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身長差50cmの恋  作者: Last Life
68/72

第68話 立場が変われば態度も変わる新店長からの復讐

*新天地で仕事も新婚生活もスタートと思っていたが、転勤も昇格も無く、現状維持の

まま新年度の4月が間もなく始まろうとしていた3月末に佐伯店長が、引継ぎで店舗に来た。引継ぎを終えた佐伯店長が、副店長である直也を会議室に呼ぶのであった。

ノックをして会議室に入る直也「トン・トン」どうぞ、入って下さいと声が聞こえた!


<直也>

・「失礼します」と会議室に入る。

 ご無沙汰しております。4月から宜しくお願い致します。 


<佐伯>

・「どうも・どうも」直也先輩!いやいや、副店長さん!あの時依頼ですね?直也先輩!

 先輩のお陰で、店長として先輩と働く事になりましたよ!俺が店長で来たからには、厳しく仕事させてもらいますから、覚悟して下さいね!


<直也>

・一緒にまた仕事が出来るとは思ってもおりませんでした。こちらこそ、宜しくお願いいたします。

 心の中で、佐伯の奴、完全にあの時の事、根に持っているな!悔しいが上司である以上我慢するしかない!


 <佐伯>

 ・副店長!立場変われば、随分態度も変わるのですね?「鬼直」の名が泣きますよ!

  ところで、ちょっと私に着いて来てくれますか?

  

 <直也>

 ・立場変わればとは?どういう意味ですか?「鬼直」?何ですか?それは?

  着いて行く前に、教えて頂けます?


 <佐伯>

 ・仕方ないですね?ですが・・・。上司に質問して来る時は、教えて下さい。お願い致しますでは、無いのですか? 副店長が昔、私に教えた事ですよ!忘れたのですか?

  まあ~今回は、許しますが今後は注意して下さい!それと!「鬼直」ですか?

  あなた本当に幸せな人だ!あなたのあだ名だよ!あだ名!もう!いいだろ!

  時間の無駄だ!俺に着いてこいって!俺は、暇じゃねえから!

 *あだ名は昔自分が、広げたくせに、それに昔の恨みを自分の今の地位を使って、直也への攻撃としかいえない佐伯の態度なのである!


<直也>

・正直、佐伯の言い方には、頭にきたが、今はとにかく我慢しかなく!

 「申し訳ありませんでした」今後注意いたします。

 「鬼直」が私のあだ名?知りませんでした。

 とだけ話して、佐伯の後をついていった。


 佐伯のあとを着いて行くと、すると・・・・。

 男子トイレの前に立つと・・・・。


<佐伯>

・副店長!明後日俺が、着任する日に、朝礼をこのトイレの前でする!店舗の従業員

 全員出社させ、朝礼5分前にはここで待っているように!いいな?副店長?


<直也>

・えっ?トイレの前で朝礼ですか?事務所もありますが?


<佐伯>

・お前誰に口聞てる?俺がここでやると言ったら、ここでやる!わかったか!

 俺に口答えするな! 黙って言われた通りすればいいんだよ!

 じゃ!俺本社戻るわ! 


<直也>

・申し訳ありません!わかりました!


*佐伯はそう話すと足早に本社へと帰っていった。直也は、完全に当時の事を根に持って

 居る事が今日の会話でよくわかった。明後日トイレの前での朝礼はいったい何をさせる

 つもりか?頭を悩ます直也なのである!

 考えても答えは出ず、深い意図はないよなと自分に言い聞かせながら、佐伯が着任する当日を迎える事になった。


 佐伯が着任する朝は、1時間も早く自宅を出ると優子に話していた。優子は、朝早くに起床して、お弁当を作って持たせてくれた。理由は分らないが、直也がピリピリして居る事は、気付いていたが、優しく送り出す優子であった。

 1時間も早く出社した直也は、店舗を見回り、指摘されそうな所を再度チェックして、

 最後に事務所内をチェック!そして、トイレの前に立ち腕組みして、考えた!なぜ?

 この場所で?トイレ掃除も毎日完璧にさせているし、佐伯はなぜ?ここで朝礼を?

 その意味を考えるが、答えは出ないのであった。そんな事を思っている時の時間経過は

 早く、社員も出社してきて、朝礼15分前となった。

 社員は、全員揃い事務所で待機していた。すると、佐伯が事務所に入って来た!

 「おはよう」と言いながら、自分のデスクにカバンを置き、椅子に座ると、副店長!

 ちょっと!


<直也>

・「おはようございます」店長。今日から宜しくお願い致します。

 

<佐伯>

・一昨日の話覚えているな!朝礼5分前には、トイレの前に全員整列させろ!いいな!


<直也>

・「はい」5分前には整列させます!と話、自分の席に戻る。


*時計を気にしながら、朝礼10分前になり、直也が皆、トイレの前に移動して、

 整列してくれと事務所にいる社員に伝えて、移動を開始させる。

 時間が過ぎ定刻の5分前になった!全員整列させた!だが、佐伯は、来ない!

 朝礼開始間もなく1分前にやっと、佐伯がきた!

 すると!佐伯からの第一声が!

 「おい」この店の副店長は、いったい誰だ?と怒り口調で整列している社員の前で声をあげる!


<直也>

・手を上げて「はい」私が、副店長です!と前に出る!


<佐伯>

・お前さ!副店長なのに、朝礼5分前になっても、俺を迎えにも来ないのか?

 整列させろとは言ったが、迎えにこいとは言われてないとか、言い訳しようとはしないよな?俺達の仕事は、客商売だ!内輪でも気遣いも出来ない奴が、お客に気遣いが出来ると思うか?そこのレジの女性「内田さん」答えてみろ!君の意見でいいから聞かせて

 くれ!


<内田>

・「はい」私の意見は、佐伯店長と一緒で、内輪の気遣いを日頃出来ていれば、お客様にも

 当たり前に出来ると思います。


<佐伯>

・だとよ!副店長!お前さ、役職者だよな!自ら整列しましたと俺を呼びに来るくらいが普通じゃないのかよ?まったく!気遣いが足らねえ!

 

<直也>

・「申し訳ございません」今後注意いたします。


<佐伯>

・それと、副店長!なぜ?トイレ前に整列させたか分るか?お前さ!トイレ掃除をどう指導している?便器が汚い!便器が!ちょっと見てみろ!何だ!このタバコの吸殻は?

 

<直也>

・えっ?お言葉を返すようですが、そんなはずは無いです!私、朝全部チェックしましたから・・・。汚れているはずはないはずです。


<佐伯>

・反論するなら、これ見てみろ!ほら!お目目よく開いて見てみろ!どこをどう掃除すれば?こんな汚い便器になるのだ!それにさ!お前が汚れてなかったと言い張るのなら、ここに居る社員皆を疑う事になるのだが、それでいいのか??答えろ? 


<直也>

・私は、社員を信じます!


<佐伯>

・なら可笑しいだろ?まだ、店は開いてないし、お客がトイレを使う事はないし、社員か?

 お前の見間違いか?どっちかだろ?でもお前は、社員を信じると言った訳だ!

 だから、お前の見間違いだったと言う事だ!昨日閉店後のトイレ掃除は、ここにちゃんと掃除終了のサインされているじゃないか!これは適当なのか?


<直也>

・適当ではありません!ちゃんとルール通みんなやっております!

 納得はいきませんが、私の見間違いと思います!

 *直也は、佐伯の嫌がらせとしか思えなかった!朝間違いなく、トイレは汚れてはいなかった!くそ~何が起きている!ここで、切れたら俺の負けだから、ここは我慢しようと考える!


<佐伯>

・認めたな!まあ~誰でも間違いはあるからな、仕方ないさ!現場責任者の副店長に、

 この件を責任とってもらうとしますか?

 みんなよく見て置けよ!トイレ掃除の仕方を!確か!副店長!素手で便器を吹くのが

 トイレ掃除の基本と昔の先輩から教えられたのですが?記憶違いでしたかね? 


<直也>

・トイレ掃除を致します。便器を素手で吹くのではなく、素手で触れるくらい綺麗に掃除

 しなさいと昔教わりました!


<佐伯>

・俺は素手で掃除しろ!と教わったのだから!つべこべ言わず、掃除しろ!


*ここで、あまりにも酷い状況に、社員の森原が、店長?あのトイレ掃除は、

 副店長が話した通り、素手で触れるくらい綺麗にするのが今の基本マニュアルで

 本社からも通達で案内来ております。佐伯店長も本社にいたのであればご存知かと

 思いますが・・・。それと、オープン準備しないといけないので、掃除も皆でした方が

 早いと思うのですが?店長はどう思います?


<直也>

・森原「ありがとう」いいのだよ。俺がするから!

 

<佐伯>

・副店長!森原が言う通り、だったかもしれん!ちゃんと掃除しろ!

 今日の所は、皆で掃除しろ!俺の挨拶は閉店後でいい!

 掃除して、さっさとオープン準備しろ!俺は事務所で仕事するから!普段通、仕事しろ! 

森原の発言で、副店長への攻撃をやめる佐伯であった。


*佐伯は、事務所に行き、皆で掃除しオープン準備して、仕事が始まった。

 レジの内田さんが、直也に声をかける!副店長朝は、「申し訳ありません」

 まさかあんな風になるとは、思わずすいませんでした。

 気にするな!内田が答えた事は、間違ってないから自分を責めなくていいよ!

 そこに、森原も来て、副店長は店長と何かあったのですか?森原、さっきはありがとう!助かったよ!ちょっとな!気にするな!さあ!仕事するぞ!と言ってその場を離れる。

 森原と内田は副店長の直也がとても気になり、後で、事情を聞いて、力になれる事は、協力しようと2人で話すのであった。

 夕方閉店後、佐伯店長の挨拶が夕礼の中で予定されていたが、急遽予定が入り、定時に

 佐伯は、退社していった。夕礼後、他の社員が帰宅したのを見計らって、心配になった、森原と内田は、直也の元に行く。


 副店長?ちょっといいですか?と森原が声をかける。

 すると・・・・。


<直也>

 ・お疲れ様!森原!内田!どうした?まだ居たのか?


<森原>

 ・副店長にお話が・・・。


<直也>

 ・どうした?2人揃って?もしかして、お前達結婚の報告にでも来たのか?


<内田>

 ・副店長!怒りますよ!何で私が、森原なんかと!しかも結婚だなんて!


<森原>

 ・そうですよ!俺にだって選ぶ権利あるのですから!何で内田と!


<直也>

 ・まあ~そう怒るな!でも怒るところ見ると満更でもなさそうだな?

  お似合いかと思うけどな!


<内田>

 ・ちょっと森原!ちゃんと話してよ!もう!男はだから駄目なのよね!

  あっ?副店長!言っておきますが、地球がひっくり返っても森原を選ぶ事は、ないですからね。って?そんな事は、どうでもいいですよ!

  副店長の事で、私達心配になったし、店長との事も気になって、仕事が手に付きませんでした。じらさないで教えて下さい。



<直也>

・話すよ!お前達2人には、負けるよ!悪いが内田、自販からジュース3本買って来て

くれよ!


 *内田がジュースを3本買ってきて、事務所の直也のデスクの脇に椅子を持ってきた。


<直也>

・佐伯との関係だな!あれは、俺が入社2年目の時に、俺は成績を上げて昇格したくて我武者羅に仕事をしていた。そんな時に、佐伯が新入社員で入社してきた。

 今の森原と内田には考えられないと思うが、仕事は、目で見て覚えろ!それに言葉遣い!

 縦割りが厳しくて!体育会系の俺は、上だけを見て、過剰と思われるほどの教育指導を

 佐伯にした!まあ~今で言うパワハラだな!きっとその時の事を根に持っているとしか

 俺には思えない!実際トイレの件もそうだ!当時は、トイレ掃除もろくに出来ない奴は、仕事が出来るはずがないとまで言われて、俺も新入社員の時には、何度も駄目だしくらって何回もトイレ掃除した記憶があった。教育指導を命じられる人は、上に行く近道でもあったから、指導係りに推薦された時は、認められているという優越感に浸れて、

 1日も早く1人前に育てると力がつい入ってしまうものだった。

 トイレ前の整列もトイレの汚れも最初から、佐伯が仕組んだ事だと思っている。

 俺が出社した時に、トイレのチェックしたけど、汚れなどなかった!

 

内田が質問された件も最初から、仕組んでいたことだと思う!佐伯を呼びにいかなった俺も悪いが、便器の汚れも社員を疑う事は、絶対無いと確信した上での内田への質問!

つまり、全部俺がかぶるように仕組まれた事で、最初から計算されていた事だよ!

あいつのやりそうな事だ!ただ、森原の発言は、佐伯にも計算外だったと思う!

ほんと助かったよ「ありがとう」!

ちゃんと話したのだから、2人はここまでだ!ここから先は、俺と佐伯の問題だから、

もう関わるな!いいな!


<森原>

・えっ?それって?トイレの汚れも、トイレ前の整列も全部!店長の計算だったのですか?

許せないですよ!根に持ち恨むのもどうかと?副店長そこまで分っているなら、戦いましょうよ!トイレの汚れも社員に協力者がいるはずですよ?誰か裏切っている?

探しましょうよ?全部店長のシナリオ通なら悔しいではないですか?


 <内田>

・森原が言う通りですよ!私も協力しますから、裏切り者を見つけましょうよ!

それに副店長を恨むのは、店長は間違っていると私は思います。今のポジションがあるのは、副店長が昔鍛えて、教育指導したからこそ今の地位があるのではないですか?

店長は間違っている!副店長私にも協力させてください。


<直也>

 ・お前達2人の気持ちは、嬉しいが巻き込むわけにはいかない!むしろ俺に協力したら、森原や内田にもかなり厳しい嫌がらせがあると思う。

  それに犯人探しをするつもりもない!もし犯人を暴いても、自分のしたことの重大さを自分で気付かないと正しい事が出来なくなり、自ずと佐伯のような復讐モンスターを生む事になるだけだ!モンスターは佐伯1人で充分だ!

佐伯からの見方は一変して、大変な事になるから、お前達はここまでだ!

  今話した事は、オフレコで頼むな!以上だ!


<内田>

・私に協力させてください。協力させてくれないなら、私会社辞めます!

副店長が決めて下さい!それに従います!


<森原>

・じゃ~俺も!協力させてください。協力させてくれるなら、俺会社に残ります。

 副店長が決めて下さい!


<内田>

・森原!あんたね!私のまねしないでよ!まったく男の癖に!女の後に言ってどうするのよ!まったく!


<直也>

・おい!内田!俺を困らせるな!お前達の気持ちだけで本当に充分だ!それに簡単に辞めるなんて口にするものではないぞ!


<内田>

・副店長!私!本気ですよ!今決めた事ではないです。実は、副店長が転勤する噂が社員の中であって、私は副店長が転勤したら、辞めようと決めていた。副店長は、厳しいし

口うるさいけど、でも私は、仕事に取組む副店長の姿勢がとても尊敬していたので、転勤したら一緒に仕事が出来なくなるから、辞める覚悟でいましたし!

  転勤なくなり、また仕事が出来るわけだし、転勤したと思えば、辞める覚悟くらいたいしたことないですよ!私が辞めていいなら協力しませんけど!

<直也>

 ・おい!おい!内田、お前な!どうして?あ~言えばこう言うし、困ったものだ!

  まったくその性格何とかしないと、彼氏も出来ないぞ!


<内田>

 ・もう!副店長の部下だから、中々でしょ?って?その性格って?

  副店長!酷い!パワハラだ~!やっといつもの副店長になってきた!

  じゃ!協力と言う事で!


<森原>

 ・あのお~!2人で仲良くお話中すいませんが、俺の事忘れてないですよね?

  俺も内田と同じで協力します!


<直也>

 ・2人ともありがとう!内田!お前には負けたよ!

  協力って、どうしたらいいか、まだ考えが浮かばない!


<内田>

 ・実は私にいい考えがあります!今日は遅いので明日まとめて来て、夜話します!

  また夜3人で相談しましょう!いいですね!


*こうして直也は、長い1日が終ろうとしていた!でも2人の気持ちは凄く嬉しかった!

 今期新体制の4月初日からこんなのでは?いったいどうなるのかと、思いながらも、2人の部下の協力を仰ぎ、佐伯店長との火花が飛びはじまったのであった!

 

 そんな時、実は優子にも身体の異変があったのである。3月末からなぜか!体調が良くない日々が続いていた。直也の転勤の話や引越しの件や結婚式の疲れなど色んな事が蓄積していたのかもしれない。忙しい直也には、中々言えずにいた優子だったが・・・。

 直也が帰宅後、優子の異変に気付くことになるのである・・・・。


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