表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
泡姫  作者: ネンブツダイ
第2章
33/44

初経








「ミキちゃん、そろそろ帰ろうか」



「うん、そうだね。」





「私トイレ行ってくるね。」



「うん、先に外出てるから。」





「うん。」




トイレに行った私は信じられないものを目にした。



やだっ! 何これ!? 



血!!?




怪我なんてしてないのに・・




これって、まさか、生理!?




トイレを出た私はミキちゃんのもとの走り、事の次第を話した。




「たぶん、生理だと思う。私のナプキン貸すね。」




「生理・・! うそっ 私が・・」




「きっと、そうだよ。サキちゃんの体、ちょっと遅かったけど、やっと準備が整ったんじゃないかな。」




「信じられない。生理なんてもう来ないって思ってた。月曜日病院行ってみる。」




「サキちゃん。おめでとう。」




「ちょっと、まだ分かんないよ。生理かどうかなんて。」




「きっとそうだよ。 今日のサキちゃん。今までと全然違ってたもん。彼に出会ったからかもね。応援するからね。」




「ちょっと、ミキちゃん。」




私が生理・・ 本当に信じられない。



居酒屋を出て、ミキちゃんとお別れした。



ビルとビルの隙間から顔を出していた朝日の眩しさに、思わず顔をそむけた。



その光はまるで私を祝福するかのように温かくて、眩しいものだった。



私は手帳を開き、5月7日の欄に“ キセキ♡ ”と記した。



まだ生理かどうか、分からないのに。



いや、きっと生理。



・・・




会いたい




また、あの人に会いたい。




でも、考えちゃダメ。




忘れなきゃ。彼がもう一度来るなんてあり得ないんだから。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ