第五十八話 優子の紹介と両親からの返事。
*直也は、両親に結婚したい女性(優子)の事を報告して、来週優子を合わせる約束をした。実家から帰ってきた直也は、アパートの駐車場に車を入れて、部屋を見上げると、
電気がまだついていた。時計を見たら、22時はもう過ぎていた。直也の予想通り、
優子は、やはり結果が心配で待っていたのである。
部屋の鍵を空けて、中に入ると、玄関で優子が待っていた。
<優子>
・直ちゃん!お帰りなさい!久しぶりの実家はどうだったの?もう少し遅いと思っていたのに、帰り早かったね。ところで、ご両親に何て言われたの?
<直也>
・ただいま優子。結論から言うと、優子を連れて来いといわれた。来週の日曜日、優子が予定ないなら、俺の実家に連れて行き、紹介したいのだけど、予定はどうだ?
<優子>
・えっ?来週?すぐじゃない!どうしよう?直ちゃん!来週予定ないから、いいけど、あまりにも急すぎない?どうしよう?
<直也>
・まあ~落ち着けよ。来週空いているなら、1週間後でOKだな!いずれ会ってもらう訳だし、それに父の頑固な性格からして、気持ちが変わらないうちに会わせたいのが本音だ。いいか?来週で?
<優子>
・来週でいいよ!紹介して!今度は、私が緊張するばん?服何来て行こうか?
迷ってしまうし、それに何か手土産持っていかないと~。
何いいだろ?
<直也>
・そんなに、気を張らなくていいよ!普段どおりでさ!土産?いらないよ!俺が優子を貰う訳だから、優子を紹介するだけだから、あんまり気を張らなくてOKだよ!
どうしてもと言うなら、うちの実家だから、安いお菓子とかでいいよ!
<優子>
・第一印象が大事だから、土産は持って行こうと思うよ。ただでさえ私印象が、よくないからね?(笑)
<直也>
・何で?ただでさえ、印象が悪い?それ以上言ったら、怒るぞ!
優子は、何も心配せず、俺に任せておけ!いいな。ただ、色々聞かれるとは思うけど、
着飾らず、普通に答えてくれたらそれでいいからさ!
*直也は、優子が何を言いたいのかは、知っていた。きっと自分のコンプレックス背の小ささに両親にどんな反応されるのかが、当然不安な事は言われなくても優子の気持は察していたのである。
<優子>
・「ごめん」「ごめん」ちょっと消極的になってしまったね。直ちゃんにお任せする。
聞かれた事は、普段どおり回答するから。
<直也>
・明日、来週の日曜日に2人で行くからと、連絡しておくからさ。まあ!気楽に行こうぜ。だから、安心して、早く休め!優子明日仕事だろ?
<優子>
・「うん」直ちゃんから、聞いたから安心したよ!明日から仕事だから、先に休むね。
お休みなさい。
<直也>
・ゆっくり休みな!「おやすみ」優子。
*直也は、特に両親から何を言われた訳でも、優子の事に関しても、これと言って父は、
詳しく聞いてこなく、「連れてきなさい」の言葉が、あまりにもすんなり言われただけに、父の性格からして、何かあるのでは?と不安が頭を過るのである。その心配が、直也の取り越し苦労だったらそれでいいのだが、考えれば、考えるほど、不安になる。
でも、優子にだけは、この不安を悟られないようにしないといけないと思う直也は、
1週間後に迫る、両親への紹介にどうも何かが引っ掛かる感じが、抜け切らないまま、
日々の生活を過ごすのである。
人生の中で両親に自分が好きになった人を紹介する緊張。こういう経験はそうそうない。
こういう一大イベントがある時の時間の経過は早く、あっと言う間に、両親に紹介する当日を迎えるのである。直也は、日曜日ではあったが、仕事しても落ち着かないと思い会社は、有給をとって休み。優子は、昨日の土曜日に、美容院に行ったし、お土産も購入してきていた。準備は整ったのである。
父から、夕飯食べるように彼女を連れてきなさいと言われていたので、夕方17時頃を
目安に着くように直也と優子は、時間に余裕を持って出掛けるのである。
今回は、直也の両親に会う事に、優子は自分の両親に紹介するときよりも緊張していたのである。2人は、15時過ぎにアパートを出発した.車の中では、直也が優子の緊張をほぐしながら、直也の実家へと向かうのである。
実家まであと10分。時間まだあるから、ここの神社で、少し時間潰すか?と言いながら、直也は神社の駐車場に車を停めた。直ちゃん?あそこの自販で、お茶でも買ってくる?と優子が言うと、「うん」喉渇いたな!買って来るか?
私が行くからいいよ!お手洗いにも行きたいし!行ってくるからと車を降りて、お茶を買いに行く。直也も車を降りて、タバコに火をつけて、一服するのである。
一服が終った。優子がお茶買いに行ってから、間もなく10分になる。随分遅いなと?
いつまで何してるのか?と思っていたら、戻ってきた。
随分遅かったな?「ごめん」お参りしてきた。1000円入れてきた。
えっ?1000円?もったいない!俺のタバコ5箱も買えるのに!!!
って?何お参りしてきたの?まさか!この場に及んで、神頼み?してきたの?
「うん」いいじゃない!私の勝手でしょ?
おっ?俺なら、100円位しか入れないけど!私1000円入れたから、ご利益も
直ちゃんの10倍だわね(笑)
お茶頂戴!飲んだら、行きますか?「そうだね」間もなく時間だね?
そろそろ!俺の「お嫁さん」お披露目に参りますかね(笑)
もう!直ちゃんたら!
時計の針は、間もなく17時になろうとしていた。実家に着いた2人は、玄関に立つ。
直也が玄関を開けると母さんが出てきた。
<直也>
・「ただいま」今帰ったよ。母さん!
<優子>
・失礼します。直也の後から、玄関に入る優子。
<母さん>
・お帰り直也!あら!はじめまして、直也の母です。今日はわざわざ、お越し頂いて。
どうぞ上がって!上がって!父さん茶の間にいたから!
<優子>
・はじめまして。直也さんにはいつもお世話になっております。お邪魔致します。
優子は、緊張!緊張!
<直也>
・父さん「ただいま」母さんも最初座って。紹介するから!
俺が、結婚したい「優子さん」
<父さん>
・はじめまして、直也の父です。直也がいつもお世話になっております。今日は、時間作って頂いて、ありがとうございます。
<優子>
・はじめまして。優子です。こちらこそ、直也さんにはお世話になっております。
少しですが、お土産ですと手渡す優子。
<父さん>
・ご丁寧にありがとうございます。早速だが、優子さん。本当に直也でいいのかね?
2人で結婚の事は相談しているかとは思うが、色々優子さんには聞きたい事がある。
女性にこんな事を聞くのは失礼だが、直也より5つ年上と言うのは本当かい?
優子さんは、次女かい?
<直也>
・父さんいきなり、色々聞いたら、優子が困るだろ?初対面だしさ!もう少し考えて聞いてよ!
<父さん>
・「すまん・すまん」優子さん許してくれな!直也には、弟は居るのだが、娘を持った事が無いし、直也の嫁さんになると聞いたらついつい!
<優子>
・お父さんいいですよ!気にしないで下さい!私は、直也さんと結婚したいです。年齢は、直也さんより、5つ年上の30歳です。それと実家には、3歳年下の弟が1人いて、私は長女です。結婚に関しては、直也さんと色々相談していて、2人の考えはあります。
<父さん>
・年齢は、5歳年上なのですね?直也は、姉さん女房のほうがいいかもしれんな!
弟さんが居るのですね!長女なのに、婿とりではないのですか?
結婚の事は、2人でどんな話てるか、ある程度考えを聞かせて欲しいのだが、いいか?
<優子>
・弟が居ますので、お婿さんを取らなくても大丈夫です。両親もお嫁に行く事は、納得してくれていますから。結婚までの?考えですか?
この時、優子はどう答えていいか、迷っていた。すると・・・・。
<直也>
・父さん結婚までの2人の考えは、俺が説明するよ!優子の両親には、結婚のお許しは頂いている。両方の両親に祝福して貰って、結婚したいと言うのが2人の気持ち。
それと、今お互いに、別々のアパートで暮しているから、結婚を許して貰えたら、引っ越して、生活拠点を1つにしたい。式場とかは、これからだけど、1年以内くらいには結婚したい。
<父さん>
・そうか!2人でちゃんと考えているようなので、父さんからは、特にないな!
後は、母さんと相談して、優子さんのご両親に挨拶しに行かないといけないな!
2人の考えは、分った。とにかく父さんと母さんが、優子さんのご両親に挨拶に行ってからだな。挨拶に行く日を決めたら、先に2人に連絡するからな。それで、直也いいか?
<直也>
・いいよ。じゃ~。優子の両親に挨拶に行く日が決ったら連絡頂戴。結婚は、許してもらえるの?
<父さん>
・許すも許さないも2人で決めたことだし、2人の人生なのだから、父さんも母さんも反対する何者も無いよ!さて!母さんそろそろ夕飯にしようや?
<直也>
・「ありがとう」父さん。と言う事で、OKだってさ!優子。
<優子>
・お父さん・お母さん「ありがとうございます」これか宜しくお願い致します。
*直也の両親からも結婚を許してもらい、2人は夕食をご馳走になり、両家の両親に
祝福してもらい結婚出来ると、心弾ませていたのである。
こうして、2人は結婚に向けて、また1歩前進したのである。ここまでは、順調に来た2人だが、神様のいたずらなのか?またしても試練なのか?この後、この2人に起こりうる意外な展開が・・・・。いったいこの2人に何が???




