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身長差50cmの恋  作者: Last Life
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第64話 家族と過ごす最後の夜


*直也と優子は、3ヶ月間禁酒しながら、背が大きくなるビデオのレッスンを2人で毎日努力して、優子の身長が3ヶ月で1cm伸びた翌日!お祝いで乾杯しようとした時に、直也の母からの突然の電話!偶然にもこの日に結婚の許しを貰い、Wの喜びになったのであった。ベランダで綺麗な星空の下、色んな想いが込み上げてきて、感極まって、喜びのあまり我を忘れて2人で泣き崩れた。

 予想もしていなかった急展開から、2人の人生のスタート地点である結婚に向けて、もう寄り道はせずに、真直ぐ時を刻んで行くのである。


 急展開から2週間後には、2人で直也の実家に行き、両親から正式に、結婚のお許しが出て祝福してもらい、直也と両親のギクシャクも解消された。

 その後、直也の両親が挨拶に行き、両家が結婚の準備へと進んでいくのであった。

 勿論、両家の両親に許可を貰い、優子の住んでいたアパートは、引き払い直也のアパートへと引っ越してきた。その時に、アパートの精算に大家の所に2人で行った時、大家から、今まで2年半も部屋借りて、こんなに生活観がなく、出て行く時にこんなに綺麗な部屋は見たことないとまで言われた。まあ~!2年半借りて、この部屋に優子が寝泊りしたのは、数えるくらいしかないから(笑)心の中でそう叫んだ。


 引越しは9月にした!そして結納が11月!結婚式が翌年の2月!と決っていた。

 実は、直也が会社の上司から、来年3月に転勤の内示を出されていたので、転勤前に式まで終らせたく、過密スケジュールとなっていたのである。

 結納が11月と言う事もあり、予め花嫁道具は、結納後そろえると決めていたので、優子は、荷物は最低限で、直也のアパートに引っ越してきたのであった。


 11月に結納!直也は当時、新車が欲しくて、お金を貯金していた。貯めたお金、120万

 結納金100万は自分で貯めたお金を出した。残り20万は、生活費と考えた。でもそんなに甘くはなかった(笑)優子が新婚旅行はハワイに行きたいと言われた。実は直也は、

 結納する半年前の5月に社員旅行でハワイに行ったのである。つまり!自分だけハワイはずるいという単純な理由から、ハワイに決定したのであった。当時2月のハワイ旅行は、金額が高く、2人で40万!つまり旅費は、割り勘で出し合う事に!

 これで直也の貯えは0円!にめでたくなりました(笑)優子の事だから、結納金は全部使わないはず、結納後花嫁道具を揃えた後に、ちょっと聞いてみた。優子花嫁道具全部でいくらかかったの?すぐ答えてくれた。70万くらいだったよ。

 じゃ~?って、言ったら、すぐ!返答が帰ってきた!これは、直ちゃんが私を買ったお金でしょ?つまり、私の物は私の物、直ちゃんの物も私の物になるのね。だから、残念でしたと言われた。そんなこんなで、優子はしっかりした嫁さんになると直也は改めて感じるのであった。

結納後、結婚式に向けての準備も忙しくなり、あっという間に結婚式の前日となるのである。


*優子は、結婚前日1人で実家に里帰りするのである。独身最後の夜を実家で過ごすのである。嫁に行く娘が両親に!そうお決まりの!勿論今まで育ててくれた両親への感謝を込めての挨拶!きっと両親は、私の前では一度も口にはしなかったが、身長が小さかった私に対しては、幼い頃からずっと悩んでいたに違いない。そんな両親の気持ちが分かるからこそ、人一倍幸せな結婚!お嫁さんになる事が、優子の夢であり、生んでくれた両親への親孝行とずっと思っていたのである。

実家に着いた優子は、今日が独身最後の夜かと幼い頃から育った実家を門の前で足を止め思い出の1ページを目に焼き付けるのであった。

  

 とその時・・・・。

  「よっ」?と後ろから、背中を押しながら、声をかけられる!

  「きゃっ・・・あっ」びっくりして後ろ振向く優子!

  ちょっと!アキちゃん!びっくりさせないでよ!


  (笑)何?何?独身最後か・・・とか?寂しいから、嫁に行く事やめようかとか?

   姉ちゃん!思い留まるなら、まだ間に合うぞ!


   アキちゃんはやっぱり馬鹿だね!そんな事思っているわけないでしょ! 姉ちゃんは、ただ、遠くの空見ていただけだし!

   

   姉ちゃん!嘘をつく事、下手だね!なんで?空見ながら、目から鼻水流す特技あった?(笑)何?例の儀式の予行練習?


   もう!ちゃかさないでよ!アキちゃん!怒るよ!そんな事どうでもいいから、荷物持ってよ!家に入るよ!


  「はい」「はい」姉ちゃん!荷物持つから!今日は、独身最後の晩餐だから、母ちゃんが、腕振ってご馳走作るからと朝言ってたから、今夜は期待できるよ!


  アキちゃん!馬鹿だね!母ちゃん腕振ってどうするの?それ言うなら、腕を振るうで

しょ?日本語の使い方まだまだだね!


ちょっと間違っただけじゃない!まあ~姉ちゃんの小言も今日で聞き収めだから、

まあ!許すよ(笑)玄関を空けると、「母ちゃん」姉ちゃん!帰ってきたよ!


  お帰り!母ちゃん今手が離せないから、上がって!と台所の方から、声が聞こえた。

  「ただいま」と言って、茶の間に荷物を置き、台所へと行く優子!

  母ちゃん「ただいま」お帰り優子!何か手伝う事ある?それじゃ~。取り皿とはしとコップ茶の間に運んでくれない!「うん」

  父ちゃんは?もう間もなく帰ってくると思うよ!そう!今日父ちゃん、会社休みだよね?お父さん朝から落ち着かないようでね。やっぱり、男親は、娘を嫁に出すのは、寂びしく、落ち着かないと思うよ!そういうものなのかな?

  男親は、世間一般そんなものらしいよ!噂をすれば!お父さん帰ってきた!

  優子、玄関まで行ってあげて。「うん」


  「父ちゃん」お帰り!おっ?優子!「ただいま」帰って来たか?さっき着いた所だよ!

  もう?食事出来たか?まだもう少しかかるみたいだよ!そんなら、優子!ちょっとだけ、父ちゃんに付き合え!「うっ」「うん」

  母さん?ちょっとだけ、優子と散歩してきていいか?いいわよ!あんまり遅くならないでね!10分くらいだから!風邪ひかないように、厚着して行ってよ!

  わかった!優子行こうか?「うん」


  優子の前を歩く父の姿は、何気に背中が寂しく感じる優子なのである!でもこの光景は、1人暮らしの許しを貰った時と同じで父ちゃんとの散歩は2回目だった。

  あの時も緊張したけど、今回は結婚式前日だし、何を?どう?話していいか、わからなくて、ただ父ちゃんの後ろをついていった。父ちゃんも優子に何を?どう?話していいか、分らなかった!父ちゃんとの独身最後の散歩だし、寂しい背中を見るともう気持ちを抑える事が出来ずに、優子は、父ちゃんの左腕に右腕を組んだ。すると、父ちゃんは、どうした?優子?「うん」明日の練習父ちゃんと歩く、バージンロードを歩く練習だよ!「明日の練習か」と言葉少なに話す!


  五分位は歩いただろうか?なあ~?優子?何?父ちゃん?そろそろ、帰ろうか?

  「うん」そうだね。歩きながら、聞いてくれな!「うん」

  優子「幸せになれよ」直也君と2人で協力して!「うん」

  それと、身体は大事にして、たまには顔見せにこいよ!「うん」

  あのさ!父ちゃん!私からもいい?

  さあ~!帰るぞ!優子!母さん夕飯作って待っているだろうからな!

  ねえ~!父ちゃん!私の話、聞てる?「うん」聞てるよ!

  優子!父ちゃんそれは苦手だから!優子が幸せになってくれたなら、それで満足や!

 えっ?でも~?父ちゃん!1度そんな風に言った父ちゃんが、面と向かって話しを聞

いてくれるとは思わないので、明日朝までチャンスを見つけて、ちゃんと挨拶しよう

と思う優子なのである。

母さん待っているだろうから、父ちゃん帰ろう!今日は、父ちゃんと飲むよ!いいよね?

あ~。そうだな!明日は式だからあまり飲んで花嫁が、遅刻して立たされんように(笑)

いくら飲んでも!遅刻なんてしませんよ~だ!それに学生でもないから、立たされる

訳ないでしょ?まったく父ちゃんったら!


 父ちゃんとの数少ない会話の中で、娘を嫁に出す父親が、寂びしいのだと優子は、感じ取るのであった。独身最後の夜に家族4人での食事も忘れられない思い出になるだろうし、両親への感謝の気持ちと新たな出発に期待を寄せる優子である。


 2人で家に戻ると、夕飯の準備は出来ていたのである。玄関から家に入るとすぐ、茶の間へと向かった。もうすでに、優子の弟(晃)は、座って待っていた。

 姉ちゃんも父ちゃんも遅いよ!もう!腹減って死にそうだよ!母ちゃんも座ってさ!

 1回乾杯しようよ!ほら、母ちゃん!


 「はい」、「はい」、もう晃うるさい!皆にビールついで頂戴!

 あれ?さすがに姉ちゃんは飲まないよね?

 

 え?なんでよ?私飲むわよ?アキちゃん何?バカな事を言ってるの?

 今日飲まなきゃいつ飲むのよ?

 

 明日花嫁になるのに、二日酔いになって、直也さんに呆れられるから、

 姉ちゃんは飲のやめた方がいいじゃないの?(笑)

 二日酔いで結婚が破談になるかもよ(笑)


 こら晃!ヘラヘラしてないで、早くビールつぎなさい!

 料理も冷めてしまうじゃないか!早くついで乾杯しなさい!


 母ちゃん!そんな怒るなよ!今日は姉ちゃんのお祝いだからさ!

 あっ?姉ちゃん!乾杯前に、一般的なあれ?やるよね?あれ?

 父ちゃん待ってるはず!

 

 えっ?何?あれって?一般的な?優子は、明日朝、両親に挨拶しようと思っていたので、

 晃に急にそんな事を言われて戸惑う優子なのであった。

その様子を感じとった、父は、「こら」晃!母ちゃんの言う通りだ!グチャグチャ言って

ないで、はようつげ!姉ちゃんも困っているじゃないか!優子いいから、今日は明日に残さないように、楽しく飲みなさい!晃に任せていると、いつまでも飲めないから、父ちゃんが、音頭とるよ!優子「結婚おめでとう」乾杯!


乾杯!乾杯!優子おめでとう!母ちゃんありがとう。

乾杯!乾杯!姉ちゃんおめでとう!アキちゃんありがとう。


*優子は、こうして独身最後の夜を家族4人で過ごすのであった。乾杯前に、父が優子の気持ちを悟ってくれた事は、とても嬉しかった。両親への挨拶は、お嫁に行く朝に祖父母の仏壇に報告してから、両親に挨拶すると決めたのである。

 独身最後の夜は、気持ちが高ぶり中々眠れないのである。直也と出逢ってから、今日まで、色んな事が沢山あって頭を過る。自分の力で勝ち取った幸せ!そんな事を思い浮かべながら、目を閉じる優子なのである。

 

そして、結婚式の朝・・・・。優子がみた光景は・・・・。



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