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身長差50cmの恋  作者: Last Life
70/72

第70話 内通者は誰だ!新たなる作戦。

*社員面談の初日の朝が来た。直也は、新しい家族が1人増える事になり、気持ちに気合が入るのである。優子からプレゼントで貰ったシャーボをYシャツのポケットに差込お守りとして身に付けたのである。

 朝礼後、佐伯からこの順番で面談する!会議室に通せと順番表を渡される。10分後からスタートするとだけ言い、会議室に向かう佐伯!

 何かあまりにも静で不気味にさえ感じるのである!午前3人・午後3人の予定だ!

 森原は、午前最後で内田は、午後トップか!とりあえず状況を見守るしかないと思いながら、面談がスタートした。

 

 直也はなぜか、時計ばかり気になる。2人目までは、特に普通の面談で、時間も1人30分だが、10分も早く終わり、森原は、20分も前倒しで始まる。

 だが、ここから思いもよらない展開が待ち受けているとは、誰もここまでは、思わなかった。森原が面談前に、直也のところに来て、副店長面談に行ってきますと伝え、会議室に向かうのである。森原が会議室のドアをノックする!「トン・トン」

 どうぞ!入れ!と中から声が聞こえる。


<森原>

 ・「失礼します」佐伯店長宜しくお願いします。


<佐伯店長>

 ・森原!早く座れ!お前、この前の演技は、中々良かったぞ!森原が副店長の見方と思わせる事が出来ただろ?それが俺の狙いだから!ただ!内田が出しゃばってきたのが、想定外だったが、今の状況を簡単に教えろ!


<森原>

 ・状況を説明する前に、店長?俺の昇進の約束は、大丈夫ですよね?かなりリスクあるので、協力後は、必ず約束はお願いしますね!


<佐伯店長>

・任せろ!お前の人事は俺が握っているから、俺の右腕で行動してくれたら、将来は約束するから安心しろ!それに、お前に話聞くために、他の2人は10分ずつ面談を早く終らせたのだからな!早く状況を説明しろ!


<森原>

 ・まず!副店長は、俺と内田を信用しております。今は、店長に情報を出す内通者が社内にいると疑っております。便器の汚れの件で、協力者が絶対いると思ってます。

 勿論便器を汚したのが、俺だという事も気付いてはいません。

それと、佐伯店長が、副店長をおとしめる前に先手を打つ話になりました。

 内容は、レジの備品経費発注決済の個数改ざんを店長がしてくるのではと?思ってます。

 最終決済は、店長だから、そこでミスを誘い、副店長をおとしめるだろうと

 3人で話し合い予測しました。そこで、副店長に上がってきた決済書類㊞を押して店長に回す前に、コピーして、副店長が店長に改ざんされても分るように隠しておくそうです。それは不正ですよね?店長の不正を叩くつもりです!ただ、店長がその書類を改ざんしてしかけてくるか分らないので、しかけてこなければコピーを処分すればいいと言ってました。


<佐伯店長>

・なるほど!リスクはあるが、不正で俺を叩こうとしているわけだな!

 それなら、そのシナリオを上手く活用して、逆手の逆手をとるか!

 協力者が森原なのに、何も知らない馬鹿な奴だな!

 森原は絶対内通者と気付かれるなよ!まさか、本社研修で俺が担当して、森原と接点が

 あるとは気付いてはないよな!他店に勤務しているときの話だから、分るはずはないな!お前の任務は、副店長が俺に決済書上げてくる前にコピーした紙をどこにしまうか聞いておけ!俺が、処分する!そうすれば、証拠は残らないだろ!

 証拠を処分して、俺が数字を改ざんすれば、全て現場責任者の副店長の責任と言う逆手のシナリオだ!この件が上手くいったら、副店長には責任取ってもらい、降格人事で、田舎の小さい店舗にでもいってもらうか?どうだ!森原!


<森原>

・逆手の逆手ですか?店長も中々やりますね?俺が副店長に接触して、上手くコピーした書類の隠し場所を聞いておきます。聞いたらどう?報告すればいいですか?コピーを処分さえ出来れば、証拠はなく店長の完全勝利ですね!わかりました!


<佐伯店長>

 ・紙に書いて残すと、証拠になるから、電話内線で連絡寄越せ!そうすれば、わかないからな!それでいいだろ?お前の面談は終了だ!午後は13時スタートと伝えておけ!


<森原>

 ・わかりました。店長!昇進!の件!お願いします!   

  

*内通者が!森原本人!副店長と内田への裏切り!ここまでしてでも、昇進したいのか!

 人間の欲!モンスターがモンスターを作ろうとしているのだ!

 内田は、13時からの面談の為、早めの食事を取る為、事務所に向かっていた!

 会議室の廊下を横切ろうとした。その時、目に入ってきた光景が、会議室から出て来た森原に内田が声を掛けようとすると、店長も一緒に出てきて、その時の2人の顔は笑顔で、「そういう事で、頼むな」と肩をたたく様子が見えて、内田は、慌てて身を隠した。時計をみると、あまりにも早い面談時間、どう見てもあの2人ちょっと、おかしいと感じるのである。森原には声をかけず、内田は、お昼を食べながら、店長と森原の事が凄く気になるのである。直接森原に聞けば早いのだが、もし万が一森原が店長と繋がっているとすれば?まさか森原が?いや!そんな事はないよ!私の考えすぎだよねと自分に言いかせた内田は、午後の面談に行くのである。


<内田>

・会議室の前に立ちノックする「トン・トン」


<佐伯店長>

・「入れ」!と中から声が聞こえる。

  

*佐伯は、副店長と内田が組んで、自分をおとしめようとして居る事は、森原から聞

いて当然知っている。だがここは疑われないように、あえて副店長を上司として期待しているように内田には思わせる発言をする。


<内田>

・「失礼致します」宜しくお願いいたします。


<佐伯店長>

・座りなさい。君はレジの内田さんだね!この前整列した時に、発言してくれた人だね。

 自分の意見をしっかり持っていて、仕事に対しても一生懸命努力していると副店長か

ら聞いている。副店長の指導が出来ているのかな?

この前、副店長には皆の前で厳しい言い方をしたのだが、彼を期待しているからこそなんだ!内田さんくらい意見をしっかり持っている人なら、その辺は理解出来たとは思うが、どう感じた?


<内田>

・えっ?副店長が、私をそんな風に見てくれていたのですね?副店長は、皆に厳しい分

 自分にも厳しい人です。私は、まだまだ未熟ですが、副店長の指導に不満はありません。

 店長は副店長の事を期待しているから?だから、あんな厳しい言い方したのですね?

 期待している人には厳しくすると言うのは、私もよく耳にする事があります。

 

<佐伯店長>

・店長の立場は、まあ~嫌われ役だな!けど!内田さんが言う通り、期待しているからこそ厳しく出来る!鬼の役目だな!副店長には期待しているし、もちろん内田さんにも期待しているからね。


*佐伯は、内田との面談はとにかく副店長には期待しているから厳しい言い方をしたと思わせることが1番の狙いであり、副店長との過去の恨みなど一切ないと内田に思わせることさえ出来ればそれでよかったのであった。

内田もまた、佐伯店長との面談を追え、自分を褒められて嫌な思いをする人はいない

しかも、副店長が言う、昔の恨みなど本当にあるのか?疑問さえ思えるのであった。

本当の心はどこにあるのか、若い内田には???が頭を過るのである。

そんなこんなで残りの時間は、たわいも無い話をして、店長のいい人ぶりで面談は終った。そして閉店後、社員は全員帰り、店長と森原も会社から帰ったのを見計らって、事務所に行き、副店長に、内田が話しかけるのである。


<内田>

 ・お疲れ様です!副店長!お話があります!宜しいですか?


<直也>

・内田!お疲れ様!いいぞ!話は?なんだ?森原はいないのか?そこに座れ!

  

<内田>

 ・今日は、私だけです!話は、その森原の事と今日の面談の事で伝えたい事があります。

  宜しいですか?


<直也>

・森原の事と面談の事?話してみろ!


<内田>

 ・「はい」今日私がお昼に入ろうと会議室の前を横切ろうとした時に、店長との面談を終えて、出てきた森原に声を掛けようとした時に、店長も一緒に笑顔で出てきて、「そういう事で、頼む」と店長が、森原の肩をたたく様子が見えたのです。私は、慌てて隠れました。どうみても、2人は前から知っているように見えたし、それに疑いたくはないけど、森原がもしかしたら内通者かもって?思ってしまったのです。その時、森原に直接聞こうと思ったのですが、副店長にこの話をしてからと思いまして・・・。

  それと私の面談の時に、店長は、副店長の事を凄く期待している話をされました。それに副店長が、私に対して期待しているとまでいわれました。副店長にこの前厳しくしたのは、期待しているからで店長は鬼の役目だとまで話していました。どう思いますか?副店長?


<直也>

 ・佐伯が内田に面談で、そんな話をした訳か。それは佐伯の作戦だな。きっと内田には、俺との関係をよく見せたかったのだと思う。それが狙いだと思う。

  そう考えれば、森原の内通者説も繋がると思う。きっと3人で相談した事を、佐伯に仕掛ける内容をリークして、こっちの行動を呼んでいると思う。それと内田には、佐伯が、俺に対して信頼があるようにみせかけるのが、佐伯の狙いで計算済みだと思うよ。内田には1つ教えておくよ!仮に森原が内通者だったとしても、敵を知るためにはまず身内から疑いを持つ事が大事だからな!内田をこれ以上巻き込む事は出来ないから、この件からは手を引け!


<内田>

 ・全て店長の計算済みだったのですね?私信じてしまって、上司から期待されているとか言われるとつい浮かれてしまって!副店長の言葉も店長の作り話だったのですね。

  私はすぐ流されてしまって!それは、それで、いい勉強をしたと思います!

  でも、今更手を引けと言われても嫌です!副店長は、いつも言いますよね?

  何事も「最後までやり抜け」とだから私は手を引きません。それに、森原が私は、

  許せません!


<直也>

 ・俺が内田に期待していると言った佐伯の言葉は、嘘じゃない!内田には期待している

  だから普段厳しくするし、それに今回の件もお前なら話しても大丈夫と思ったからだ!今更手を引く事は、いくら言っても頑固な内田は、聞きそうもないし!  

  次なる手を考えないと!


<内田>

 ・えっ?頑固?それは、上司が上司だから仕方ないですね?副店長譲りですよ!

  副店長!それと、えっ?私に期待してくれているのですね?ですよね?

  それで、次の手はどうするのですか?あまり時間ないですよ?  

  


<直也>

 ・こら!あんまり図に乗るな!頑固さは、俺譲り?内田!お前には負けるよ!

  そうだな!時間がないな!今思いつきで話していいか? 


<内田>

 ・私に勝てる人はいないので、副店長は大船に乗ったつもりで居て下さいね(笑)

  それで思いつきの新しい作戦は?聞かせて下さい!


<直也>

 ・内田に確認したいのだが、佐伯も森原も特に俺たちに対して、警戒している様子はなかったか?もしそうであれば、このまま、森原が我々の仲間のまま、佐伯と森原が繋がっている事が、俺達が気付いてない様に振る舞おう!その辺は、大丈夫か内田?


<内田>

 ・店長は、面談で感じた限り、店長と森原が繋がっていると私も副店長も気付いてないと思っているはずです。そうでなければ、色々と探りを入れてくるはずですからね?

  ただ、森原がどうかは分りませんが、あいつは、店長よりは鈍いと思うので、ほぼほぼ気付いてないと思います。それとも森原に探りを私入れてみますか?


<直也>

・佐伯に関しては、内田がそう言うのであれば、大丈夫だと思う。森原に関しては、探りはいれるな。どこでどう足がつくか分らないからな!森原は、俺の見立ては九分九厘気付いてはないと思う。確証はないが、佐伯との面談の後、店舗で挨拶されたとき、

随分機嫌がよさそうだったからな。普通は上司との面談の後で、しかも相手が佐伯で、

ついこの前、佐伯に物申した森原な訳だしな!あいつの挨拶の油断が逆に、佐伯と繋がっている確信になったよ!そこで、俺の新しい作戦だが、内田に3つ頼みがある。

1つ目は、絶対森原にはばれないように接する事!2つ目は、レジの経費決済の数値個数だけは、俺に記入させてくれ!記入して佐伯に上げる前にコピーする。3つ目は、

コピーは2枚して1枚は内田が保管してくれ!ただ森原にはばれないようにしてくれ!佐伯はどんな卑怯な手を使ってくるか分らないから、念には念を入れないといけないからな!森原が、トイレの汚れの件で俺を庇って、佐伯に物を申したのも最初から計算済みで、俺につかせる為の演技だったんだと今気付いたよ!


<内田>

 ・副店長分りました。森原にはばれないようにします。経費発注個数は、予め私が個数を前もって副店長にこっそりおしえます。13日の金曜日が勝負ですね?森原には絶対ばれないように進めましょう!



<直也>

・内田色々すまないな!迷惑かけるが宜しく頼むよ!


*こうして、直也と内田は、作戦決行の13日の金曜日になるのであった。

 果たして計画通り上手くいくのかどうか?


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