面白い・・?
時計の鐘の音が長い沈黙を破った。
先に言葉を発したのは彼女だった。
「びっくりしましたね。時計の音。」
僕は一瞬戸惑ったが、すぐに言葉を返した。
「あ、はい。びっくりしましたね。」
彼女は急に笑い始めた。
「うっ ふふふふっ」
「どうか・・しましたか?」
「あっ、すみません。なんか面白いなぁって」
「え、面白い・・」
何が面白いんだろう・・ この状況がかな。
「あぁ、そうですね。いいタイミングで音がなりましたね。」
「ふふふっ それも、そうなんですけど、あなたの反応が面白かったです。」
僕はドキッとした。女性に面白いと言われたことなんか今まで一度もなかったから。
「あ、・・ありがとうございます。」
「あははは あっ ごめんなさい お客様に対して失礼ですよね。」
「いえいえ、全くそんなことは。」
「ふふ。あっ、どうぞ中へ」
「あ、はい。」
彼女の案内され、部屋の中に入った。
結構広めの部屋で、中はベッドのある部屋とシャワーのある部屋の2つに別れていた。
明るさの加減がぼんやりと薄暗い感じで、何となくHなムードが漂っていた。
そうだ。これから・・するんだ。
どうしよう。
「上着掛けますね。」
「あ、すみません。ありがとうございます。」
また、彼女は微笑んでいる。
「あの、礼儀正しいですね。」
「え、あぁ そうですかね・・」
「はい、とっても。」
僕と彼女は2人でベッドに腰かけた。
彼女の容姿、声、しゃべり方、性格。
何だか、懐かしい。どこかで会ったことがある人なんだろうか。