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泡姫  作者: ネンブツダイ
第2章
31/44

“好き”!? 





まずい。時間が無くなっちゃう。そろそろシャワー浴びないと。




「そろそろ脱ぎましょうか。」




言葉をかけても、彼は服を脱ごうとしなかった。




「じゃあ、私から脱ぎますね。」




私がドレスを脱ごうとした途端、彼は私の腕を掴んだ。




「えっ、どうしたんですか!?」




「脱がなくていいです。」




「え、どうして?」




「今日は何もしなくていいです。」




彼は何もしなくていいと言った。




私が可愛くないから・・? 




この時、彼の発した言葉はとてもうれしかった。




「いや、あなたはとても魅力的です。んん、なんていうか魅力的だからそういうことしたくないっていうか・・その、もっと話したいです。だからこのまま僕とお話しててくれませんか」




私と話したいって言ってくれたことが、なんだか信じられなかった。

何もしなかったお客さんは初めて。



彼の言葉を聞いて、心が温かくなってきた。




でも彼とはおそらくもう二度と会えない。




そう思ったら、なんだか無性に寂しい気持ちになってしまったの。




「あの・・キスしてもいいですか?」




私は彼にこう質問すると、返事を待たずに彼にキスをしてしまった。



今思えば、何であんなことしてしまったんだろうって不思議に思うくらい。



私は明らかにいつもと違っていた。




彼の好意がすごく嬉しくて、、すごくいい人だなって・・



カッコいいのに、なんだか可愛らしい。



それに、なんとも言えない懐かしさがあって、



何と言ったらいいのだろう・・ 



こんな気持ちになったことはない。




私・・彼のこと・・。





そこまで話し終えると、ミキちゃんは優しくほほ笑んだ。




「サキちゃん、そのお客さんのこと好きになっちゃったんだよ。」




「え! “好き”!? 私が彼を・・」




私は言葉を失った。これが人を好きになるってことなの? 




「今日のサキちゃんなんだか、そわそわしてて落ち着かないもん。彼のこと、頭から離れないんでしょ?」




「・・・ うん。」




「そっか、サキちゃんが恋か。」




「違うよ。好きとか・・ そういうのよく分かんないから。」




その後、ミキちゃんは急に厳しい表情に変わった。





「私、サキちゃんのこと応援したいと思ってる。でも、私たちはお客さんに恋しちゃいけないと思う。」



「どうして?」




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