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雨のち晴れ?

昨日のことが嘘のように清々しい晴れだった。危険なことが起きているとは分かっていても、たかだか18年程度しか生きていない少年の好奇心に歯止めをかけるのは不可能だった。

魔白は、ハリーから話を聞くということだけを頭に入れ、東平高校へと向かった。


「おい魔白ー!」

登校すればいつも聞こえてくる徹の声だった。しかし、いつもとは違い若干の怒気を感じさせる。

「おう」

「おう、じゃねぇーよ!お前昨日の約束忘れてたろ!?」

「約束...あ...」

「やっぱり」

魔白は昨日の事が気になりすぎて、徹とモンスポをやるという約束をすっかり忘れていた。

「これはどっかで埋め合わせしてもらわないとなぁ〜?」

「お手柔らかに頼みます...」

約束をほっぽり出してしまった罪悪感から、多少の罰は受け入れるつもりで、徹の言葉に反論することはしなかった。


「はい、じゃあ今日の英語の授業は終わり!」

週の最後である金曜日の6限目が終了し、教室の緊張感は一気に解放される。

魔白も例に漏れず、緊張から解放され伸びをしていた。

「んん〜」

「魔白君」

「あ、ハリー先生」

授業が終わるや否や、ハリーは魔白に話しかけに来た。

「部活はいつ終わりそうかな?」

「僕、部活はほぼ所属してない状態なんですぐに行けますよ」

「成程、じゃあホームルームが終わったら正門前で待っててくれるか?」

「分かりました」

今すぐ話を聞きたい衝動を抑え込み、会話を手短に済ませる。


「はいじゃあホームルーム終わりー」

ホームルームが終わり、正門へと向かおうとした魔白だったが、

「あぁ丁度いい、魔白ちょっと頼めるか?」

「ん?僕ですか?」

先生(さきお)から名指しで呼ばれたため、話を聞くことにした。

「雑用で申し訳ないんだが、このファイルを数学の高橋先生に渡してくれないか?会議が急用で入っちゃってな…」

「それくらいなら大丈夫ですよ!高橋先生は職員室ですか?」

「そうそう!職員室で合ってる、すまんなぁこんな事頼んじゃって」

「いえいえ」

「じゃあよろしく頼む」

「了解です」

急遽、職員室に行く用事が出来たのだった。

「失礼しまーす、あ、高橋先生!」

「斎藤か、どうした?」

「このファイルを先生先生から渡して欲しいって言われて」

そして、きっと重要な書類が入っているであろう赤いファイルを渡す。

「あーこれ、先生先生は何か用事?」

「急に会議が入ったって言ってました」

「なるほどね、届けてくれてありがとね」

「いえいえ〜では失礼しまーす」

雑用という少しばかりの寄り道をして、正門へと向かう。

(数分とはいえ待たせちゃってるかなー?)

「ん?」

正門には、お目当てのハリーともう1人いた。黒魔カノンだ。

(何話してるんだろ?)

「ハリー先生!」

少し遠くから大きな声で呼びかける。

魔白が声をかけた直後に、二人の会話が終わっていた。

黒魔カノンと入れ違う形で、魔白がハリーの元へ着く。

「ちょっと雑用が入って遅れちゃいました」

「いや、こっちも全然待ってないから気を遣わなくて大丈夫」

「そういえばさっき、黒魔さんと何喋ってたんですか?」

本題の前に、ふと気になった事を聞いてみる。

「あぁ...授業で分からない点があるってことで話を聞いてたんだ」

「授業の話だったんですね」

「まぁ...そんな所だね」

事情を知らない魔白には、ハリーの歯切れの悪い返答に突っ込むつもりは特に無かった。

そして、前座も程々に本題に入る。

「それで、昨日の件ですけど...」

「なんでも聞いてくれ」

「先生とサタンはどういう関係なんですか?」

早く聞きたいという魔白の好奇心が、なんの躊躇いもなく本題について聞き出させる。

「奴の正体まで知っているのか…まず、君からあの悪魔についてどこまで知ってるか聞かせてくれないか?」

「分かりました、そもそもの出会いは夢の中だったんです、最初はただの夢かと思ってたら、昨日、駅で姿形が全く同じのアイツに会ったんです」

「夢...夢の中に入り込んで悪さするタイプの悪魔もいる...変な事では無いな」

「駅で会った時は僕の首を絞めたり、攻撃もしてきたんですよ!?何故か攻撃は当たらなかったですけど...」

「そうか、君が無事で何よりだよ」

「そういえば、夢の中でサタンは変なこと言ってたんです」

「変なこと?」

「僕には白魔術の護符が付いてる、誰かが僕の事を利用しているって」

「...」

「もしかしてそれって...ハリー先生の事じゃ...」

途端に、魔白を見ていたハリーの目付きが変わる。まるで、親が隠していた秘密を子供に見られた時のような、焦りと怒りが混じったような目だ。

「...ハリー...先生...?」

「予定変更だ、じっくり話をする必要ができた」

「え?どういう...」

「5時まで待ってくれないか?仕事が終わったらファミレス辺りで話をしよう」

「いいですけど...」

「5時にまた正門前(ここ)で集合だ」

「はぁ...」

(今日はよく急用ができるなぁ...)

自分が大きな事に巻き込まれていると気づくことも無く、1人待ちぼうけをくらうのであった。

ぶい

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