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第四章 大亀ドン

 ようやく渦を抜けた二人はへとへとだった。

 身体が辛いのではない。思った以上に神経を使ったため、精神的に疲れていた。ドンを見つける前に少し休むことが必要だ。一人は幼く、もう一人は怪我人である。

 とはいえ、血はもう止まっていた。水中でこの状態になるとは一平の今までの常識からは考えられない。 人間は普通出血した時、血小板が空気に触れることで凝固して出血を止める。いつまでも傷口が濡れていると、凝固することができずに出血多量で死に至る。 大きい魚や海の動物でも、明らかに怪我を負ったとわかるものを見たことがある。彼等は水の中の生物であり、人間のように空気中に身体を晒しているわけではない。にもかかわらず、失血死に至らないのはどういうわけだろう。海中生物の身体の仕組みは、陸上生物のそれとは著しく異なるらしい。

 自分はどちらの部類に入るのだろうと一平は再び頭を悩ませた。

 血が止まったのは海人であるからなのか、それともパールがしたことに起因するのか、一平には判断がつきかねる。セトールはああ言ったが、パール本人は癒しの力のことを否定している。

 仮にパールの持つ何らかの力が働いたのだとしたら、それはいつまで持続するものなのだろう。再びぱくっと傷が開くことがないとは言いきれない。

 一平の今までの常識に当て嵌めるのなら、できるだけ濡らさずにいた方が治りは早いはずだ。

 一平は休む所を海上に求めた。

 上昇していくと、少し先に何か大きなものが浮いている。

(船?…まさか、こんな所に?)

 いるはずがないと思い直して目を凝らす。

 とても大きい。

 大きさからすれば船でないことは明らかだ。人工的なものでないこともわかる。

 では何だ?また鯨か?

 鯨よりも大きかった。島と言っていいほどだ。だが島でもない。水に浮いている。

 浮き島という言葉が浮かんだ。湖や沼で水草が密生して島のようになったもののことだ。見たことはない。あったとしてもこんなに大きいはずがない。

 だが確かにそれは浮き島―浮いた島―だった。

 海上に突出した部分にはこんもりと土が被さり、木が生い茂っている。住んでいるらしい鳥の声もする。砂浜はなかったが、入江はある。

「これ…島なの?」

 パールも不思議そうに首を傾げる。

「…みたいだけどな…」

 一平も甚だ不確かな返答を返した。

「小鳥さんが歌ってるよ」

 パールは耳がいい。敏感に反応する。そして歌にはすぐ惹きつけられる。 

 島を見つめる瞳が輝き出した。行ってみたくてうずうずしているのがわかる。

「…行ってみるか…」

 一平の提案にパッと破顔し、大きく頷いた。

「でも大丈夫?」

 怪我の具合を聞いている。

「ああ、行こう」


 浮き島の周囲はざっと一キロメートル。一平の通っていた学校が丸ごと入ってしまいそうな広さだ。

 海面に接している洞窟を見つけて入り込んだ。水から避難できそうな岩場もある。

 見たこともないような岩だった。苔が生えているがそれだけではない。少々柔らかいような、暖かみがあるような気さえした。

 気のせいだろうと、一平は思う。

 パールは上がってこない。それほどのスペースがなかったのだ。

「ちょっとここで休むことにするよ。傷が落ち着くまで」

 一平はパールに向かって言った。

「….まだ痛い?」 

 パールが心配そうな顔をする。

「おまえのおかげで痛くなくなった。助かったよ」

 そうなのだ、多分。パールの手が傷口に触れた途端、脈々と打っていた拍動が鎮まり、痛みを感じなくなったのは本当だ。

「やっぱり、セトールの言った通りなのかもな」

「癒しの力のこと?」

「ああ」

「変なの。パール、一平ちゃんの血が止まるようにって思っただけなのに」

「そうなのか?」

「うん」

 思っただけでその通りになるとしたら、それは超能力じゃないか。もしそれが備わっているのだとしたらパールに怖いものなんてないんじゃ⁉︎

 いや、だったらとっくにトリトニアに帰れていたはずだ。

 ますますもって不可解だ。

 一平が考えていると、パールは近寄ってきた。身体を乗り上げようとしている。

「?」

「おまじないしてあげる」

 おまじないと聞いて一平は身を硬くした。

 昨日みたいにお尻にキスされては堪らない。

 思わず喚く。

「よせ」

「なんで?」

「いいから!もう痛くないって言ったろ?」

 理由なんか言えるわけがない。大体一平本人にもどうしてこんなに焦ってしまうのかわからないのだ。

「でも、もっと効くかもしれないよ⁉︎」

「十分効いてるから!おまえは遊んでろ。少しほっといてくれ」

 冷たい言い方だったかな、と気になったが、パールは聞いていなかったらしい。遊んでろ、と言われたことだけが重要だったようだ。

「いいの?オサカナ探しててもいい?小鳥さんのお歌聴きに行ってもいい?」

 パールの質問には、待ってましたという響きすら窺える。

「…見えないくらい遠くへは行くなよ。時々戻って来いな。…あっ…と、渦の方へは絶対に行くな。気をつけろ」

 こんなにうるさく注意するくらいならそばに居させればいいじゃないかとも思ったが、あまりそばで心配ばかりしていられるのも気が休まらない。

 横になったら急に眠気が襲ってきた。

 夢うつつにパールの歌が聞こえたような気がした。


 身体が揺れて目が覚めた。

(地震⁉︎)

 洞窟の空洞に地鳴りのような音が響いていた。

 微震ではない。

 咄嗟に腰を浮かした一平を大きな揺れが襲った。

 腰を低くして岩壁にしがみつく。

 今まで横になっていた地面がゆっくりと動き出した。伸びたり縮んだりしながら形を変え、ゆっくりと穴の外へ向かっている。

(な?…なんだ⁇)

 まるでクレーンやフォークリフトで運ばれているようだ。自分が自由意思の許されぬ品物であるかのような気分である。

 水に飛び込んでもこの岩に襲われることになるのでじっとしていた。この異常事態にもそのくらいの判断力は失わないでいられた。

 一平を乗せた大岩は次第に速度を早め、彼が入ってきた入口から陽光の降り注ぐ外へと迫り出した。水を掻き分けて波飛沫が上がる。波を割って突き進む船の舳先のようだ。

 再び一平の身体が揺れた。岩が突然、今までと違う動きをしたのだ。その弾みで一平の身体は空高く放り上げられ、島からおよそ五十メートルほど離れた辺りに落下した。

「一平ちゃん!」

 島のすぐそばで島を見上げ、鳥の声に耳を澄ませて唱和していたパールが、突然の出来事に驚きの声を上げた。

 パールの歌声に惹かれて多くの鳥たちが彼女の周りに集まってきていた。上空を旋回したり、パールの頭や肩に止まったり、近くで羽ばたいたり。その鳥たちも変事に驚いて一瞬の間に飛び離れた。

 パールは急ぎ潜る。

 一平は翼とは違う。パールが助けに行かずとも対処できる力を持っている。むしろパールの方が一平に守られているのだが、パールはそうせずにはいられなかった。一平は、腕に傷を負ってからまだ血が止まったばかりだと言ってもいいほどの時間しか休んでいないのだ。

 少し離れているが、一平のいる所はすぐにわかった。細かい泡の軌跡が落下物の在処を語っている。

 パールが泳ぎ寄った時には彼は再び水面に顔を出していた。

「ふう…」大きなため息をついて顔を拭う。「なんなんだ?一体…」

「一平ちゃあん…」

 パールが急いでやってくる。

 その背後で水面が泡立った。

「パール‼︎」

 海面が大きく盛り上がる。

 ―何かいるっ‼︎―

 一平は大きく水を掻き、近寄ろうと努めた。

 が、わずかに及ばない。

 海面下から迫り上がってきた大きなものはパールの身体を海上に押し上げながら姿を現した。煽られて一平の身体は押し戻される。

 象の足のように皺だらけの物体が一平の目の前に伸び上がっていた。太く大きいが長くはない。せいぜい、伸ばしきっても五メートルとはないだろう。

 それは首だった。

 大きな大きな亀の首。

 それがあの島からにょっきりと生えている。

 その首の背に、パールが必死でしがみついていた。

 一平は開いた口が塞がらない。

 見た瞬間に悟った。これがセトールの言っていた大亀のドンなのだ。まさか、こんなに大きいとは…。

「ああああん…」

 パールの泣き声で一平は我に返る。パールは降りるに降りられず、途方に暮れていた。

 下は海なのだ。安心して飛び降りていいのだが、どうにも恐怖心が先に立っているらしい。

 一平は思い切って前に進み出た。巨大だからといって無闇に恐れる必要はないのだと、セトールの一件で学習済みだ。この亀は攻撃を仕掛けてきたわけではない。

 一平は大亀に話し掛ける。

「大亀のドンというのはあなたですか?」


 亀の背で騒いでいたパールがぴたりと黙った。ドンという名に反応したのだろう。

 放っておいても大丈夫だ。万が一落ちたとしても怪我をする心配はない。それよりも、この亀の機嫌を損ねないようにすることが重要だ。一平はできるだけ礼儀正しく振る舞おうと言葉を選ぶ。

「黒潮の海に住む鯨のセトールから聞いてあなたに会いにきました。ボクは一平といいます。

 あなたの背中で騒いでいるのはパール。ボクの連れです。まだ小さいので怖がっています。下ろしてやって頂けないょうか」

 大亀はゆっくりと目を閉じ、静かに身を屈めた。

 パールのいる所は亀の視界には入らない。が、大亀はまるでパールの状態が見えているかのように慎重に首を動かした。それまでしがみついていたパールが思わず力を抜いてしまうほど、亀の動作は静かで緩やかだった。

 やがて水面の高さにまで屈んだ亀の首からパールが滑り降りる。それを見守る一平の瞳に安堵の色が浮かんだ。

 亀はそのままの姿勢でしばらく二人を観察していた。元の高さに首を戻すより、間近ではっきり見ることができるからだろう。

 重々しい亀の雰囲気に気圧されたのか、パールはいつになく控えめに一平の方へ泳いできていた。近くまで来ると隠れるようにして一平の背後へ回った。

 そうして盾になるのが当たり前のように、一平はパールを庇う。そして言う。

「ありがとうございました。失礼をお詫びします」

 亀は首を元に戻した。が、先程よりは些か低い位置に顔がある。

「…知らずにとはいえ、ボクはあなたのお体の中に侵入してしまったようです。本当に申し訳ありませんでした」 

 一平が横になって休んでいたのはこの亀の胸鰭の付け根であり、亀は鰭を甲羅の中に引っ込めて休んでいたのに違いない。人間で言えば、寝ているところを蚊に襲われたので腕を振り回して追い払ったようなものなのだ。亀に害意はない。

「……」

 一平の詫びの口上にも亀は言葉を返さない。無言でじっと二人を見つめているばかりだ。

「てっきり、島だとばかり….。まさか、あなたの体がこんなに大きいとは思ってもみなかったので….。傷が塞がったら、あなたを探しに行くつもりだったのです」

「……」

「思いもかけず、こんなに早くお会いすることごできて光栄です」

 自分ばかり喋っているな、と一平は亀の反応の薄さに戸惑う。こっちも黙ってしまっては話が先へ進まない。べらべらと喋るのはあまり得意ではないが、背に腹は変えられなかった。

 とはいえ、何を言っても返答がないとこの亀をドンだと判断したことそのものが間違っていたのかと不安になってくる。もしかしたら言葉も通じていないのではないかとさえ思える。

「あの…ボクの言葉が…わかりますか?」

 亀はゆっくりと首を縦に振った。

 もう一つ訊く。

「こうして…お話するのは、ご迷惑ですか?」

 だとしても、我慢してもらわなければならないのだが、一応訊いてみる。

 亀はまたゆっくりと首を振った。今度は横にだ。

「ああ、よかった。あなたが頼りだったんです。セトールも知らなかったことをあなたに窺うためにここまで来たんですから」

 ―何が訊きたい?―

 亀は目だけでそう訊いてきた。

「トリトニアという国の場所を教えてください。ボクらはそこへ行きたいのです。でも、どこにあるのか見当もつかない」

 ―何をしにゆく?―

「この子の故郷なんです。迷子なので家に帰してやりたい」

 ―この子もおまえも、同じ仲間ではないのか?なぜ知らぬ?私には二人とも海人に見えるが…―

「ボクは…海のことは何も知りません。地上で育ったんです。生まれたのも地上でした。ボクの故郷もトリトニアらしいのですが、はっきりとはわからない。海に出たのはそれを知るためでもあるんです」

 亀の問いに答えながら一平はハッとなった。

 亀は口を開いていない。声を発していないのだ。

 なぜ、亀の考えていることがボクに伝わってくるのだ?

 ―私は声を持たぬ―

 亀の言葉が直接頭の中に響いてきた。

 ―話さなくなってもう久しい。私はこの世に生を受けて二百年近くになる。今生きているどの生物よりも長く生きているが、すべての機能が変わることなく生き続けているわけではない。いつしか声を出すことはできなくなったが、代わりにこの能力が宿り、研ぎ澄まされた―

「代わりの、能力?」

 ―こうして、考えを直接相手の頭に送り伝える力だ―

(テレパシー⁉︎)

 またしても超能力か、と一平は妙な安心感に襲われた。海洋を渡ってゆくのに必要な知識があまりに不足している一平にとっては、海に生きる者たちのこの手の不思議な力が大きな助けになる。

 腕の出血が止まったのは間違いなくパールの力のおかげだったのだと、一平は確信した。

 ―視力だけは多少残っているが、耳の方は利かない―

「え?でも…」

 一平の言うことに反応して成り立っているではないかと、思わず呟いた。

 ―それも不思議に補われている。…が、大して必要ではないのだ。私は生きているほとんどの時間を眠ることに費やしているのだから―

「…いつも…寝ていらっしゃるんですか?…食事とか、漁とかは?」

 ―食事もほとんど摂らぬ。この巨体をまともに維持しようと思ったら、この海域だけでは賄いきれぬ―

 だから極力体力を使わないようにして、海の恵みの損失を節約しているというのか。そうまでして自分を犠牲にする必要があるのだろうか。

 一平の考えを読み取ったかのようにドンは続けた。 ―私はもう十分過ぎるほど生きた。眠っている間に瞑想するのは、それはそれでなかなか充実したものなのだ。決して自らの手で生命を断たぬと誓ったこの身にはそのくらいのことしかできぬしな―

 一平は言葉を失っていた。

 何がこの大きな亀の人生にあったのだろう。そこまでの時間を生き永らえることは、一平には想像がつかない。自分が今まで生きた年月の十五倍以上の年月には、さぞかしたくさんの出来事が訪れたことだろう。それを推し量ることはできない。だが、経験したからこそこのように人生を達観視できるのだと、ぼんやりと思えてくる。


 ―トリトニアというのは、海人どもの住まう国のひとつよの―

 少し前の質問に答えるべく、ドンは話を戻した。

「あ…はい…」

―大西洋の奥深くにポセイドニアという十の国家から成り立っている海底都市群がある。そのひとつがトリトニアだ―

「大西洋…海底都市群…」

―モノリス、ジー、トリトニア、テトラーダ、ペンタクス、ヘキサリア、ペプタリア、オクタリア、レレスク、ガラリアの十国だ。それぞれに王がいて統治している―

 一遍にそんなに言われても覚えられない。だが取り敢えず先を聞く。

 ―十の国家は互いに牽制し合っている。友好関係を築こうという反面、他国をも領海にと狙っている好戦的な国家もある。聞くところによれば、おまえの探しているトリトニアは比較的穏やかな国のようだ―

 それはありがたい。まあ、パールを見た限りでは、戦三昧の土壌で育ったと考える方が難しいが。

 ―わたしも実際に行ってみたことはない。ここに落ち着いてからだいぶ経つのでこの情報も相当様変わりしていることだろうがな。あまり信用せぬがよい―

 信用するなと言われても、他に手掛かりはないので頼らざるを得ない。一平は苦笑した。

「大丈夫だよ」

 幼い声が割って入った。

 パールだ。

「おじいさんの言う通りだよ、一平ちゃん。トリトニアはポセイドニアにあるの。他には九つのお国があるんだよ」

「なんだ。知ってるなら先に言えよな」

 思わず一平は責め口調になった。

「だって…」言われてパールは口ごもる。「だってそんなこと、訊かなかったじゃない…」 

 パールの言う通りだ。他の事に取り紛れて、トリトニアのことを事細かくパールに質問したことはない。それにこんな年齢の低い子どもに自国の様子を尋ねても成果は上がらないと、無意識に諦めていたのだろう。

 やはり自分はパールのことを見くびっていた。これからは考えを改めないと無駄な回り道をすることになりそうだと、一平は自分を叱責する。第一、この少女に対して失礼だ。

「ごめんよ。おまえの言う通りだな。…他にも知ってることがあるなら、教えてくれないか?」

 気を取り直して一平は訊いてみる。

「ううん。…パール、あんまり難しいこと、知らないの」

 申し訳なさそうに、パールはもじもじと答えた。

 ―迷子になったくらいだ。無理に聞き出そうと思わなくともよいのではないか。少年よ―

 呼び掛けられて顔を上げるとパールが喋り出した。

「パールね…。パール、本当に何にも知らないの。病気ばっかりしてたから、キンタみたいに修練所にも行けなかったの。代わりに先生が来てくれたけど、あんまりあちこに行ったこともないの」

「修練所?」

 聞きなれない言葉に一平は思わず聞き返した。

「ガッコウのことだよ。一平ちゃんはチュウガッコウに行ってたでしょ?トリトニアにはチュウガッコウはないけど修練所かがあるの」

 普通はそこで学ぶのだ、多分。パールは病弱だったので家庭教師に代わりをしてもらったということだ。 そうだったのか…。

「…迷子になったのは…どうしてだ?」

 今更ながら初めて尋ねていることに、一平は自分で呆れた。

「わかんないの。パパとママと一緒にお散歩してただけなのに、気がついたら全然知らない所にいたの」

「……」

 そんなことってあるだろうか?

 パールは遠出をしたことがほとんどないらしい。ドンの言うのが正しければ、トリトニアは大西洋にある。二人が出会った日本の海とは大陸を隔てるほど離れている。それを、知らないうちに移動していた?

「…びっくりして、一生懸命ママたちを探したんだけど、どこにもいなかったの…」

「……」

「くたびれちゃって寝てたら、パパとおんなじ匂いがしたの。そしたら…」そう、初めて会った時、パールはそう言った。「一平ちゃんがいたんだよ」

「……」

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