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泡姫  作者: ネンブツダイ
第2章
37/44

よく似てる






私はあることに気付いた。



手帳がない。どこでいつ失くしたんだろう。



海に行く前まではあったはず。



この時は、まさかあの人が持ってるなんて、思いもしなかった。





真鶴の海に行ってから、毎日見ているあの夢に変化が起こった。



浜辺で一緒に座っている少年の姿が、ときどき入れ替わるようになったのだ。



夢の中で、いつも私は彼に呼びかける。




「圭くん」と。




これが少年の名前。



すると、少年の姿が、お店で出会ったあの人の姿に変わっている。



夢にまで見るなんて、私、どうかしてる。



でも、長年変わることなく同じ夢を見てきたのに、それが変わるってすごいこと。



やっぱり、私の中で何か大きな変化があったに違いない。



よく考えてみると、夢の少年とあの人はなんだか似ている気がする。



笑顔、目、しぐさ、雰囲気。



私があの人に会って懐かしさを感じた理由って、もしかして、彼が夢の少年に似ていたから?



考えれば考えるほど、少年と彼が同一人物のように思えてくる。



夢でしか会えなかった少年が、大人になって私の前に現れてくれた。



そう思わざるを得ないくらい。よく似ている。




早く眠りに就きたい。そうすれば、少年にも、あの彼にも会えるから。











5月13日  




彼に会ってから、1週間後。私は店に出勤した。



彼が来るというそんな期待は微塵も抱かないようにようにした。



来るはずない。



まぁ、でも、冷静に考えたら、一週間しか経っていないのに、またソープに来るってのは考えられない。



来るとしても、2週間後、いや、一ヶ月後くらいかな。



やだ。来るはずないのに。私ったら。




店に出勤した私は店長からあることを知らされた。




「サキさん。11時から佐々木さんって方から予約入ってます。」




え! 誰だろ。




佐々木・・ 分からない。



お客さんの名前はいつも聞かないから。



佐々木って・・私と同じ名字。





もうすぐ23時。 私はスタンバイしていた。



誰だろ。。佐々木って。。




「サキさんです。ごゆっくりどうぞ」




ボーイさんの声とともに姿を現した男性を見て、私は目を疑った。




うそっ!!


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