これは現実!?
背が高くてすらっとした体型、爽やかな雰囲気、やさしい笑顔。
間違いないっ!!
あの人だ。
どうしよう!!
どうすればいいの? 何を話せばいいの?
私は頭の中が真っ白になり、パニックになった。
体が震えて、何も考えれない。
・・・・
・・・・
突然、壁に掛けてある古い時計が11時の鐘を鳴らした。
はっ、まずい。
ちゃんと接客しなきゃ。
「あっ、すみませんっ。その、あの、こんばんは えっと・・」
彼を部屋に案内する間、恐ろしいほどの緊張に襲われた。
この後、部屋に入ったら、その・・そういうこと・・するの!!?
彼と!?
無理っ。私髪ぐちゃぐちゃだし、化粧も落ちてるし、絶対、今可愛くない。
嫌われたらどうしようっ
私は部屋に入るなり、彼にこう言った。
「あの、本当にごめんなさいっ。ちょっと時間をもらってもいいですか。髪もぐちゃぐちゃだし、化粧も落ちてるから、、直させてください。」
私はトイレに走った。
髪を整え、化粧を直した。
落ち着かなきゃ。彼に精一杯の癒しをプレゼントしなきゃ。
ああぁ~~っ もうっ。 これは現実!!?
今、部屋で私を待ってるのは本当に彼なの?
信じられない。
どうして彼は来てくれたの!?
深呼吸。深呼吸。
まずい。そろそろ行かなきゃ。彼が待ってる。
私は髪を手で押さえながら、彼のもとに走った。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・ホントごめんなさい。」
「いえ、大丈夫ですよ。」
彼は優しく微笑んだ。