第一章第四話:猿の恐怖
作者より「遅くなってすみませんでした」
本文3,920文字
あの一件はただのボヤ騒ぎの火が他のゴミの所に引火した。
と言うことにされたことを宮下さんに聞いて葬式場を教えてもらい、俺は1人であの子の葬式に参加した。
俺は墓の前で突っ伏した。目の前が涙で濡れた。
その三日後ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
俺達は、廃ビルの一角にクラスメートたちの遺体らしきものが出たと言うことでそこに来ていた。
メンバーは俺と影山、山内そして青山の代理人の森岡尚。彼の見た目は、杖にローブを着ていて、どこか中性的な顔をしている。
ランク『魍』、能力名『恐人』。能力名だけで、具体的にどんなのなのかは教えてもらっていない。
青山いわく、どんなに強くても能力だけだと勝てない存在らしい。
そう思いつつ、少し横目に尚を見てみたがなんか震えている。
いや、滝のようにも汗が流れている。
さらによく見ると、目に焦点があっていない。まさかビビっているのか?ランク『魍』のエクソシストあろう人がビビっているのか?
俺は不安に駆られたが、ふと気づくとテケテケみたいなのがいた。
多分クラスメートのいたであろうこっちに、テケテケが三体こっちに来た。
すると尚が震えた声で、
「こっちに来ないでください!」
と言った。やっぱりビビってる。
すると影らしきところから、化け物が出てきた。
すると、バクゥンという音と共に、テケテケ三体が喰われた。
もちろんテケテケはどこにもみられない。
これが『恐人』か。そう思うと一枚のメモが俺のポケットから出てきた。
メモには、『恐人』の詳細が書いてあった。いわく『この能力は、自分の感じた恐怖や恨みを怪物の強さに変える能力』。
なんだそりゃの能力だな、と俺たちは思ったが無かったことにした。
その後足も手になっている化け物が現れた。
そいつは、口から波動を出してきた。
俺たちが避けた瞬間、山本が鎖鎌で横に真っ二つにした。と思ったら、復活した。
どうしようと思った次の瞬間。
小さいルシファーが勝手に出てきて、燃やして喰っちゃった。
とてつもなく美味しいのか、ものすごい笑顔で食べている。
ものすごい勢いで食された手足手の化け物は、骨だけ残して食された。
ルシファーが言うには、『骨は喉の奥に刺さるし、食いずらい』らしい。
その後骨も集まって復活しようとしたので4人で塵にした。
塵にしても復活しようとしたから、紙飛行機の中に入れて風に飛ばした。
その後テケテケが5体ほどでた。
影山が影人間を10体ほど出した。
影人間は個体差があるが全員強い。どんどんテケテケを潰していく。
しかし俺たちは気づかなかった。
暗闇に潜む三つの影に。
ガサッ!と音と共に俺たちは振り向き、確認すると3匹の猿が現れた。
1匹目が目を隠しており、2匹目が耳を隠していて、3匹目が耳を隠している。
すると山本が、
「これ三猿じゃないか?見ざる言わざる聞かざるの」
言い終わる前に猿達が光った。
すると俺たちは目が見えず耳も聞こえなくなり喋れなくなった。
俺たちはパニックになり、能力を使うのが遅れた。
その瞬間、何かが激突した。毛深い何かだ。痛い………いや痛すぎる。
背中に手を当てると血が出ているのがわかった。多分毛が針になっているのだろう。
俺はその瞬間を逃さず簡易妖術『鎌鼬』を出した。
当たったかはわからん。
しかし口呼吸が一瞬だけできるようになった。
入ったんだ。そう確信した。
多分ダメージが入ると入った大きさによって復活していく力が変わるのだろう。
しかし、自分にもダメージが入るのを覚悟で勝つにはリスクが高すぎる。
しかも運よく見猿に当たる確率は圧倒的に低い。低すぎる。
多分猿達にもわかっていると思うが、見猿は一番後ろで控えているに違いない。
俺が猿なら絶対するからだ。
しかしこの状況圧倒的に不利だ。
理由は4つある。
一つ、俺たちは声が出ないことつまり情報伝達が不可能。
二つ、俺たちには目が見えないつまり敵の姿が見えないと言うこと。
三つ、俺たちには耳が聞こえないすなわち目と同じで敵の位置が分からない。
四つ、この状態だと味方の位置もわからないうこと。
ヤバいとてもヤバい。
俺はそう思った後、俺はたった一つ確信した。
こいつらは付喪神だ、と。
付喪神とは九十九年という長い年月を経たことを表していると言われている。
昔は、百年を経たモノには魂が宿るとされていて、モノの妖怪変化のことを九十九神=付喪神と呼ばれるようになった。
多分彫刻みたいなものから生まれたのだろうから、こいつらは日光東照宮の三猿ではない。
俺は、そう考えつつ青山に教えてもらった武術『心眼』を使った。
これは暗闇や何かあったときなどに使う武術であり、気配を“観る”と言うものである。
しかし、“観え”ない。この効果が消されている。
………否、相殺されているんだ!
俺は、『鎌鼬』を下に回転させて撃ち、下に降りて猿を誘った。
すると二匹ぐらいの重さが下と思ったら刺さったた。
多分貫通しているであろう。
痛すぎる。
その後俺は、床に激突した。
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ヤバい。一瞬意識が、消えた。
しかし、俺は体を掴んだ。
なぜなら、逃がさないめだ。
その後俺はよく分からないままルシファーの力を使い、一匹をすごい力で圧迫して潰した。
「うわぁ」
と間抜けな声が出た。
つまり、言わ猿を倒したのだろう。
俺は針がまだ刺さっていることを確認して、付喪神に効くかはわからんが、簡易妖術『聖陽』を使った。
『聖陽』。この能力は主に化け物系、特にアンデット系に効く聖なる陽光。
効いてほしいと願いいつつ、使ったが、苦しんでいるのか針が腹に刺さったまんま前後に動く。
「痛い痛い」
と声を出しつつ、俺は容赦無く腹をぶち抜く。
すると急に、キーーーンと言う音と共に音が復活した。
聞か猿を殺したと思った。
俺はルシファーのつば背で上に戻り3人と合流した。
「グッギャークアンクアンクアンクアンクアン」
何かが叫んだ。
とても耳障りだ。
その後ベキベキという音が聞こえると、俺たちは戦闘体制に入る。
入ったのか?
「まぁなんとかなるか」
俺がそう言うと。
『「「ああ」」』
そして小さく
「ええ」
と聞こえたのは気のせいだろうか。
しかし、猿は攻撃を許さない。
「ギッギャアアアアアあああああああああああああ」
猿が叫ぶ。叫び続ける。
叫び声は黒板を引っ掻いたような音だ。
俺たちは耳を塞いだ。なのに“聴こ”える
猿が俺に突撃した。針が刺さって痛い。
俺は考える。痛いが、考え続ける。
その時俺の中に一つ考えができた。
しかしこれを実行するには、全員の力がいる。
だがこの叫び声をなんとかしなければならない。と考えてる最中に猿が離れる。
多分次は必殺技が来る。そう直感した。
俺はこの猿の攻撃に賭ける。
賭ける内容はこうだ。
猿が攻撃をする→俺はその針を掴んだ状態で殴る→叫び声が一旦止む→その一瞬を俺の懐にいるルシファーに伝える→作戦開始。
こうする予定だ。
この作戦と賭けの内容を俺の懐にいるルシファーに伝えると『了解した。そうしないと、俺が死ぬ可能性もあるからな』と返答が来た。
こいつ、自分が死ぬ時しか俺に協力しないな。多分自分の目的が果たせればそれでいいと思っているやつなんだな。多分これがあいつの『正義』だろう。
そう思ったら、猿が来た。しかし俺の腹には刺さらず、寸止めで回転した。
「ギャァァァァアアアア」
痛いってもんじゃない。これが俺の叫び声か、猿の叫び声か、俺の削れる音かもわからん。それぐらい痛い。
これが奴の『必殺技』か。必ず殺す技と書いて、必殺技。
やべぇ。あと一発くらった死ぬと思いつつ、俺は猿を掴み殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る。
針が俺の拳に刺さったのか手を触ると、水が滴っている。
多分血だ。
殴っている最中に、一瞬猿が痛みで叫ばなくなった。
俺は猿を掴む。
その隙に、俺は懐にいたルシファーを出す。
計画が伝わったのか、全員「「「分かった」」」と大声で叫ぶ。伝わったのかと思う。
まず俺は、掴んでいた猿を下に下ろし、床を『鎌鼬』で床に穴を開けて落とす。
俺は穴を確認し、影山を引っ張り影人間を出す。多分ボコボコにされているであろう、猿が「うぎゃあああ」と叫ぶ。
そのあと、山本を引っ張り鎖鎌で下の階を切りまくさせる。
猿は叫び続ける。
もうただうるさいだけだ。
最後に尚を引っ張り出し………なんか凄い震えているのか、俺がさらに震えまくる。
ガタガタガタガタガタガタガタ。
下に、『恐人』を出した。
猿の最期の言葉は、「ウギャァ」だった。
そのあとものすごい光が視界に満ちた。
倒せたんだ。
俺たちは理解して、肩をくみ喜んだ。
そのあと、青山から携帯から電話が来たので出た。
「どうだった?尚の活躍は」
「とても活躍していました。彼がいないと、死んでましたよ」
俺が答える。
「彼ぇ?一体いつ俺が、尚のことを“男”だと言った。あいつ、女だぞ」
青山が言う。
俺は衝撃を隠せず、
「はああああああああああああああ!?!?お、女ぁ!?!?」
「そうだ。正直に言うと尚は川の橋の下で拾った名も知らぬ孤児だ。それを俺が面白そうと思い、あいつにずっとお前は男だと言い続けた結果だ。後男だとエクソシストに必ずなれるし差別されないからな。まぁ、尚以外の2人には言っていいぞ」
と言われた。
そのあと電話を切った後2人を呼び出し、話すと驚いた。
影山に至っては、触っただけで気絶しそうだ。
まぁそれほど男ぽかったもんな。
分かるぞ影山。
「どうしたんだ」
と尚が聞く。
「「「いや何でもない」」」
俺たち3人が珍しくハモる。
俺たち3人は、
(いつか青山、殺してでも聞き出そう)
そう決意した。