第二章第一話:脱獄①
作者より「恐らく三分割です」
本文3,468文字
「ここは・・・どこなんだ」
私は、そう呟く。
本当にどこなのだろう、必死に思い出そうとする。
そうしたら、少し消えた記憶について思い出しそうな映像が溢れるがなんだろう。
まるでノイズが走るように、一人の男が映り、何かを語りかけてくるが聴き取れない。
そこで、映像は消える。
その後、あたりを見合わすが、見た限りではここは監獄らしい建物に収監されていると言うことだけだ。
また思い出そうと頑張るが、頭痛だけがするようになる。
そうしてると、宇宙空間のような穴から、何かが出てくる。
何やら、カスタマーサービスの人が使うヘッドフォンらしき物みたいな、見た目だ。
恐る恐る装着してみる。
『やはり、アンタか。記憶はあるか?俺の名前は?』
「わかるかそんなもの!アンタは誰だ!」
『やはり、起こった事件に関する記憶は消されているのか、情報通りだな』
「おい答えろ!お前は誰だ!!」
『まぁ焦るな、俺は後になってわかることだ。とりあえず、今からお前を脱獄させようと思う。アンタには時間がない』
「クソッ、わかった。でどうしたらいい答えてくれ」
『最初はお前と同じ部屋の奴だ。名は氷里霊馬。囚人番号はD7658。まず、こいつに幼女の絵を渡せ』
「お前バカなのか?なぜ欲しがるか俺には理解できん人種だぞ」
『まぁ落ち着け、そもそもこいつはな近くの小学生のストーカー行為を繰り返す。さて問題だ、これを繰り返すと学校はどうなる?』
「確か、変態が来ないように集団で下校するのじゃないか?」
『正解だ、しかしこいつは、全員の小学校女児の住所を把握し、最も遅く下校する小学校女児を計算した。その日になるとまず、教師を5人その場で即死させ、小学校女児15人誘拐し、近くにあった廃病院の中に入り、襲い始める。ベットなどがあるからな。もちろん、そうなると警察は捜索を始める。しかし、そいつは臆することなくその場の警察を15人以上殺害。全員の首には、その場にあった注射器が刺さっていたらしい。その後、立てこもりながら襲い続ける。最終的には、特殊部隊53人がかりで捕まえたらしい。結局、15人中10人が、そいつの子供を妊娠した。なら残り5人はどうなったかって?あいつに“合わなかった”のか、変わり果てた姿で発見されたらしい。10人が、登校拒否している。その後、死刑と確定され、この監獄へ習慣。事件に関する“記憶”は消されているが、“性”格は忘れていないはずがない。だから、幼女の写真が必要なのだ』
「わかった。まずは紙を作る必要がある。どうしたらいい?」
『確か、錬金で作る場合は葉っぱ5枚と、木の繊維を1cm×1cmの大きさにする必要がある。これで、紙が作られるらしい』
「確か、明日は、畑作業の日らしい。看守の耳を盗んだ」
『じゃあその時に集めればいいだろう』
「ああ分かった」
一日が経った。
看守が、
「起きろカス共、メシの時間だ」
私は時間を確認する。
まだ、朝の5時ではないか。
私は、外部連絡者に看守がくることを伝えると、宇宙空間らしき穴がまた現れ、そこに投げろと言うので、投げると穴は閉じた。
その後、看守が私たちを起こしに来たので、何もなかった風にする。
私は、朝食が運ばれると、それを食べる。
メニューは、葉っぱの上に乗ったライスみたいな物と、キノコを焼いた物みたいな物。
とりあえず、口に入れてみる。
まずい、まずすぎる。
口から、胃酸が込み上げてくる。
部屋にあるものすごく汚い、トイレで吐く。
胃の中にあるもの、さっきので多分全部出た。
すると、看守が
「仕事だ、出ろ。この税金採り」
私は、そう言われ牢屋から出て、看守についていく。
私たちは、エレベーターに乗った。
なぜエレベータかわからないから隣で立っていた囚人に聞くとビクビクしながら聞かせてくれる。
実は、私は地下5階にいたらしい。
そう言えばさっきの朝の外部連絡で、知ったが犯罪者のランクで、地下の階ごとに変わるらしい。
ランクは、囚人番号の前にあるアルファベットで決まるらしい。
ちなみに俺は、E34859らしい。どんなことをしたんだっけ、思い出せない。
そう考えると、地上一階のドームの中に着く。
私たちはドームの中にある大量の扉の中にある一つの部屋。
看守について行っているだけだがな、そう思っていると畑に行く。
日差しが眩しい、目が眩みそうだ。
そこにあったのは、鍬とスコップとバケツがある。
畑の上には、気分作りのためか、木がある。
私たちは、作業をする。
看守が、
「お前ら!さっさと手を動かんさか!この飯食い虫どもめ!!」
俺は、鍬で作業をしているときに、こっそりバレないように落ち葉を3枚とスコップで1cm×1cmの木の皮を取る。
その後は、延々と畑を鍬で耕し続ける。
時計がないので時間がわからない、それがきつい。
作業時間が、数分にも数時間にも数年にも感じる。
確か、作業終了時間は17時だったような。
汗をかきながら、延々と感じる時間を感じる。
倒れると看守が、勢いつけて警棒でぶっ叩く。
痛いが、堪えつつ鍬を土にぶつける。
「よ、ようやく終わった〜」
と、私は声を出す。
すると、宇宙空間の穴から、またヘッドフォンみたいなのが出てくる。
耳にはめて、集めたものを言う。
『よし、その集めた物質を空中で、三つともまとめて力を込めろ』
そう言われた。
正気を疑ったが、とりあえずやってみる。
すると、異空間ができてそれが混ぜ合わされる。
すると、メモ用紙ぐらいの紙ができる。
また、頭痛がする。
いきなり、謎の映像が出始めた、謎の廊下らしきところに誰かが立っている。
床や、壁、ドアや、窓にその男でさえ真っ赤になっている。
その男は、笑っていた。
この異様な光景に私は困惑する。
突然視界が真っ暗のなった後。
ドサッと音がした後意識は遠のいていく。
俺が目覚めたのは意識が落ちた後の1週間後のことだ。
私は、1週間も寝続けたらしい。
これはよくあることらしい。
私は独房に戻った後、染料について考えだがこれには困らなかった。
なぜなら、該当する染色が畑作業の時や、飯の時に取れるからだ!
畑作業の時に、トマトを俺の『能力』で、こっそり持ち込んだ、紙で混ぜる。
赤い紙になった後に次は肌色が必要ということがわかる。
これも、さほど困らなかった。
トマトの赤と、私の朝飯のキノコの青色、畑でこっそり取った黄色のパプリカ。
野菜類は、その辺にいた囚人になすりつける。
なすりつけ方は、こっそりポケットに入れて看守に密告する。
これで、大体はなんとかなった。
この三つと紙を混ぜ合わせる。
ようやく、肌色ができる。
ここに、黒色がいるらしいが、私の髪の毛で筆を作り、炭鉱作業で、こっそり取った石炭で代用して、混ぜ合わせる。
すると黒色の線ができる。
そこに今まで手に入れた、染料達を混ぜ合わせる。
ようやく、幼女の写真を手に入れる。
私は感動した、涙も出てきた。
三度目の正直ってほんとにあるんだな。
と思ったりした。
そこで私は、あまり思い出したくない記憶を思い出す。
一回目は、ボディビルダーに幼女の顔が張り付いた謎の写真になるし。
二回目は、体こそは幼女だが、顔が柴犬だった。
この散々な結果から生まれた努力の結晶を私は作り上げたのだ!
本当に涙が出てきた、目から水滴がどんどんこぼれ落ちていく。
俺は両手で、涙を拭き取りD7658さんのところに向かう。
「どうもD7658さん。最近どうです。」
挨拶ど同時に世間話を行う。
「炭鉱作業ばっかりで、疲れすぎている。このままだと、俺の体が壊れる」
「そうですか、キツイですねそれは。ところであなた最近溜まっていませんか?」
私はそう聞く。
「おい、どう言うことだそれは、まさかお前俺を掘るつもりか。俺はそもそもそういうのは全勢ないんだからな!」
と強調して言ってくる。
「知ってますよそう言うことぐらい。いやこう言う写真持っているんですが、私には勿体無いのであなたに渡そうと思っていて」
と、写真を見せる。
「お、おいこの写真本当にくれるのかほんとのほんとのほんとの本当にか!」
と言ってくる。
正直怖いが、私は答える。
「えぇ、その代わり条件があります」
「なんだ今気分がいいからなんでもいいぞ」
「なら、炭鉱作業の時に石を三つほど持ってきて欲しいんです」
「なんでだ?」
「それはちょと」
というと、
「いいだろう教えてくれよ」
「なら写真を返したください」
と答える。
「まぁいいだろう。この写真は俺のものだし、奪われたくねぇもんな」
と言った。
その夜二段ベットの下で寝たが、D7658さんがベッドを揺らしまくったので寝れなかった。
気分は最悪だが、脱獄の一歩は突き進んだ。