第一章第五話:阿修羅
作者より「今回は二話に分割してみました」
本文3,518文字
とある中学校での出来事ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
真夜中の教室の中30人ぐらいの人数が、『こっくりさんこっくりさんおいでください』と一斉に言い始める。
誰かが「おい、本当にやって正しいのかそもそも俺たちのやっていることは『正しい』のか?」
その時誰かが「俺たちは『正しい』ことをしているんだ」
他の少女は「私たちは『正しい』ことをしている。そう神も言っているのに違いはないわ」と。
そして1人ずつ1人ずつ願いを聞いてもらっている。
しかし、この時誰かが、コインから指を外してしまう。
そいつは、『正しさ』について他のクラスメートに問いた少年であった。
「俺は間違っていない俺は『正しい』」
そう言っている。
その少年は白目で、口から泡がぶくぶく出ている。
もう気が狂っているか、取り憑かれているか。そんなのは誰にもわからない。
その時髪がどす黒く変色し始めた。
30人ほどの人数はその時、コインを指を外し始める。
その後、紙が血でどす黒くそして赤くなるのは、わかっていた。
1人残された『正しい』少年は、狐の姿になり、月夜に吸い込まれていく。
FileNo.125『こっくりさん』事件ランク『修羅』相当の依頼。
すぐ近くで様子を見ていた用務員からの証言からまとめた資料。
作成者:宮下敬一郎
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「これは、狐に魅入られたタイプの案件だろう」
青山が、ファイルを見ながらそういう。続けて「俺が行っても無駄だから、修羅の中でも一番強い・・・現エクソシストで、無敵の人間を呼ぼう」
俺たち3人が「「「名前は、能力は、格好は、性別は」」」と立て続けに言う。
青山が少し困った顔で淡々と答える。
「名は修道律。能力は『コピー』、どの術にも属さない珍しい能力だ。で、性別は・・・」
ごくりと3人が唾を飲み込む。
「男だ」
そう言い切る。
3人は見るからにがっかりした様子を観せる。
ため息もついている。
「そんながっかりすることかぁ?」
と間抜けな声で青山が問う。
「「「そうだろ!!」」」
俺たちが言う。
「俺はそう言うのには興味がないが、明日迎えの車が来るからな。それと、見た目に関しては会えば分かる」
そう言って青山は自分の寮に帰って行った。
青山は六徹目らしい。そういえば目の下がドス黒かった。あれクマだったんだ。
ランクが上がると引っ張りだこで寝れねぇのか。
ほんとこの世界に足を踏み入れてよかったのだろうか?
1日後ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
言われていた『修羅』が来る時間となった。
ワクワクしながら俺たちは待つ。
やがてソイツは、
「おーいあんた達か?俺を読んだのは」
と大声で尋ねながら向かってくる。
そして、目の前に来る。
見た目は何というか・・・イケメンな厨二病だ。しかも前面に出しているタイプだ。
眼帯してるし、包帯巻いてるし、包帯に多分トマトジュースであろう赤いもので、紋章書いてるしよく見れば、眼帯に魔法陣書いてるよ。
待てよく見たら全身黒の格好じゃねぇか!
さらによく見ると、十字架のイヤリング色は黒のをつけている!
しかもそれで、身長2mは超えるであろう、高身長だし、顔も整っているのに厨二病である。
究極にダサい。否ダサすぎて、隣で歩いていると通行人が笑い転げるやつであろう。
影山の肩も震えている。振動している。
こんな見た目のやつが現エクソシスト界の無敵なのかぁ。
大丈夫かよエクソシスト界。これでこの世界が回っているなんて、世界って不平等なんだな。
そう思ったら、修道が、
「自己紹介はいい、青山から三割くらいは聞いている。あんたが、悪魔と契約した悪魔憑き。名前わすれたから、とりあえず山賊と坊さんって呼ぶな。んで、他の人間にバレなように班を作って行動してたくらいは覚えている。とりあえず、なんか中学に現れた狐を追っ払えればいいんでしょ」
と言った。
不安になってきた。
すると、修道が「小腹と喉が乾いたし、後まだ時間もあるし喫茶店行くか」と言った。
コイツマジか本当に役に立つのか。
また修道が「俺の力は多分3人とみ信用していないから、俺が相手になってやるよ。お腹すいたから後でな」と右目が疼いているようなポーズをした。
「もうヤダこんな奴と任務するの」と俺は思った。
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喫茶店にて・・・・・・・
俺がコーラ。影山が紅茶。山本がメロンソーダ。修道がコーヒーを頼んだ。
俺はどうせブラックサイコーなタイプだろうと思うと。
砂糖とミルクをドバドバ入れ始める。
糖尿病の医者がいたら、白目剥いて卒倒するレベルだろう。
そういえば、イヤホンで修道が、何かを聞いているが何聴いているんだろう?。
まぁどうせ、洋楽だろ。
とちょっと小馬鹿にしながら、覗き込むと。
衝撃だった。何を思ってか、アソパソマソオープニング曲を聴いていた。
いやなんでだよおかしいだろと思った。口が開きっぱなしだった。
その5分後。
俺の空いた口がようやく塞がった後に。
修道が「外出て俺と戦わないか?」と言った。
ちゃんと会計はしていたが、会計の時女性の店員さんが、複雑な顔で、修道を見ていた。
気持ちは分かるよ店員さん。
心の声でそう言う。
外に出て修道がバカにした態度で言う。
「ルールは、3人で俺にかかってこい。勝ち負けは、俺が降参したらあんたら3人の勝ち。あんたらが、降参したら俺の勝ちお分かりかい?」
続いて「ハンデとして、俺の持っている能力を見せよう」と言い出す。
その後に、眼帯を外し始める。
眼帯を外したら、目に何か特殊なことをしたのか、目の中で時計のマークがあり秒針が動いている。
「まず、知ってると思うが『威圧』からな」と言う。
と思ったら目の前に修道がいた。
俺たち3人が困惑する。
まるで時を止められたみたいだ。
これが修道のみが使える、特別な『威圧』。これは少し知っていた。
青山に聞いたので。
時は三日遡る。
青山の厳しい特訓が始まっていた。
毎日体力作りと称して55km休まず走り込み。
その後休まず、能力や技を磨き続ける。
その後に、『威圧』について、教えられた。
「『威圧』とは、主に人や武器それに威力を止めることができる。数少ない誰にでも使える能力だ。」
「その中でも修羅の中に、感覚・聴覚・嗅覚・視覚・思考・身体の神経を全部止めるヤツがいる」
「名前は誰ですか?」
俺は聞いた。
「それは・・・また今度言う」
今思い出した。
それがコイツだ。
俺の『威圧』は、人を。
影山が、武器を。
山本が威力を止めれるようになっている。
まだ1秒だけだが。
「じゃあ次にそこの悪魔憑き。俺を少し殴れ速くな」
その瞬間目の秒針がゆっくり回転した。ように見えた。
その瞬間脇腹を狙った拳は、空に吸われていった。
「これが『スローモーション』だ。俺に対する攻撃は0.1秒の速度で見える」
名前まんまかよ!と心の中で突っ込みつつも、圧倒している。
次に「おい山賊俺に攻撃しろいつでもいいぞ」という。
すると躊躇いなく、瞬きする瞬間に、山本が鎖鎌を打ち込む。
その一瞬、目の秒針が早くなったように見えた。
鎖鎌が、停止していた。空中で。
「『未来予知』と、『威圧』を組み合わせた技だ」と言う。
勝てる気がしない。
「ちなみにこれが、生まれついた時に身についたやつだ。ただ、一回使うと1キロ走った時ぐらい疲れるし、こっちの目で見てる時はそれでも、休まずずっと1キロ走ってるような状態だから眼帯をしている。眼帯をしているときだけ500m走ってるように感じるだけだ。後この服やアクセサリーは、ファッションだ。最後の能力『コピー』は、見たものの能力をそのまま使いこなせれる。ただこれも、記憶している限りだがそれが欠点である」
と修道が言う。
ていうか、あのファッションオシャレだったのか。
ならコイツのファッションセンスは崩壊ものだな。
「「「参りました」」」
俺たち3人が言う。これには勝てない、俺たちはそう本能的に理解した。
「俺の勝ちかぁ。でも楽しくないから、また今度強くなったらやろうな。俺は強い奴と戦うのが好きなんだから。理由は………また今度伝えてやるよ」
と言うさらに続けて
「もういい時間だしじゃあ狐狩りに行きますか」と。
そして中学校に着いたのだが「嘘・・・だろ何で此処なんだ何故。」と声が出た。
否、出てしまった。
ルシファーも『懐かしいな』と言うほどだから。
そこは、俺がエクソシストを始める要因の場所でもあって、全ての始まりの場所。そして、俺が悪魔と契約してしまった場所。
俺が通っていた。“元”中学校だった。