森の声
掲載日:2025/12/31
森の声が聞こえて来る
木々のザワザワした物音が私には会話に聞こえる
私が特別な人であると気づいたのは
随分と人生を歩んだ先であった。
森の木々は人を嫌っている。
だけど私は好かれていたんだ。
そのように森の声は私に伝えていた。
何故私だけがこのような能力を携えたのか知らないが
人と違う所があるとすれば
日々に自然に感謝している事だろうか。
そのくらいしか私には想像が出来ない。
森の声は聴こえるが受信専用であり
私の方から何かを伝える事はできない。
その一方通行のコミュニケーションがもどかしい
私には森に伝えたい事が山ほどあるのに
何も伝える事ができず
しまいには森の木々は伐採される運命になった。
森は解体され山は綺麗に何も無くなった。
私の特殊能力は無くなった。
それは悲しい思い出と共に消えてしまったものなんだ。




