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泡姫  作者: ネンブツダイ
第1章
19/44

運命


信じられない。




さっきの女性は本当に昨日のあの人なのか。




ROSE PEARL この店は確かに昨日加藤さんと一緒に行った店だ。




それに、浜辺の女性はどこかで会ったことがあるような気がしてならなかった。




そうだ。




手帳を見てみよう。




他人の手帳を見るのはあまりよくないが・・




持ち主に届けなければならないのだから、仕方がない。




そう自分を正当化し、手帳を開いた。




カレンダーのページの5月7日のところに“誕生日”と記されていた。




間違いない。先程の女性は昨日、会ったソープ嬢 サキさんだ。




でも、なぜ彼女が東京から遠く離れたこの街に一人でいたんだ。




そうだ。それに、銀座のクッキーの箱を持っていた。




そう言えば、彼女もあの店によく行くと言っていたっけ。





なぜだ・・





こんな偶然ってあるものなのか。





これは運命・・・?




忘れようと思ったが、無理だ。




とにかくこの手帳は本人に返さないといけない。




いや、本当は手帳なんかどうでもいい。




・・・





会いたい。




もう一度、あの店に行って彼女に会う。




帰りの車中、携帯のインターネットで昨日行った店を検索した。




ROSE PEARL 




ソープランドのホームページを見るのは初めてだった。





これだ・・




かなり豪華な雰囲気のページだった。




在籍一覧を確認すると・・あった。 サキ




顔はモザイクで隠れていたが、彼女のやさしい雰囲気がその写真から十分伝わってきた。




次の出勤は金曜。6日後だ。




そのページには彼女のプロフィールが載っていた。






::::::::::::::::::::::::







サキ




T164 B85 W57 H85 血液型:A型



星座:おうし座



血液型:A



趣味:絵を描くこと、貝がら集め



好きな食べ物:クッキー、りんご



好きな男性のタイプ:やさしい人



欲しいもの:彼氏



行きたいところ:海



得意なプレイ:?






:::::::::::::::::::::::





このプロフィールを見た瞬間、




僕は確信した。




昨日初めて彼女に出会ってから、僕はすべてを否定し続けていた。




しかし、このプロィールが本当なら、もう否定することはできない。




彼女は僕の運命の人だ。




この世で一番、妹に・・桜に似てる人間は間違いなく彼女だ。




彼女は桜の生まれ変わり・・なのかもしれない。




血液型も、趣味も、好きな食べ物も妹と全く同じだ。




それに、妹が死んで1年後に生まれ変われば、ちょうど21歳になる。




桜の命日が誕生日なんて・・ 




偶然とは考えられない。




きっと、桜は手紙に書いた通り、生まれ変わったんだ。




6日後、彼女に会いに行く。




僕は決めた。自分の気持ちに正直に生きる。




彼女がソープ嬢であろうと、関係ない。




昨日、出会った瞬間から僕はサキさんに恋をした。




そして、一日経った今、その気持ちは何十倍にも膨れ上がってしまった。




もう、誰にも止められない。

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