第一章エピローグ:特訓
作者より「次二章行きます」
本文1,003文字
倉内が生きていることを知った俺たちは、青山の特訓を厳しくしてもらった。
なぜか影山だけかつてないほどのハードだった。
例えば俺たちの場合。
ランニング62km。
精神統一。
青山との戦い。
反省点の振り返り。
だが、影山の場合。
ランニング85km。
精神統一。
俺たちの30分以上の時間をかけての青山と本気での殺り合い。青山の一方的な攻撃だが。
その後の反省点の振り返りは小一時間ぐちぐち言う。
ちなみにその時の影山は、半殺し状態だ。
影山の目からポロポロ涙が溢れる。
可哀想だ。本当に、可哀想だ。
昼飯も俺と山本は、パン5つとシチューだが、影山だけパン一個だけだったりする。
青山曰く「飯をもらえるだけあり難いと思え、俺の大事に育てた尚と付き合えるんだからなぁ」。
怖い、青山も怒らせないでおこうと心で決めた。
そういえば尚って男と思っていたよなぁと思いついさっき尋ねたら、こう答えが返ってきた。
尚に女ってことは、つい最近青山が直に伝えたらしい。
尚は多少驚いたりしたが、受け入れたらしい。
影山も流石にある休憩時間にテレビをつけると、あの脱獄者0名の監獄『ラビリンス』から、脱獄者が出たらしい。
世の中も物騒になったんだなぁと思いつつテレビを見てると、脱獄者の顔写真が出る。
見た瞬間青山が素早く反応する。
「な、なんであいつが脱獄できるんだ!?」
俺が言う。
「おい誰なんだ」
そう言うと、答えるかのようにテレビのアナウンサーが答える。
『脱獄犯名前は、『換春沙尾御』。かつて、無害な人を数十人殺し、本日死刑執行日だったそうです』
俺が感じた見ためは、少し細い眉と目に整った鼻と口一瞬女性にも見える高貴な印象も受けるが、冷徹な印象も受ける。
こんな人が、人を何人も殺してあげく罪の意識もなく脱獄するだなんてって恐ろしいな。
青山が言う。
「やはり、このエクソシスト多分この国内のどこかにいる。そうじゃないと、監獄内の情報は送れないし、そもそもエクソシストだけがこの監獄内情報を知っている。あの役立たずジジィ〜、最高厳重警戒で収監しておけと言ったのに、話も碌に聞かずに大丈夫大丈夫だからと言ったから信用したのに逃げられやがって覚えとけよあのジジィ」
と切れていた。
なんでそいつを知っているんだ?
と俺が聞いた。
「 なぜかって、俺と同じエクソシストとして働いていた、2個下の後輩だからさ。」
「「「エエッ!ええええええええ!?!?!?!?」」」俺たち3人の声がこだまする。