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泡姫  作者: ネンブツダイ
第2章
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相談




あの出来事から一夜明け、案の定、私は後悔の念に苛まれていた。




なんで、逃げ出しちゃったんだろう・・



せめて、挨拶して、何か話せばよかった。



後悔しても、もう遅かった。



これから、どうしよう。



電話では、佐々木さんは来週もお店に来てくれるって言ってた。



でも、その後、私が逃げ出したから。。



もう、来てはくれないだろうな・・



はぁ~。



私なんてことしちゃったんだろう。




佐々木さん・・ また、会いたいよ





突然、携帯が鳴った。



メールだ。




ミキちゃんから。




「おはよ 今日昼の仕事休みだよね? これからお昼ごはん食べに行かない?」




ミキちゃんに相談したい。




私、一人じゃ、どうしたらいいか分からないから。







PM 1時  




池袋駅 西口




「さきちゃん お待たせ」




「あっ ミキちゃん 」




私たちは、ちょっとオシャレな感じのしゃぶしゃぶの店に入った。




「ここ、前から行ってみたかったんだ。ごめんね、急に誘って。」




「大丈夫だよ でも、ミキちゃん。今日これから仕事だよね? 」




「でも、夜からだから、大丈夫。 あっ、そうそう、サキちゃん あれから、あのお客さん・・どうなった? ずっとそればっかりが気になってって・・」




「!! ・・・うん。 そのことで、ミキちゃんに相談したくて。この後、ちょっとだけ時間もらえない?」




「いいよ 何でも相談にのるよ ・・・ってことは、何かあったんだ! ・・うれしい 私に相談したいって言ってくれて・・」




「ミキちゃんにしか、話せないから・・ 。。  後で、話すね  食べよっ 」




「うん。」





食べ終わった後、私たちは喫茶店に入った。




そこで、私は昨日の出来事を彼女にすべて話した。








彼が店に来てくれたこと、



リストカットの傷を見られたこと、



彼にもリストカットの傷があったこと



プレイ時間中、ずっと抱き合っていたこと、



連絡先を教えたこと、



真鶴の海で彼が私の手帳を拾ったこと、



電話で話したこと、



バーでばったり会ったこと、



私が、恐怖のあまり逃げ出してしまったこと・・






すべてを話し終えた私は、自分が泣いていることに気付いた。



「あ、あれ? ごめんね。。」



ミキちゃんは優しい笑顔で、自分のハンカチを私に手渡した。



「ありがと」






彼女は私の顔をじっと見つめながら、言った。




「すごい、。信じられない・・ そんなに奇跡的なことばっかり。。 きっとその人はサキちゃんの“運命の人”だよ 」




彼女のその言葉で、私はさらに涙を流した。




「でもね、ミキちゃん 私、ダメだよ。お店の外で彼のこと見たら、本気で怖くなっちゃって。。逃げ出しちゃったんだよ。。」




その後、彼女が発した一言に、私はとても驚いた。




「それは、サキちゃんが本気で彼のこと好きになっちゃったからだよ」




「えっ!!」


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