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身長差50cmの恋  作者: Last Life
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第69話 協力者からの逆襲提案と優子からの報告

*新年度のスタートの初日は、佐伯の着任で嫌がらせを受けて散々な1日であったが、2人の社員が、心配しお節介にも協力してくれたのが、髄一の救いであった。

 佐伯の今朝の行動は、決して1人では出来る事ではない!だが、誰が協力者か?

 現状店舗の社員が、本社の勤務だった佐伯と繋がりがあるとは考えにくい!

 とりあえず、考えても思い浮かぶ事がないので、今日の所は、帰宅して優子の手料理

でも頂くとするか!心配かけないように、明るく帰宅すると決めて自宅に帰る

 駐車場に車を停めて時計を見るともうすでに、23時になっていた。

 部屋を見ると、まだ灯りがついていた!優子の事だから、心配して起きて待っていて

 くれたのだと思いながら、部屋の鍵をあけて、中に入る。


<直也>

 ・ただいま!優子!遅くなってごめん!

  *灯りはついているが、優子の声がない!

   すると、茶の間で、テーブルの脇で横になっている優子をみた。何か様子が

   おかしい?

   優子!おい!どうした?体調でも悪いのか?おい!優子!

   目を覚まして!


<優子>

 ・あっ?直ちゃんお帰り!ごめん!寝てしまった!今夕飯用意するね!

  立とうとすると、フラフラする!


<直也>

 ・おい!おい!大丈夫か?体調いつから悪いの?食事は俺が自分で準備して食べるから!それより、休んだほうがいいよ!


<優子>

 ・ごめん!直ちゃんも店長変わって仕事大変なのに!新体制どうだった?

  体調は、1週間前くらいから、ちょっとだるくて!きっと色々結婚式とかあって

  疲れが貯まっていただけだと思うから!


<直也>

 ・そうか~?色々忙しかったから疲れからかな!念のため明日病院に行って診察して貰って!いいね?俺はついて行けなくて悪いけど!心配だからさ!

  診察して貰い何も無ければそれで良いのだからさ!仕事のほうは大丈夫!佐伯も

  昔と違って成長してやり易くなったよ!


<優子>

 ・そう?新しい店長さん!上手く仕事出来そうなら、良かった安心した。

  明日、病院で診察して検査して貰うよ。疲れから体調崩しただけだから、直ちゃんは安心して仕事に行って頂戴。それと、テーブルの上に私からのプレゼント!イニシャル入りだよ!いつも私が傍にいるから、お守りだと思って使って頂戴!じゃ~今日は休むね。おやすみ。


<直也>

 ・プレゼント?ありがとう!後で見せてもらうよ。

明日ちゃんと診察してもらいな。今日はゆっくり休んで!おやすみ!


 *直也は、会社の事は、優子に悟られないようにした。嘘付くのは気が惹けたが、

  優子の体調考えると余計な心配をさせたくなかったからである。

  それと、テーブルの上のプレゼントを開けてみた!手紙も添えてあった!

  本当は、転勤昇進祝いで渡そうと準備していたのね。店長さんが変わって直ちゃん大変そうだから、私がいつも傍にいるように、身から離さないシャーボにしたよ!Yシャツのポケットに挟むフックの裏側に、N&Yとイニシャル入れて貰ったから。お守りにしてね。それと皆と同じじゃつまらないから、通常のボールペンと違って、水に濡れても、字が滲まないボールペン特注で作って貰ったのよ!持っている人は数人程度しかいないと購入した店員さんから言われた!自慢できるよ!頑張れ直ちゃん!と手紙が添えてあった。直也は優子の気持ちが嬉しかった。

  

  翌日、優子は病院へと行く事になり、出社前に病院に送ってから、直也は会社へと向かった。何かあった場合は、電話連絡を寄越す約束にした。プレゼントの件も優子には「ありがとう」大事に使うよと伝えた。直也は、会社に向かう車の中で、内田の考えを聞いてから佐伯の対処をどうするか考える事にした。

  会社についた直也は、机の上にメモ紙があった。佐伯からであった。急遽会議が入ったから、今日は出社しないとのメモ紙であった。なぜか!ホッとする自分がいた。

  仕事をこなして、閉店し、全員が退社した後、内田と森原が直也の元に来た。

  「お疲れ様です」副店長昨日の続きいいですか?

  「お疲れ様」いいぞ!ジュース飲むか?


<内田>

 ・そう言われると思って準備してきました。さあ~私が考えてきた事を話します!

  昨日私考えたのですが、やはり佐伯店長と繋がっている内通者が社員の中に絶対います!副店長にまた何かを仕組んでくると思うのです。その前にこっちから仕組んで、

  店長に自分がして居る事を反省させると言うのはどうですか?


<直也>

 ・そんなに佐伯は簡単じゃないと思うぞ!それに社員に佐伯と繋がっている奴が?

  それは、無いと信じたいけど、昨日の便器の汚れがどうしても気になるし!

  ただお前達には、リスクがあるぞ!


<内田>

 ・リスクは森原も覚悟しているから大丈夫です!そうでしょ?森原?


<森原>

 ・副店長!俺も覚悟は出来ています。内田はどんな作戦を店長に仕組む?

  厄介なのは社員の内通者だよな?誰か分からなきゃ、いくら作戦を立てても

  どこからか邪魔される。どうすれば?いいだろうか?


<内田>

 ・内通者の事は、リスクがあるけど、何か仕掛けないと内通者が分らないから、軽く

  仕組んで、内通者を割り出すのはどう?


<森原>

 ・いいかも!そんじゃ~!その作戦で!


<内田>

 ・何が!その作戦で!だよ!中味が無いじゃない!森原!あんたほんと怒るよ!

  森原に突っかかっても時間の無駄だから、私が考えたのは、業務決済の報告書だよ!レジとかだと翌月の備品経費発注決済は、月中決済でしょ?それを上手く使うのはどうかと?レジは私から→副店長→店長の順番でしょ?レジの備品は、どの店舗も10日までには、副店長にあげるルールだし!店長が何か仕掛けるとすると絶対に副店長→店長に決済依頼を出すタイミングが1番仕掛けやすいと思うのですよ!

  何か決済書の中味を書き換えるとか、やりやすいと思うの!どうですか?

  副店長?


<直也>

 ・ん~?どうだろ?佐伯がそんな子供騙しのような事をするだろうか?

  疑問に思うけど?

<内田>

 ・そこですよ!副店長!初歩的なミスを付くのには持ってこいのはずです!だから、

  店長は、そんな子供騙しなどするはずないと油断させるはず!そこを逆手にとるのですよ!森原はどう?思う?


<森原>

 ・縦割りの決済ルールがあって、初歩的なミスをついてくるなら、持って来いだと俺も

  思うよ!でも!どういう手を仕組んでくるか?考えないといけないよな?

  店長の立場で、副店長をおとしめるなら、内田はどうする?どんな手を使うか?

  店長の立場で考えないといけないな!副店長に責任を押し付けるのに打ってつけの

  手だと何がある?


<内田>

 ・単純に考えると、私が店長なら、副店長をおとしめるなら、発注ミスを見逃して、経費額の増大発注が1番の突っ込みのネタだよね?と言うことは、通常に発注個数を副店長→店長に行き、店長→本社にFAXするまでのタイミングでの決済書改ざんが1番やり易い訳だ。でも!決済書は連番で、差替え失敗だと書損扱いで、決算書を店長が独断で差替えするのは不可能に近いし!そうか!わかった!発注個数の改ざんなら数字を書き変えれば可能だ!これなら可能かも!

  どうですか?副店長?


<直也>

 ・そうだな!内田の考えた事は、佐伯はやりそうだ!今の話に肉をつけるとすれば、

  内田から俺に回ってきた決済書は、俺が決済㊞を押したら、それを佐伯に回す前に、

  コピーしておけばいいな!俺が証拠として抑えておけばいいしな!何もなく終れば、

  そのコピーはすてればいいしな!しかしさ、内田お前よく考えられるな?感心するよ!その努力をもっと普段の仕事に使ってくれるといいけどな(笑)


<森原>

 ・内田も副店長もやっぱすげ~や!俺には到底かないませんな(笑)


<内田>

 ・副店長!私をいじめ過ぎですよ!まったく!とりあえずその作戦で行きますか?

  あっ?何かFAX来ましたよ!私とってきますね?

  副店長大変!各店舗明日から、2日間で店長が社員1人1人面談だって!どうしてこのタイミング?もういや!

<直也>

 ・仕方ないよ!俺は佐伯と仕事した事あるが、佐伯も皆もお互いを知らないから、店長が変わると必ずあるから仕方ないよ!これは恒例の本社命令だよ!

  とにかく、明日からは、この3人で接触するのは避けような!佐伯に感づかれるとまずいから念には念を入れような!何かある時は、俺から連絡をする!

  2人ともありがとう!いずれ経費発注最終期限は、15日が日曜だから、13日の金曜日だな!その時が勝負だな!内田・森原ありがとう!明日があるから帰ろう!


<内田>

 ・そうですね!13日の金曜日です!もう!不吉な予感ですよ!副店長!

  とにかく帰りますか?森原帰るよ?

  副店長お疲れ様でした!お先します!


<森原>

 ・「は~い」帰ります!お疲れ様でした!副店長お先します!


*こうして3人で佐伯に対しての作戦を考えたのであった。直也は内田と森原に感謝し、本当に社員の中に内通者など存在するのだろうかと疑問に思うのであった。とにかく明日からは社員面談だし、今日は優子の事も心配だし早く帰って結果を聞こうと自宅に向かうのであった。自宅駐車場について時計をみると21時50分だった。

自宅の部屋を見ると灯りがついていた。


<直也>

・「ただいま」優子!体調は?どうだった?大丈夫か?


<優子>

  ・お帰り。早かったね!心配かけてごめんね!「うん」大丈夫!

   今、御飯にするからね?着替えてきて!ねえ?直ちゃん!ビールでいい?


<直也>

  ・ん?ん?優子が体調崩して病院に行ったのに、俺がビール?今日はやめとくよ!

   と言いながら茶の間に行くと!何?あれ?今日って?

   どうしたの?このご馳走?俺、何か?記念日?あ~ごめん!優子!

   わかんない!本当にごめん!わかんないわ!

   出逢った日? 付き合った日? 結婚した日?はこの前だし!

   謝るから許して!優子!

<優子>

 ・ちょっと!ちょっと!直ちゃん!謝らなくていいの!今日は、記念日でも何でもないの!ただ、来年からは、毎年記念日になる日だから、ご馳走にしたの(笑)


<直也>

・ん??ん??俺には全然わからないのだけど?もう?もったいぶらないで早く

 教えて!あっ?もしかして、俺が昇進出来なかったから、残念記念日?励まし会?

  それでご馳走?


<優子>

 ・何で昇進できなくて、ご馳走作る奥さんが日本中探してもどこにもいないよ!残念記念日で、ご馳走などありえないよ!そんな事でご馳走にしていたら、家の家計はすぐ倒産いたしますよ(笑)直ちゃんは、まったく仕事人間だね!

  あのね!今日病院で検査したら、「おめでた」だって! 

     

<直也>

 ・そうなの?おめでたね?えっ?えっ?ちょっと?ちょっと?待って!

  何?何?おめでた?本当に?本当?


<優子>

 ・そうなの!直ちゃんがパパだよ!私がママだよ!記念日でしょ?

  私ね。私ね。ママになれる!ママに!私達の「あかちゃん」がこのお腹にいるのだよ!

  こんなに嬉しい日はないでしょ?涙を流しながら喜ぶ優子!


<直也>

 ・俺達の「あかちゃん」が、優子のお腹にね!我慢できず目頭を押さえる直也!

  今日は、最高の記念日だな!良かった!そうか!俺がパパか!


<優子>

 ・それでね!直ちゃんに1つお願いがあるのね!この事は、しばらくは2人だけの

  秘密で停めていて欲しいの!この子が私のお腹の中で順調に育ち安定するまでは、

  黙っていて欲しいのね!先生は、大丈夫とはいっていたけど、少しの間は内緒にしていて欲しいの!わがまま言ってごめん!


<直也>

 ・わかった!当分の間内緒にしておくよ!

  直也は優子の気持ちが痛いほど分った。自分の両親に優子を紹介した時に反対された

  原因の一つに孫の顔を見る事が出来ないだろと言われたこともしっかり覚えている。

  だから、優子はきっと俺を気遣い万が一育たなかった事も考えて、安定するまでは、

  秘密にして欲しいと言ったのだと思った。


*こうして、優子のお腹には新しい命がやどり、直也は生まれてくる子供の為にも頑張

らなきゃいけないと改めて思うのである。

  プライベートは、神様から子宝を授かり気持ちが入るが、仕事の方は、問題だらけで、

  心配が絶えない!でもこのタイミングで、子宝報告は、直也に力を与えるのであった。

  直也はまだ、見ぬ自分の子供に「パパ頑張って」と背中を押して貰った気がしたのである。


明日からはじまる社員面談!そして、人の恨みは怖いもの!

佐伯は何を仕組んでくるのか?直也の運命はいかに!

そして、内通者は・・・・?


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