あ、私、何かやっちゃいましたか?
私が寝たふりをしたすぐに使用人が扉をノックする。
「お嬢様、お目覚めになられましたでしょうか?」
その声は少し震えてる。安心させるように私は優しく、
「ええ、おはよう。マリア」
そう、この使用人は確かマリ…
「お、お嬢様!!!大丈夫ですか?
その、昨日の事ですが…」
昨日?なんかあった…あ、私は確か、いや違う。本物のロナリーだった時に使用人にぶつかって、滑って階段から落ちたんだった。そして現在って感じか。てか、ロナリーって…ドジではないか?
返事をしないのも不自然なので私は答える。
「ええ。大丈夫よ。」
…
ん?ちょまって。何でそんなに驚いてるの。?私何かしちゃった?
「少しお待ちください。今、奥様方をお呼びします。」
「?わかったわ。」
何でそんなに、慌ててるの?
???…!?
あ、本当にやらかしてる。やばい。思い出した。ロナリーは元々とても傲慢な性格だった。それなのにプライドは無駄に高いという、生粋の悪役令嬢だったんだ。
そんな私がいきなり、大人びた事をしたら驚くだろう。いや、これが普通なんだけど。
実はこの失敗は私は前世もしている。
まぁ、自由に生きるためにもマリアは普通にいい子だったし、仲良くはしておきたい。てか、マリアの過去も平和な日本に生まれた私にとって悲惨だから、涙が…
そんなことを考え、気づいたらバタバタと音がしていきた。
「ロナリー!!!」
えっとお母様のミーラとお父様であるカルス、そしてお兄様シスルだ。
てか、美形…本当に美形だなー。はぁ、これが国宝級の顔面か…
「大丈夫です。お母様、お父様、お兄様。
ご心配おかけ致しました。」
やっぱ、ポケーとしている。そんなにおかしいのか…少し悲しいような。
「…本当にロナリーか?」
ちょい待てそここイケメン。失礼ですねー本物ですよ!!前が酷かっただけで!
「はい。勿論でございます、お兄様」
「…本当か?ボソリ」
聞こえてますよーお兄様!
イケメンじゃなかったら右ストレートだよ!右ストレート!!私の渾身のグーパンを食らわせるところだったよ?!
「まぁ、無事で良かった。そろそろ朝ご飯の時間だか、来れるか?」
「はい!」
「ロナリーが無事でよかったわ。ではまた後でね。」
お母様達と入れ替わるように、マリア達が部屋に入り、ある幼い使用人が土下座をした。
「申し訳ございません!!ロナリーお嬢様。
どうか命だけは…」
いや、ぶつかったのって私も悪いしそんな事で死刑とかしないよ?うん。大丈夫だよ?!何でそんな怯えてるの?まさか、ロナリーがね、やってたなんて…うん。そんな事ない!
「命は奪いませんよ?人間誰しも失敗はありますし、私ですら良くない事ありましたし…」
はぁ、いつまでこの反応が続くんだろうか…うう、私ってロナリーって!!これじゃあとんでもない問題児じゃん!ほら、先生に皆が勉強してる時に呼び出されるぐらいの問題児。居るじゃん!!
「あ、ありが、とう。ございます。」
「よかったわね。では、ロナリーお嬢様。朝の支度をさせていただきます。」