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本格化

少摩動物公園の閉園時間から1時間半が経ち、天気予報によると後30分程で雨が止む。

「バフォメット欲しいけどラファエルの方が欲しいかなー」

魔白は雨宿りのために、少摩動物公園駅のホームにいる。そして、期間限定と表示されたモンスポのガチャ画面とにらめっこをしていた。

バフォメットが強いのは分かっているが、ラファエルという可愛いキャラのために、ここは我慢すべきかという葛藤があった。

『我ではなくラファエルを選ぶだと?』

「え?」

隣から昨夜夢の中で聞いた二重の声が聞こえた。

横を向くと、魔白が開いているモンスポの画面を凝視する悪魔がいた。

「えっ?」

思考が完全に停止し、言葉を忘れていた。

『近い内に会うと言ったはずだが?』

画面を凝視していた顔が、今度は魔白を凝視する。

その鋭い眼力に気圧され、金縛りのように動けなくなる。

「夢じゃ...ない...?」

『フム...夢かどうかは身体で分からせるのが早いか』

そう言うと、サタンは魔白に向けて人差し指を突き出す。

すると漆黒の輝きが直線を描き、魔白の身体を貫く...はずだった。

突如展開された防護壁が魔白の目の前に現れ、轟音を鳴らし、雷光を放つと、サタンの攻撃を跳ね返した。

『こんな小細工までしているとはな…』

跳ね返った攻撃により、胸の辺りから白煙を上げながらサタンは1人納得する。そして、魔白は何一つ理解が追いついていなかった。

(やばい!)

頭が理解していなくとも、警鐘を鳴らした魔白の身体はサタンから逃げようとする。しかし、

「グェッ!?」

サタンの尻尾が蛇となり、魔白の首に巻き付き、動きを止める。どれだけ振りほどこうとしても、首に巻かれた蛇は微動だにせず、もがけばもがく程苦しみが増し、視界がぼやける。

『全く...取って食うつもりなどないと前に言ったぞ』

意識が飛ぶ寸前の魔白を、強引に引き寄せ、首を解放した上で自身の横に立たせる。

「っはァ!?はぁーはぁーはぁ、はぁ、」

気道の圧迫が無くなり、身体が無理やりにでも酸素を捩じ込もうと荒い呼吸をする。

「何のつもりだよ!」

鋭い視線をサタンに向ける。夢の中では会話していただけだったため敵意は無かったが、今回は攻撃と拘束を仕掛けてきたので、敵意が沸く道理が魔白にはあった。

『時に人間よ、悪魔とは貴様らにとってどのような存在だ?』

だが、先程までの行いは全て無かったかのように、魔白の問いは完全に無視しつつ、サタンは質問を投げる。

「今ので確信した!悪魔は悪魔だ!俺達の敵だ!」

『聞き飽きた言葉だな、もう少し捻った答えを寄越せ』

「なんなんだよさっきから!?俺に何をさせたいんだよ!」

『まぁよい、今日はここまでだ、"ヤツ"と遊ぶ予定が出来た』

前と変わらず自分勝手に行動するサタンに腹を立て、駅のホームを出るサタンを追いかけようとした時だった。

白金の輝きがサタン目掛けて飛んできた。

『封印の魔術...』

しかしサタンは、事も無げにその輝きを素手で握り潰す。

『貴様の望む者はこの(少摩動物公園)中にいる!会ってみたらどうだ?』

サタンは遠くの人間に伝えるかのように、大きな声を発する。

(ハリー先生!?)

サタンが向く先には、ALTのハリーブラウンが立っていた。

「何故お前がいる!」

『さぁな?』

「全て計算の内だって言うのか!?」

『さぁな?』

魔白には2人の会話の意味は分からなかったが、敵対関係である事だけは理解出来た。

『貴様は我に構ってる暇があるのか?』

そう言うとサタンはハリーに背を向け、少摩動物公園へと歩き出す。

「待て!」

ハリーも後を追うように少摩動物公園へと向かう。

「ハリー先生!」

魔白は現状を知る為に、ハリーに対して声をかける。

「話は明日だ!危険だから君はもう帰るんだ!」

しかし、帰ってきた言葉は会話の拒否だった。

そうしてハリーは人間とは思えない脚力で、少摩動物公園の中へと消えていった。

一瞬、ハリー達の後を追うか考えたが、サタンの恐ろしさを改めて確認した直後だったため、その場に留まる事にした。


ぽっぴーざぱふぉーまー

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