お試し投稿:青が争う海で
水清ければ魚棲まず。
沈黙の海に漂うのはシ者の香り。
「なにもない」から感じるのは、希望の自由か?臆病な恐怖か?
いずれにせよ、進むしかない。
動けるならば、動くほかない。
止まっていれば、波に吞まれてしまうから。
上下も左右も東西も南北も、わかる必要はない。
動いているなら「進んでいる」のだから。
前後不覚で構わない。
天地には常に入用だ。
辿り着いた先で己に降り注ぐのが、
福音だとは限らないのだから。
一握の希望と諦観を抱きしめて
泳ぎ、流され、そして沈む。