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泡姫  作者: ネンブツダイ
第2章
36/44

恋愛感情


5月8日




真鶴の海に行った翌日、私は産婦人科に行った。



診察の結果、やはり、あれは生理だった。



病院の先生も、なぜ急に生理が始まったか原因は分からないと言っていた。



絶対に生理なんて来ないって思ってた。



ホント信じられない。



これで私はもう、普通の女の子と同じ。



あとは、恋愛感情さえ抱くことができれば。






私は平日は、スーパーでパートとして働いている。



高校を卒業してから2年、ずっと定職には就かなかった。



その方が気が楽だったし、自分に深い傷があるのに、正社員としてバリバリ働く元気はないと思ったから。



ソープランドで働き始めたのは、1年前。



お金のためではない。



ただ、女であることを実感したかっただけ。



初体験は、もちろんお店。相手は50歳くらいのおじさんだった。



見知らぬ男に処女を捧げても、別に何とも思わなかった。



逆に、普通の女の子と同じ行為ができたという安堵感のようなものを感じたほどだった。



それから、毎週土曜は5人くらいの男性の相手をしている。



ただ機械的に、愛情の全く伴わないSEXをしている。お客さんに恋愛感情を抱くことは一切なかった。



年齢の近い若い男性が来ることも多く、何度も指名してくれる人もいた。



連絡先を教えてほしいと言われたことや、遊びに行こうと言われたことも多々あった。



でも、その誘いには絶対に乗らなかった。



お客さんにはアドレスすら一度も教えたことがない。






{ソープ嬢として働いている以上は、お客様はお客。恋愛感情を抱くことはない}



ってのが普通の風俗嬢の考えかもしれないが、私の場合はお客さんだとかそれ以前の問題で、



男性に恋愛感情を抱けない。




お客であれ、普通に出会った男性であれ、恋愛感情を抱くことは絶対にない。



少なくとも、あの人の出会うまではそう思っていた。



私の21歳の誕生日に、24時の鐘と共に現れた彼は今まで出会った男性と何かが違っていた。




背が高くて、すらっとしていて、爽やかで、笑顔が可愛い。



でも、見た目よりも、雰囲気とかしぐさとか言葉とか声とか性格とかに、何とも言えない懐かしさを感じた。



あの人は、どうして私の前に現れたんだろう。。



何のために。



私は彼に恋をしてしまっていいの?



神様。教えてください。


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