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第1話 翼を得た女の子?

はじめまして、もひぷると申します。

更新は早くは無いですがよろしくお願いします。

 

 人を好きになる感覚って何だろう?

 世間で言えば、目があった瞬間に身体じゅうに電気が走ったとか良く言う。

 でも、そんなのは所詮、恋愛ごとで頭がおかしくなった人の事だと思っていた。


 人を好きになるのはその人の外見では無く、その人の心だと思っていたのだ。

 だから、外見で好きになるなんて考えられなかった。少なくとも俺に関しては。


 でも……、今はそんなことは言えなかったりするのかな…?



「え~、お前らに新しい仲間が加わる。北条ほうじょう みなとだ。あ~まぁ、彼女の事を知ってる奴もいるかもしれないが皆と同じ高校2年生だ。仲良くしてやれ」

「北条湊です!よろしくお願いします!!」


 先生の横で、身体をくの字…いや、もう半分に折れているぐらい頭を下げる。

 周りの生徒は皆、彼女の事を知っている。いや、知らない者は居ないだろう。

 日本陸上の至宝、ハイジャンの神様に愛された少女、翼を得た少女と様々な異名を持ち、その実力は世界も認める。

 中学の3年間で数々の大会で優勝し、高校1年生に上がった直後に1m90cmというジュニア日本記録まであと3cmという記録を作った。

 現在、日本の走高跳 女子の中で最も2mに近い女の子として日本中で注目されている。

 もちろん、実力だけで陸上に興味のない人間が注目するわけじゃない。

 ルックスもアイドル並みとまで行かなくとも、可愛い分野に入り、彼女の放つ雰囲気は学生らしい。


「これから色々とお世話になりますが、仲良くしてください!」

「席は~…あぁ、におの隣に行ってくれ」

「にお?」

「あぁ、あそこにいる男の隣だ」

「はい」


 鳰なんて珍しい名字は俺。

 言っておくが、ハトではない。鳰だ。

 いや、そんなことを言っている場合じゃない。

 つい最近、テレビで見た女の子が俺の方へと近づいてくる。

 そして、俺の隣の空席に座るとこっちを見る。


「初めまして……じゃないね。ニオなんて珍しい名前は君しかいないもんね」

「………」

「何で知ってるのかって?そんなの知ってるよ。あ、そんなことを言うんじゃないんだった。よろしくね」


 人の心を奪うかのように微笑むと、彼女は担任の話を聞き始める。


 どうして俺の名前を?

 こんな有名人がどうして?

 俺とこの人は会ってる?


 そんな事が俺の頭の中を巡る。

 そして、その答えは考えるまでもないのだ。彼女の知っている人間は俺では無いのだから。



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