表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

異世界に行ったら、勉強しなくていいと思ったのに

作者: ゆうか

はじめて短編を書いてみました。

皆様も1度は勉強を放棄したいと思ったことは無いですか?

勉強が嫌いだ、という私の思いをぶつけてみました。


でも最後には私の中で、ちゃんと勉強はしなきゃ、という気持ちが戻ってきたみたいです。

あ、やばい。死んだかも。

交差点で車が俺に勢い良く突っ込んできて、全身を強く打ってしまった。


薄れゆく意識の中、俺が思ったこと。それは…


「なんだよ。こんな事になるなら昨日の夜、定期テストの勉強なんかせずに徹夜でゲームしとけば良かった…」


♢♢♢

「おぎゃあ、おぎゃあ…」

ああ、何処かで赤ん坊が泣いている。


あれ、俺、死んだんじゃなかったっけ…?

何故だか、思考は上手くまとまらないし、目も見えない。

どこだ、ここ?


「おお、元気な男の子だ!!」

「旦那様に似て、凛々しい顔立ちをなさっている!」


…もしかして、これ、異世界転生ってやつ?

確か、転生した奴って大体最強になるんだろ?

魔法と剣さえ極めれば、勉強しなくても良くなるんじゃね???


異世界転生サイコー!!


そんな俺の考えは、すぐに裏切られる事になった。


「えーこの国は、初代国王タイラーが、前王政の腐敗に対し革命を起こした事で…聞いていますかな、ルーク様?」

「あ、聞いてませんでした」

「全く、しっかりしてくださいませ。辺境伯の息子たるもの、このような怠惰な姿ではいけませぬ。そもそも、貴族とは…」


始まったよ。うちの家庭教師は、俺が勉強しなかったら毎度、こういう貴族の使命みたいなのを俺に説く。

別にキョーミ無いし、聞いてもすぐ忘れるし…


俺はクーバニ辺境伯の嫡男、ルークとして再び、生を受けた。


普通、転生したら、スキルとか色々特典があると思うだろ?

そんなもの、俺は1つも持っていなかった。


ユニークスキルなんて持ってないし、魔力量も一般的。剣の腕もイマイチ。

まさに、平凡。


おまけに魔法を使うには、魔法陣を暗記しなきゃ行けないし、勉強は、数字の数え方から違うから、一からやり直し。


さらにさらに、礼儀作法や、貴族としての平民への接し方など、前世でもやったことの無いような事も覚えなければならない。


嘘だろーー!誰か、嘘だと言ってくれ!!!

俺は今日も先生と闘いながら、なんとか勉強をサボる方法を模索していた。


だが、そんな俺の浅知恵はすぐに限界が来るもので。

「ルーク、そろそろお前を本気で叱ったほうが良さそうだな」


強面の典型例のような父が、険しい顔をして、俺の部屋にやってきた。

やばい、これはダメなやつだ。


「いい加減にしろ。この家には、お前しか跡取りはいないんだぞ!にも関わらず、全ての腕前は普通かそれ以下。特に抜きに出た才能を持っているわけでもない。せめて、努力する事を身につけろ!!!」


ビリビリと屋敷中が振動するような大声だ。

まじでこれを誰か目の前で体験したら、100パーセント泣きそうになると思う。


俺も涙目になりながら、「だって、勉強なんて楽しく無いんだもん」と反論する。

「馬鹿か、勉強は貴族の義務だ。それが出来ないとは、この家に生まれたからには言わせない」


父に反発した次の日から、より一層厳しいスケジュールに変更されてしまった。

いやもう、死にそう…


♢♢♢

あれから20年。

ギリギリの成績で貴族学園を卒業した俺は、今日、父から辺境伯の爵位を譲り受ける。


「精進するんだぞ」

そう言って父は、母と共に隣国へ旅行へと出掛けてしまった。

お陰で領地の事なんて何にも分からないまま、領主生活1日目を迎える。


「ではまず、仕事について私と一緒に学んでいきましょうね」

朝1番、領地をおさめる責任者の言葉に眩暈がした。


やっと学生では無くなり、勉強とおさらばできると思ったのに。これから改めて、勉強していかなくてはならないらしい。





習うは一生という諺があるが、それは異世界でも同じらしい。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ