第六十話 突きつけられる理想と現実のギャップ
*優子の両親への挨拶の連絡が直也の実家から来なく、電話をかけると母から「優子との結婚を考えたら」の一言!しかも父さんも同じ考えと言う!その理由は、電話では答えず、直接父さんに聞きなさいの母の話に、直也は週末帰る事にする!
直也は、反対の理由は予測していた。だがどんなに反対されても、直也の気持ちは、絶対にぶれる事はなかった。優子の気持ちを考えると祝福されての結婚をする為には、必ず説得すると心に決め、両親との対決の週末を迎える事になるのである。
優子の気持ちは不安で仕方なかった。直也の前では絶対に見せないように努力するのが精一杯だった。今まで沢山辛い思いもしながら、直也だけを一途に思い続けて、やっと
結婚という幸せが手の届く寸前まできていた。トントン拍子に進んできていただけに、ここに来て直也の両親からの結婚の反対?どう考えても、私のコンプレックスが反対理由としか思えない優子なのである。自分を産んでくれて育ててくれた、お母さんへの感謝。頑固で不器用だけど私の事を思ってくれて、背中をおしてくれた、お父さん。そんな両親に幸せな結婚と花嫁姿を見せたい!でも反対されたら、結婚も駄目になるかもしれない!そんな事を思いながら両親の顔を浮かべると、涙が流れる優子なのである。
流した涙の数だけ幸せになれると言うが、それは、本当なの?背の小さい事がコンプレックスに思いながら、生きてきた優子には、結婚は人一倍憧れでもあった。それと私より母の方が、小さく産んでしまった事をずっと気にしていたはず!口には一度も出した事はないが、直也を紹介し結婚の許しを貰った時に、初めて見た母の涙がその事を物語っていた!だからこそ、幸せな結婚で両親への恩返しをしたいと考えていただけに、今後どうなるのか?不安を懐きながら、直也が実家に帰る週末になるのである。
直也は、週末の土曜日、仕事を17時に終えて、アパートには帰らず、直接実家に向かうのである。優子は、2連休!直也が、両親にどう言われるのか?心配ではあったが、
朝出勤前に、遅くても必ず帰るからと言われた優子は、直也の帰りを待つ事しか出来ないのである。
週末の土曜日で、道路は渋滞が多く、実家に着いたのは、夜18時半は過ぎた。
実家に着いた直也は、玄関を開ける。
<直也>
・「ただいま」と言いながら、玄関を開ける。
<お母さん>
・「お帰り」と母が玄関まで出て来る。夕飯まだだろ?今準備するから、茶の間にお父さんも帰って居るから行きなさい。
<直也>
・「うん」夕飯まだだよ!お父さん茶の間にいるのね!
父さん「ただいま」もう? 飲でるの?
<お父さん>
・「おっ」直也お帰り!今、飲み始めたばかりだ!お前も飲むか?
泊まっていくだろ?
<直也>
・俺は、飲まないよ!泊まらないで帰る!そんな事より、今日何で来たか
父さん母さんから聞てるでしょ?
<お父さん>
・何だ!直也飲まないのか?飲みながら話したかったけどな?そんなにせかすな!
まず夕飯食べなさい!母さん、直也の夕飯は・・・?
<お母さん>
・今持っていくから・・・。
<直也>
・父さん!夕飯より話だよ!
<お母さん>
・直也!まず夕飯食べなさい!とテーブルに準備する。冷めないうちに食べなさい!
話はそれからにしなさい!ね?お父さん!直也も?
<お父さん>
・そうだな!冷めないうちに、直也食べなさい!それから、話すから!
直也は、いつも1人で御飯だろうし、家でも母さんと2人でいつも食事だからな。
3人の食事はいいな。
*こうして、20分くらい食事をする直也なのである。直也は、話を聞かないと気ばかり焦るのである。食事も済ませて、お母さんも茶の間に座り、お茶を入れるのである。お父さんが、飲んでいた酒のグラスを一旦置き、直也本題に入るけどいいか?
と問いかけてきた。父さんも真面目な話をする時は、話が終るまで酒は飲まないからな!
<直也>
・「うん」俺が今日来たのは、どうして?優子との結婚を考えないといけない訳?
この前、結婚を賛成してくれたよね?それが何で、父さんも母さんも反対なわけ?ちゃんと理由説明してよ!
<お父さん>
・直也!冷静になって、父さんの話しを聞けるな?父さんも母さんも、お前には幸せに
なって欲しいと思うのは、親としては本心だ!けどな!
<直也>
・冷静に聞くから!ん?けどな?何?
<お父さん>
・お前が好きになり結婚したい相手を文句言うつもりはないが!彼女(優子)さんの背が気になる!父さんも母さんも孫の顔を見たいよ!彼女の身長では、子供を産む事は難しいのではないかと思う。仮に子供を授かったとしても、優子さんの事も心配だしな!だから、ちゃんと考えた方がよいのではないかと思う。
それと、優子さんには悪かったが、父さんの仕事柄、ご両親を調べさせてもらった。
近所の評判はとてもよいご両親で、優子さんは大事に育てられた、娘さんのようだ。
<直也>
・子供を産む事が難しい?そんなの誰が決めた?それは、父さんと母さんが勝手にそう思っているだけじゃないか?外見だけで判断してさ、優子の事何も分かってないくせにさ!それに、何?優子の実家調べた?いくら仕事柄といっても探偵みたいな事してさ!もう少しさ、自分の息子を信じたら?
<お父さん>
・誰が決めただと!それが親に対しての言葉遣いか!声粒をあげて、直也を叱る!
親は、親なりに考えての事だ!なぜ分らない!父さんも母さんもお前より人生経験は
あるし、自分の子供の幸せを考えたからこそ、そういう話をした。
結婚というのはそんな簡単じゃない!一生責任を背負い生きていかなければならない
お前には、その覚悟はあるのか?
<直也>
・じゃ?何?優子が、普通の人より背が小さくて外見だけで判断しての反対!優子は子供も産めないから結婚は認められない!優子じゃなく背丈がある人なら皆子供産めるから、結婚許せるとしか俺には聞こえない!背丈がある人皆子供が授かる補償あるわけ?そんな事まで父さん分かる?神様みたいだ!それに、覚悟?あるからこそ、優子を連れてきた!
<お父さん>
・何で、そんなに皮肉れた考えを持つ!お前も親になれば、父さんと母さんの気持ちが分かる!もう少し冷静になって考えなさい!お前の覚悟とは、どんな覚悟だ!
<お母さん>
・お父さんも直也ももう少し冷静に話したらいいのに!ね?2人とも!
<お父さん>
・母さんも俺と考え同じだから、いいから黙って話し聞いてなさい!
<直也>
・父さんはいつもそうだよ!自分の考えを押し通す!どうして母さんも反論しない!母さんだって、意見ない訳?父さんと同じでいいわけ?そんなのここで言っても、ずっとそれで生活してきているから、仕方ないか!
俺の覚悟?それは、父さんも母さんも優子との結婚を反対するなら、俺は縁を切ってでも優子と一緒になる!そのつもりだ!
優子の気持ち考えた事あるのかよ!凄く不安で悩んでいた!最初から反対なら何で紹介した時に、反対しなかった!結局、父さんも母さんも自分達の体裁ばかり気にして、
優子の前では良い顔して、都合の悪い事は、俺を呼んでさ!
もう!いいよ!わかった!ちゃんと優子に反対された事伝えるから!
<お母さん>
・直也!父さんも母さんもお前の事が心配だから、色々考えての事なのよ!優子さんは、とても性格も優しいし、出来たお嬢さんだと母さんは思うよ!でもね。直也!
母さんは、女性だから分かるのよ!どんなに出産が大変なのか、普通の背丈ある人でさえ大変なのだから、優子さんにはリスクがあり過ぎる。それが母さんには心配で仕方ないのよ!その結果、直也が苦労する事になるのよ!
この件は、父さんだけの意見で押し通すわけでなく、母さんの女性としての考えも入っての事だから!直也には、一生の事だから考えて欲しいのよ!父さんと母さんの気持ちもわかって欲しいな!
<お父さん>
・お前の事が心配だからこそ、色々考えての事だ!父さんも母さんも体裁など気にしてない!ただ、直接優子さん本人の前で反対したら、傷付くだろうから、これでも
配慮した方だ!直也もう一度冷静に優子さんとの事考えなさい!
<直也>
・優子が傷付くから?この前、優子を紹介して、結婚に賛成してもらった時に、どんなに優子が、喜んだか?最初から反対なら、なぜ?思わせぶりな事を言った!
父さんと母さんがしている事の方がよっぽど優子が傷付くよ!
とにかく、もういいよ!反対だという事がわかったから!もういいよ!
最後に、父さんと母さんには、はっきり言っておく!どんなに反対されても、
俺は優子と一緒になる!わかってもらえなくて残念だよ!
父さんや母さんの人生じゃない!俺達2人の人生だから、好きにするよ!
優子には、帰ってから反対された事を伝える。その上で、今後の事を2人で相談する。
これ以上、話しても意味ないようだから、俺帰るから!
<お父さん>
・直也!お前は、いつからそんなに、聞き分けがなくなった!父さんと母さんの気持ちが理解出来ないなら、勝手にするといい!
<直也>
・分ったよ!勝手にするよ!もう帰る!そう話すと茶の間から立ち上がり玄関に向かおうとする直也!
<お母さん>
・ちょっと待ちなさい!直也!お父さんもまだきちんと話し終わってないでしょ?
<お父さん>
・いいから!母さん!もう話す事はない!帰ると言うのだから、ほっときなさい!
*直也は、「じゃ~」と言って、玄関に向かう!母さんが追いかけてきて、直也にこう話しかける!もう一度、母さんがちゃんと父さんと話してみるから、直也は、優子さんをしっかりフォローしてあげなさい!何?母さんも父さんと同じ考えで反対なくせに、
ここに来て、「優しい言葉なんていらないから」直也はそう母さんに、言葉をかけて、
実家を後にするのである。ある程度の事は、予測はしていたが、反対された事を優子にどう伝えようか?凄く悩みながら、足取り重く優子の待つアパートに向かう。




