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白魔術II

2人は人目の無さそうな場所に行き、白魔術の練習に取り組もうとしていた。

「大事なのはイメージだ」

「イメージですか?」

「そうだ、自分が何をしたいのか、何をするべきか、そこからどのような物を産み出せば目的が達成出来るか、そのイメージが大切なんだ」

「はぁ...」

「とりあえず...そうだな...白魔術で鳥を出して俺に飛ばしてくれ」

「鳥を出して飛ばすってどんなシチュエーションなんですか?」

「文通とか分かりやすいんじゃないか?」

「文通、成程...何となくいけそうな気がします!」

魔白は両手を胸の前に出し、掌を上に向ける。

「まずは頭の中でなんでもいいから鳥をイメージしてくれ」

(イメージイメージイメージイメージ...)

するとほんの僅かに、掌の中で白く光る何かが生まれた。

「おぉっ!これって!?」

魔白が目を輝かせながらハリーの方を見る。

「中々センスがあるな!それを鳥の形にさせて俺に飛ばしてくれ」

「任せてくださいよ〜、ここまで来たら朝飯ま───」

調子に乗った罰なのか、台詞を言いかけたところで光は消えてしまう。

「...」

今度は無言でハリーの方を見る。

「まぁ、最初はそんなもんだろう、どんなものでも始めたては根気がいるものだからな、もっかいいこう」

「はぁい...」

今度は失敗しないようにと、魔白は目を閉じ、意識を集中させるようにした。

(魔法...マジック...マジックショー...白いハト...)

「来い!ハト!」

「ハト?」

意気込んで行った2回目の挑戦だが、掌の光は先程よりも大きくはなったものの、直ぐに消えてしまった。

「グギギ...」

まるで機械のような音を発し、悔しさを露わにする魔白だった。

「もっかい!」

失敗。

「もっかい!」

また失敗。

「もっかい!」

これまた失敗。

こうして何度も行われた挑戦は全て失敗に終わり、初挑戦から1時間が経とうとしていた時に、ハリーが声を掛ける。

「この暑さだ、水分補給はしっかりしないとな」

「あ、ありがとうございます」

ハリーは自動販売機で買ってきたであろうお茶を、汗だくの魔白に渡した。

「白魔術を教えるなんて初めてだから、一体どうすればいいものか俺も分からなくてな...」

「うーん...白魔術自体は出るんですけど、形にしようとすると上手くいかないんですよね〜」

「よし、一旦やり方を変えよう」

「変えるんですか?」

「同じことを繰り返して駄目な時は、別のやり方に切り替えると案外上手くいくんだ、大人になるとこれがいかに重要かって思い知るよ」

「ほえ〜勉強になります!」

「それで、これから君に色々質問するからそれに答えて欲しい」

「質問ですか?」

「あぁ、大丈夫そうか?」

「まぁ...いけますけど...」

戸惑う魔白を気にしないという顔で、ハリーは質問を投げかける。

「今君は何の鳥をイメージしてる?」

「ハトです!真っ白いハト!」

「そのハトはどんな鳴き声だ?」

「えーなんですかその質問、恥ずかしいですよー」

「進まないから答えてくれ」

「えー...クルッポーって感じです」

「じゃあそのハトの特徴を教えてくれ」

「えっとー全身真っ白で、クリクリな目とちょうどいいサイズ感で可愛らしい印象ですね」

「他には?」

「他...そのハト、大人しくて人懐っこいんですよ、だから扱いやすくて見栄えもいいから、マジックショーとかに使われてるんです」

「マジックショー...これだ!」

何かを思いついたのか、ハリーは質問を止めた。

「マジックショーがどうかしたんですか?」

「今から君には脳内でマジックショーをしてもらう」

「へ?」

あまりにも唐突で突飛な提案に、魔白は思わず素っ頓狂な声を上げてしまう。

「もちろん実際に演技したり台詞を口に出す必要は無い、脳内で充分だ」

「それで白魔術が使えると...?」

「それはまだ分からないが、やってみる価値はある」

「はぁ...」

「白魔術を使う意識は必要だが、作り出すのは白魔術じゃなくてハトそのものだと思ってくれればいい」

「ハトそのもの...分かりました」

こうして先程と同じポーズを取り、目をつぶった魔白は脳内でマジックショーを行うのだった。

今更ながらアルビノっていう現実にある病名を使うよりも、架空の病名にした方がファンタジー感が出ていいのかもしれないと思っている...

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