淡い夢
「ここどこだろ?」
「あれ、おまえだれだ?ここおれのひみつのばしょなんだけど、もしかして"すぱい"ってやつか!?」
「スパイ?ひみつのばしょ?ママがきゅうにいなくなって...そしたらここにきてたの」
「ふーん?ってことはまいごか?」
「そうかも、きみはなんでここにいるの?」
「ここはおれのひみつきちだからぱとろーるしてるんだ!そしたらおまえがいたんだよ!でもてきじゃないっぽいな!」
「なにそれ、へんなの」
「"ここであったのもなにかのえんだ!とくべつにいいことをおしえてやろう!"」
「?」
「このばしょひょうたんいけっていうんだけどな?じつはいけがないんだ!おもしろいだろ?」
「うーんよくわかんない」
「なんだよそのはんのうはー!てかおまえすごいかみのけだな!めもへんないろ!"どらま"のひとみたい!」
「わたしもよくわからないけどアルビノ?っていうらしいの、やっぱりへんかな?」
「へんだけどおれすきかも!なんかとくべつなかんじしてかっけーじゃん!」
「かっこいいっていわれたのはじめて、きみのほうがへんだよ」
「え?そうか?おまえがへんでおれもへん、てことはへんなものどうめいだ!」
「へんなものどうめい?」
「おう!おれとおまえはどうめいのなかまだ!だからいつでもこのひみつきちにきていいぞ!」
「ふふふっあっはは!やっぱりへんなの!」
「なにがおかしいんだよ!そんなにわらうところか!?」
「ううん?でもあたしとおくからおばあちゃんちにきてて、あしたかえっちゃうから...」
「そっか...でもおれはおまえのこといつでもまってるからな!もうなかまになったし!」
「わかった、あたしまたここにくるから!」
「カノーーーーン?どこなのーーー?」
「あ、ママだ!あたしかえるね!」
「おう!じゃーなー!」
「じゃーねー!」
「カノン!あんたどこにいたのよー心配したんだから!」
「ママがどっかいったんだもん!」
「私が飲み物買ってくるから待っててって言ったじゃないのー!本当にこの子はもぉ...とりあえず見つかって良かったぁ」
「ねぇママ〜?」
「ん〜?」
「さっきね、あたしのかみのけかっけーっていわれたよ!」
「え?そうなの?...カノンは自分の髪の毛好き?」
「ん〜かっこいいっていわれたからすき!」
「そっか...その子の名前は?」
「あ、きくのわすれちゃった」
夢(記憶)を見ていた。しかし夢とは儚いもので、起きてしまえばどんな夢を見ていたかすぐに忘れてしまう。夢から醒めるために、アルビノの身体に本来受け付けないはずの朝日を注ぎ込む。
そして、いつものように見慣れた人物との会話をする事で朝が始まる。
「おばあちゃん、おはよう」
「おはようさん、ご飯できてるから食べな」
「うん」
この食卓では和洋折衷なんでもござれだが、今日は和食のようだ。本来ならゆっくり味わって食べるのだが、今日はクラスの日直であるため、早めに家を出る必要がある。
「ご馳走様、今日は日直があるから早めに家出るね」
「あいよ、今日はバイトの日かい?」
「うん、だから帰りは遅くなる」
「分かった」
バイトの日限定の会話を済ませ、ご飯を食べ終えたら身支度を整え、家を出る。
いつもなら何も考えずに学校に直行するが、今日は通学路にある公園で少し足を止める。
家を出て15分ほど歩いた所にある東平丘陵公園だ。
祖母の家に行くと必ず来ていた場所。しかし、目的の彼に会うことは叶わなかった。幼い頃の口約束など、適当にするものであって、忘れてて当然なのだから。
寝ている時に見た、儚く消えたはずの夢がフラッシュバックする。
しかし、名も知らぬ少年の事など思い出しても意味は無いと、学校へと歩を進めた。
メインキャラ以外は名前考えてないので後で考えます。電子って便利だね★