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不穏II

「いやーまじモンスポおもろかったー!今度また一緒にやろーぜー」

「徹ーお前今日みたいにまた部活サボるつもりか?」

「かてぇなぁましろーん、たまーのサボりは学生の嗜みって奴よ!」

「はいはい、もういい時間だし帰るから」

「おいーすじゃーなー」

「涼太は俺と帰り道ほとんど同じだし、一緒に帰ろーぜー」

「OK」

部活をサボタージュした3人とほぼ部活に入っていない1人は、モンスポという新作アプリゲームを存分に楽しみ、帰宅する事にした。

「そういえば徹から聞いたぞー?お前黒魔にゾッコンなんだって?」

「はぁーー!?違いますーー!」

「ハハッごめんってムキになんなよ、でもたまたま日直が同じになったんだろ?頑張れな!」

「涼太まで徹と同じようなこと言うのかよ...」

「まぁまぁーんじゃ俺家着いたから!じゃなー」

「あ、おい!ったく...」

どうして人はこうも恋愛話が好きなのかと心の中で嘆いていた魔白は、ふと妙な光景を見つける。

(真っ黒なレインコート...?傘さしてないよな...)

どこかで見た覚えのあるような人影だが、背中しか見えないため正体までは分からない。夜というのは怪しい人間が闊歩する時間帯とは言うが、それは魔白の興味を惹いてしまうほどに怪しい格好だった。

(てか俺の家の方向に向かってる!?)

本来だったら逃げるのだが、自分と進むべき方向が同じなために、魔白の危うい好奇心に拍車をかける。

不審者は入り組んだ住宅地をなんの迷いもなしに進んでいき、やがて魔白の自宅を少し通り過ぎた所で、少しばかり歩を緩める。

(向こうに誰かいる?あれ、あの制服!)

不審者以外にも人がいた。それは、東平高校の制服を着た女子生徒だった。そして不審者は、銀色に煌めく何かを取り出す。

「逃げッ───」



「おかえりー雨結構降ってたねー」

「...え?あれ?家!?」

「あんた何わけのわからないこと言ってるの?とりあえずご飯の準備もう出来てるから手洗ってきな、お父さんももうすぐ帰ってくるだろうし」

「うん...」

魔白はまるで理解が出来なかった。不審者を止めようとした瞬間に、家に転移したような気分なのだから。

(夢じゃないよな...)

頬をつねってちゃんと痛いかを確認するが、その結果はしっかり現実だと実感してしまうものだった。考えた所で分からない、それでも不可解過ぎて考えてしまう。結局その日魔白は、熟睡することが出来なかった。


「あ、ガッ...」

「申し訳ないとは思うけど、これも尊い犠牲だから...」

「助...けて...」

上半身に無数の傷を負い、周りを深紅に染める少女は、浮世離れした相手の顔を濁った瞳で見つめながら、その言葉を最後に生気を失う。

(それにしても...最終的に人除けが効いたからいいけど、なんであんなに近づいてこれたんだろ...まぁ、後で考えるか...)

夜の雨の中でただ1人、住宅地で儀式を執り行う者がいた。他の住民はある少年ただ1人を除いて、不思議な力が働いているかのように、いつもと変わらない時間を過ごす。

黒い人って怖いよね

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