーす♪」


 そこに、彼らの意志は関係ない。あるのはただ、運命とも呼べる仕組まれたレール。

 時代を取り巻く陰謀の闇。


 しかし、晴人は臆することなく突き進む。


「その先に光があるなら、俺は何度だって立ち上がれるんだ」



 次回!『叫べ、復活の呪文! ヒイラギ・クエスト~そしてレジェンドへ~』




 勇者は、旅の終わりに何を思うのか。


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