第一章第六話:狐狸狗
作者より「今回は結構早くしました」
本文3,819文字
「さて行くか」
修道が言う。
「おい待て。何で俺の反応に無関心なんだよあんたら」
と俺が問う。
修道が「俺そう言うのに興味がない」と言い、
影山が「もうあの話はよせ、もう僵尸凝視できない」とトラウマになったり、
山本は「忘れてた。そんなことあったけ?」と言った。思ったけどコイツってだいぶ天然なんじゃあと思った。
「とりあえず、腹ごしらえするか」
修道が言った。
おい、コイツまだ食い足りねかったのか?
流されるままに、近くにあったうどん屋に入る。しかし俺は知っていた。ここは前の中学校で、安すぎるがまずいことで有名なうどん屋であることを。
「俺はいいかなやめておくよほらみんな喫茶店で飲んだし腹減ってないだr」
言い終わる前に、3人が振り返る。
そのとき、俺は腹が減っている人間がこれほどまでに恐ろしいことを知ることになる。
なぜなら、3人からすごい殺気がしたからだ。
それは、初めて会った時のルシファーの5倍くらい怖い。
俺は、震えあがっていることに、30秒ぐらい経ってから気づいた。
怖気ついた俺は、結局入ることになった。
あの3人は極力怒らせないでいよう。初めて俺はそう思った。
ちなみに俺も知らなかったが、ここは酒や一品調理も売られているらしい。
俺は餃子と鳥の唐揚げと枝豆。
影山がレモンサワーに、枝豆にフライドポテト。
山本がノンアルとじゃがバターとタコわさ。
修道がチューハイに梅水晶と軟骨の唐揚げとししゃもを食べた。
俺はアルコールを飲んだ2人に何歳なのか聞いてみることにした。
ルシファーに『なぜだ?』と聞かれた。なぜかって酒飲んでいい年齢か、確かめるためだったから。
影山が、22歳
山本は同じ年齢。
修道が35らしい。この見た目でか。
見た目で思い出したけど、山本は下戸らしい。
山賊らしい見た目なのにか。と俺は思った。
そ思ったのも束の間、修道が2本目を頼む。
影山は・・できあがっていた。
俺は、酔った影山に絡まれている。
しんどい、帰りたい。
というか修道に会ってから、ろくな目に合っていない。
影山が俺から離れ、山本に酒を無理やり飲ませている。
俺以外の3人ができあがってしまった。
結局閉店の深夜12時に学校に行くことになった。
だいぶ酔いが覚めたのは分かったのだが、3人の吸く息が酒くさい。
「そろそろ時間になったな、そろそろ始めるか」
「始めるって何を?」
「少年に憑依して逃げた狐を追うために、別の狐を使う」
「それってつまり?」
「つまり、こっくりさんを追うのに、こっくりさんを使うってことだ」
俺は衝撃を受けながら言う。
「本気で言っているのか?冗談じゃなく」
ちなみに、驚いた拍子に影山が校庭に吐いた。汚ねぇ、こっちが吐きそうだ。
ということで、教室にきた俺たちは値段が高いほど効果が良いとされているため、持っていた硬貨の中で一番値段が高かった500円玉と鳥居、『はい』『いいえ』と50音が書かれている紙を用意。
4人で、『こっくりさん、こっくりさんおいでください』と言う。
誰も力を入れていないのに、勝手に硬貨が『はい』に動く。
すると修道が「この前人間の少年に憑依したあなたの仲間がどこに行ったか教えてください。」と言った。
すると硬貨が『い・な・り・じ・ん・じ・や』と動く。
「稲荷神社か、この近くにあるか」
聞かれた俺は「山の上にもう使われていない神社があります」と答えた。
「じゃあこっくりさんはもういいけど、3人とも好きな質問を聞け」と言った。
俺は、今俺のクラスで話題になっている噂話を言う。
「こっくりさん、エクソシストの影山輝彦と同じくエクソシストの森岡尚は付き合っていますか」
影山が、驚いた表情を出しそして「お前なぜそんなことを言うんだ」と言った。
硬貨はもちろん『はい』に移動した。
影山は「絶対に人に言わないでくれ」と言った。
じゃあ、俺の番かと山本が言う。
「こっくりさん、俺は宝くじに当たりますか?」と聞く。
硬貨が、『いいえ』に動く。
山本はガックリと肩を落とした。
最後は俺かと言いながら影山が「こっくりさん、俺は尚を幸せにできますか?」と問うた。
硬貨は『ほ・ん・に・ん・の・き・の・も・ち・よ・う』と動く。修道が「なんか微妙だな」とコメントした。
最後に4人で『こっくりさん、こっくりさん、どうぞお戻りください』と言った。
硬貨は『はい』の位置に動き鳥居の位置まで戻る。
俺たち4人は続けて『こっくりさん、こっくりさん、ありがとうございました。おはなれください』と言った
そしてようやく、硬貨から指が離れる。
「終わったな」
影山が言った。
「と言うか、その前に尚と影山お前ら付き合っていたんだな」
俺は問い詰めるように聞いた。
「そういえばそうだな」
「頼む青山には言わないでくれるか」
「いや、多分それは無理だな。なぜなら・・・青山から手紙を預かっているからだ。」
「見せろっ」
影山が手紙を取った。
内容は、
前略
影山君、尚と付き合っているらしいね、俺は2人を祝福する気もある。
尚を幸せにしてくれ。
〜中略〜
最後に、お前次会ったら覚えていろよ。
だった。
影山の足が生まれたての子鹿のように震えている。
しかも目は産卵後のウミガメのような涙目だった。
可哀想だし何より不憫だな。
俺は少なからずそう思う。
すると修道が。
「さて茶番も終わったし、行くか稲荷神社」
俺の住んでいる街は田舎でもあり都会みたいな交通網もある、何だかよくわからない街だ。
そしてこの街の人間は一切近づかないし、話題にもしない廃神社の階段を登っていく。
カツーンカツーンと、俺たちが石畳を歩いている音がする。
俺は、また怖がっているのか。そう実感する。
なんて情けないんだ。
頂上に登ると、そこは壊れていた。
稲荷の像は、真っ二つになっていたり、粉々の塵になっていたりした。
建物の中は、何かが焦げていたりした。
するといきなり聞こえる声。
『お前らか、私を嗅ぎ回っているものは!』
その姿は、少年だった。
しかし少年は、白目で泡を口からだし、腕や脚は変な方向に曲がっている。
多分・・死んでいる。
そう思うと、狐の死体を投げ捨ててくる。
『コイツは、お前らが質問したキツネだ!俺のことを知ってしゃべったから、殺したのだっ!』
喋るたびに、少年の口からビキビキと音が鳴る。
「おいそこのカスギツネ、さっさと少年の体からででこい。それとも俺に一回殺されてもまだ一残機残すためかぁ?」
と挑発するように修道が言う。
ブチリという音がして、ようやく正しさを求めた少年は天に召されていく。
『このカスどもめ!俺が、全員殺してやる』
ようやく出てきた見た目は、なるほど九尾のキツネみたいな見た目だ、牙は迫り出し尻尾の先端は燃え、毛は全身を逆撫でている。
そこまで怖くないような・・前の猿の方が怖い。
これが慣れか、怖いな慣れって。
修道が一言付け加えた。
「こんなもんか、いやぁ正直がっかりだよこれだったら一番弱い階級4人でも倒せたのにいやぁ残念だ俺がこんな弱い奴と戦わされるなんて」
『そこまで言うなら、まずお前から殺してやるっ』と言いながら突撃してくる。
空も飛べるのかぁ。
そう思った。
「能力『武心体』&『武器拡張』」
『コピー』は複数発動もできるのか。
と思った瞬間に、9本のうち、5本が修道の剣によって切れた。
「俺たちも負けてらんねぇな」
影山が言う。
「『影人間』武器変化モード『槍』」
すると『影人間』が槍状になり一直線に飛んでいく。
キツネは修道に夢中になっていたのか、運よく腹に刺さった。
影山がさらに「『開花』」と言った。
すると『影人間』は腹に刺さったまんまいろんな方向に突き出る。
キツネは『*¥)#」%、:;%)#「」、%:@:「%」」¥「「¥)「#:、@「%」、、#:、;%、^、「%::、%#」@』と声にならない悲鳴をあげる。
『影人間』モード『槍』は、影人間を槍状にして飛ばすと言うまんまの能力だが、突き刺さった後『開花』する。これは文字通り、突き刺さった槍が、花のように開花する技だ。
これは、青山の特訓で編み出した新技だ。
ちなみに、山本が威力を2倍になるようになり。
俺は新しい技を生み出した。
すると、こっちにキツネが飛んできたから俺は新技『超音波』を出す。
キツネは、空に飛んでいく。
『超音波』は、手の親指の下にある部分を重ねて中心から魔力の衝撃波を渦巻き状に打ち出す技だ。
修道がそれを見て反応した。
「お前らなかなかやるじゃあねえか。俺もちょっとやらなきゃぁな。簡易妖術『鎌鼬』+能力『雷』+『妖術操作』」
すると、ミニ台風のような回転をしながら葉を回転させる鎌鼬が、雷を宿らせていた。
キツネに一回よけられる。
しかし鎌鼬が急な方向転換して、キツネに当たる。
『なんだ。コイツらは圧倒的に強すぎる、こうなったら引くまで』
「おい待t」
修道が止めたが最後まで話を聞いてくれない。
キツネは、炎に包まれながら消えていった。
しかし、炎は最後に俺を指さし、こう言った。
『俺にこの力を与えたのは、お前とも繋がりの深い倉内様だ。倉内様はお前に恨みを持っている。覚えておけよ』
そう言って消えてゆく。
修道が「あのクソギツネ覚えておけよ」と言った。
俺は消えそうな声で言った。
「なんで、倉内が生きていやがるんだ?」
その声は闇夜と驚きで消えてゆく。
しかし、俺は驚いている暇はない。
影山と山本が「「だれだって?」」と言ったが、俺は無視した。
「アイツが生きていても、俺は悪魔の能力を使い倒す。これは『元クラスメートVS悪魔化した俺の戦争』だ」