第71話 作戦決行!13日の金曜日
*作戦決行の13日の金曜日になるのである。果たしてどんな結末がまっているのだろうか?実際3対1の戦いであったのが、森原の裏切りで2対2の戦いとなる。佐伯は、もくろみ通り、副店長(直也)をおとしめる事ができるのか?
思わぬ助人が、結末を大きく左右する事になるとは、思ってもいなかったのである。
直也は、作戦の朝、優子に言ってくると、普段通笑顔で家をでるのである。とにかく
生まれてくる子供の為にも頑張ろうと気持ちをいれるのである。
朝出社すると、デスクの上に午前会議が入り、午後から出社すると、メモ紙が机の上に
置かれてあった。佐伯がいないのであれば、午前中に作戦を進める事が出来ると思うが、
これが、罠の可能性もあるので、最大限注意しようと考えるのである。
普通に店をオープンさせた。そこに森原がやってきた。
<森原>
・副店長!午前中店長いなくて作戦結構上手くいきそうですね?と声をかけてきた。
作戦は、前に相談した通りと内田からも聞いているので、頑張りましょう!
<直也>
・そうだな!都合よく佐伯が会議でいなくてよかったよ。森原悪い!早速だが、内田をレジの経費決済発注書を渡すから事務所に来てくれと伝えてくれ!頼む!
森原が、作戦の確認に来た事は、話の内容から分ったのである。
<森原>
・わかりました。内田を事務所に行くように伝えます。あっ?副店長?コピー忘れずして下さいよ?ばれない場所に隠して下さいよ!
<直也>
・わかった。ちゃんとコピーして隠しておくから安心しろ!心配してくれてありがとう!コピーしたのも俺のデスクの中の売上管理表ファイルに挟み込むから大丈夫だ!
<森原>
・内田を呼んできますね。
副店長!ちょろい!コピーの隠し場所簡単に教えるなんて!意外と単純だなと心の
中で笑いが止まらない森原である。
レジに行った森原は、内田?副店長が経費決済発注書を渡すから、事務所まで来てくれと呼んでたよ?
<内田>
・わかった。すぐ行きたいけど!でも!レジのもう1人今トイレに行ったから、悪いけど、
すぐ帰ってくると思うから、森原レジにいてくれない?いい?
レジに森原が来るのを分っていたので、内田は、レジのもう1人をトイレのゴミを捨て
て来てと、予め頼んでいたのである。森原をレジに釘付けにする作戦であった。
<森原>
・いいよ!少しの間なら?発注書おいたらすぐ戻ってくるのだろうから、副店長待てるから早く行って来いよ!森原の頭の中には、もう昇格の事しかなかった。裏切りより自分の欲だけが先行していた。今日の計画を店長が戻ったら、内線で伝えれば、俺の任務は終了で昇格!昇格!と浮かれるのである。
<内田>
・行ってくるね?レジお願いと言って、事務所の副店長の所に、白紙の経費決済発注書を持って行くのである。副店長お疲れ様です。発注書持って来ました。
それと別枠で、注文する個数です。で?どうすれば?今、森原にレジは頼んできたのですが、ただ置いてくるだけだろと言われたので、あまり時間はありません。
<直也>
・ありがとう!内田!個数は俺が今書くから、お前は、間違わないか脇で見てくれな?
書き終わったら、2枚コピーして、1枚は内田が隠し持っていてくれ!もう1枚は、俺のデスクの中の売上管理表ファイルに挟み込むからさ!よし個数いれたぞ、現場責任者の俺のフルネームと㊞をおしたから、後はレジの発注責任者、内田の名前を書いてくれ!㊞も忘れるなよ!書いたら2枚コピー頼む。
<内田>
・副店長!個数も私の名前と㊞もOKです。今コピー2枚しました。
でも!個数は私が書いても良かったのではないですか?
<直也>
・原紙は、佐伯にあげるからさ、内田はコピーなくさないように保管頼むな!この売上管理表ファイルに挟んだ1枚のコピーはなくなるから、森原に隠し場所は、あえて教えてあるから。個数を俺が書いたのは保険だよ!保険!念には念をいれないといけないからな!内田そろそろ、レジに戻れ、怪しまれると大変だから!ありがとう!
コピーは絶対森原にはみつかるなよ!それと佐伯と森原が行動し易いように、店終ったら、残業しないですぐ帰るぞ!いいな!
<内田>
・わかりました。コピーした発注書は、制服のポケットにいれて、レジに戻るのであった。森原「ごめん」ありがとうと声をかけると同時くらいに、レジの子が帰ってきたので、ちょっとだけ、更衣室に行ってくるとレジから離れるのである。
<森原>
・内田に副店長との進みぐあいを再確認しようとしたが、更衣室に行ったので、まあ~
いいかと思いながら仕事に戻るのである。
*内田は、コピーした紙を更衣室の自分のロッカーにいれたのである。また、森原は、
午後から店長が出社したら、コピーの隠し場所を店長に伝えれば任務は終了するのである。そして、直也は、佐伯のデスクの上に、レジの経費決済発注書をおいて、通常業務にもどるのである。午後14時過ぎに佐伯が帰って来て、店舗を1周すると、森原に、目で合図を送り、指3本立て内線を3分後に寄越すように合図する。
森原は、3分後内線する。
<佐伯>
・お疲れ様!佐伯だ!簡単に説明しろ!
<森原>
・お疲れ様です!例の物は、副店長のデスクの中の売上管理表のファイルの中に、挟さんであります。後はお願いします。
<佐伯>
・ご苦労様!よくやった森原!あとは俺に任せておけ!
*そして閉店後、内田は仕事を終えると、すぐ帰るのである。直也も内田より、30分遅れて、佐伯に断り、帰宅する事にした。勤務時間は終了していても、店長より早く帰ることなど、あり得ない!何か小言を言われることを覚悟して、直也は、佐伯に「用事があるので先に帰ります」と伝えると!2つ返事で「お疲れ」とだけ言われた。やはり、
俺が残っていたら、邪魔だよな?と思いながら、帰宅するのである。2人が帰宅したのを確認した。もちろん他の社員も帰宅したのも確認。森原は、佐伯の居る事務所へと行く。佐伯は自分のデスクにあった原本の数値の改ざんをして、コピーを処分して証拠隠滅を図る完璧な作戦である。佐伯は、森原に指示を出す。
<佐伯>
・森原!副店長が隠した、コピーデスクからお前が探せ!
<森原>
・えっ?店長?が探して処分してくれるのではないのですか?
<佐伯>
・俺は、原本を改ざんするから、コピー探しは、手伝ってくれ!
昇格したいのだろ?それと、探すときは、ばれないように、慎重に抜き取れよ!
<森原>
・「はい」わかりました。あっ?店長!デスクに鍵がかかってます!どうしますか?
<佐伯>
・ちょっと待て!そんなの計算済みだ!社員のデスクの鍵もおれの管理だ!この合鍵であけろ!
<森原>
・さすが!店長!と合鍵を受け取り、直也のデスクの売上管理表ファイルに挟んであったコピーを抜き取った!店長これ?どうします?
<佐伯>
・俺が自宅で燃やすから寄越せそのコピーと言って、コピーを受け取る!
売上ファイル元に戻して、鍵かけて、合鍵返せ!それと、森原!本当に、副店長
はそのコピー1枚だけだな?間違いないな!
あいつは、用心深いからな!本当に大丈夫だな?森原!
<森原>
・え~?そんな事急に言われましても!多分1枚かと・・・。
あっ?ちょっと待って下さい!店長って?もしかして、女子更衣室の合鍵などありますか?
<佐伯>
・ん?なぜ?女子更衣室の合鍵など欲しいのだ?持っている事は持っているが、プライベートの変な趣味で、合鍵を渡すわけにはいかないぞ!さすがに、女子更衣室の合鍵は、渡せないぞ!
<森原>
・そうじゃありません。そう言えば、思い出したのです。内田が午前中に副店長に発注 書を持っていった後にレジに戻ってきてすぐ、更衣室にいったので、もしかしたら、内田も1枚コピーを持っている可能性があるかもしれません。だから、念の為確認した方がいいと思うのですが?
<佐伯>
・それなら!女子更衣室のロッカーの中なら、探すときは、かなり慎重にしろよ!女性は、感がいいから少しのずれも敏感に気付くからな!ほら!これが内田のロッカーの合鍵だ!とにかく最善の注意をしろよ!それと女子更衣室の電気はつけるなよ!いいな!お前ペンライトあるよな?それで探せ!
<森原>
・わかりました。とにかく注意して探します!女子更衣室に入るのは、凄くドキドキする森原である。内田のロッカーを見つけ、あけるがやはり施錠されていた。合鍵でロッカーを開けてペンライトで照らしながら、ロッカーの中を探す!すると奥の方にポーチがあった。中を確認すると、折り畳まったコピーを見つけた。
あったこれだ!とすぐポケットにコピーをいれて、ロッカーの鍵を閉める時に、慌てて締めたときに、何か引っ掛かった気がした。でも気のせいだと思い、女子更衣室を後にしたのである。事務所に戻った森原は、店長やはり内田のロッカーにも1枚コピーがありました。
<佐伯>
・森原でかした!よし!これで副店長は、お・し・ま・い・だ!
そのコピーも俺が処分するから寄越せ!俺も数値を改ざんして本社にFAXした!
店長欄の直筆のサインはせず、数値だけ改ざんしたのである。
照らし合わせようにも、コピーを処分すれば、改ざん証拠はないし!これで 完璧だな!更衣室もばれないようにしてきたのだろうな?
<森原>
・さすが店長!微力ながら力になれて光栄です。更衣室も大丈夫です。ばれません。
*直也が念には念を入れて、2枚コピーしたのも佐伯の手に渡り、処分された。これで、
改ざんされた証拠もなくなり、ピンチとなる直也なのである。
そして、佐伯が改ざんした発注書を本社にFAXしてから3日後の事だった。佐伯が仕組んだ、改ざんが本社から通達が入り、上層部まで飛び火してしまい店舗の役職者への責任問題とまで発展して、重大問題になった。それもそのはず、通常経費発注は、10万までであるが、改ざんにより1000万の発注がなされ、備品が本社に入荷という前代未聞の大事件となったのだ!それにこの備品は返品が出来ないから、会社の損失は大きいのであっつた。佐伯の数値改ざんも一桁間違っての改ざんで、思いもよらない事態になったのだ。この重大案件に対して、本社より専務が面接にくる事になった。そうとも知らず、3日後の朝、直也は、普通に出社したのであった。
そこで・・・。佐伯から・・・。




