第五十七話 直也の両親への報告!
*優子の両親に挨拶を終え結婚の許しを貰った直也は、今度は自分の両親に、優子を紹介し、結婚がトントン拍子に進んでいくと確信していた。優子も直也との結婚を両親から、
許しを貰い、舞い上がる気持ちを必死に抑える優子なのである。
直也は、優子と結婚までの大よその流れを相談していた。次は、直也が、両親に優子の事を話し、その後優子を紹介し、1年以内(来年12月末)までは、結婚したいと2人で相談していた。優子の両親に挨拶してから1週間経過し、直也は、自分の両親に優子の事を話すため、実家に帰るのである。日曜日は仕事ではあったが、早番で16時上がりの為、予め前日の土曜日に父と母に話があると伝えていたのである。
直也は、実家に帰る日曜日の朝、優子に今日は、遅くても帰ってくるけど、先に休んでいいと伝え、会社に出勤する直也なのである。
優子は、今度は私が挨拶する番だから、緊張するのだろうなと考えながら、直也の両親にいつ挨拶に行くのかが気になり、直也の口から、両親の返事を聞くまでは、寝むれない優子は、直也の帰りを待つのである。
直也は、16時に仕事を終えて、残業はせず実家へと向かうのである。直也の気持ちの中では、優子の両親にどんな返事をもらうかが、最大の喚問と思っていた。
その喚問は、突破できて後は、自分の両親に報告して喜んでもらうだけだと、緊張も特になく次のステップの事を運転しながら考える直也。どこか気持ちは浮かれていたのだろう。こう言う時は、実家への道のりも苦にもならず、実家への道のりは近く感じる直也なのであった。実家に着いた直也は、玄関を開ける。
<直也>
・ただいま~。母さん?今ついたよ!これ土産!せんべいだよ!
(直也も久しぶりの実家であった。)
<母さん>
・直也お帰り。早かったね~。夕飯まだ出来てないし、父さんは、今近くの店にタバコ買いに行ったから。何?土産?何もいらんのに、悪いね!頂くよ!
<直也>
・ほんなら、茶の間でテレビでも見るか!そのうち、父さんも帰るだろ?
母さん今日の夕飯のおかずは何かね?
<母さん>
・仕事で疲れたろうから、横になってもいいよ!父さん帰るまでは、夕飯できるからさ!おかずは、直也の好きな、オムレツじゃよ!好きでしょ?ところで、話って何?
会社でも辞めて、実家にでも帰ってくるの?
<直也>
・オムレツか?おっ?久しぶりに母さんのオムレツか!楽しみだわ!話は、父さんも来たら、話すわ!
<母さん>
・オムレツは、小さい時から好きだったからね?いくつになっても子供やからね?
直也の好物だから!話は父さん来たらね?
あっ?父さん帰ってきたよ!台所の窓から父さんの姿を確認する。
*玄関が開いて!
<父さん>
・母さん帰ったよ!直也もついたのか?と茶の間に行く父さん。
おっ?直也!久しぶりだな。少し痩せたか?役職ついて仕事は大変か?
<直也>
・父さん。ただいま!役職つくと責任が違うから大変だよ!まあ?痩せたと思うよ!
<母さん>
・直也!手伝って?夕飯準備出来たから、茶の間に運んで頂戴!父さんは、お酒!
直也は、何飲むの?ビール?
<直也>
・茶の間に運ぶのを手伝う直也。俺?仕事忙しいから今日遅くても帰るからさ!だから飲めない!俺はお茶でいいよ!
<母さん>
・せっかく実家に帰ってきたのに、泊まらないで帰るの?今日くらい泊まっていたらいいのに!仕事忙しいなら仕方ないね!せめて母さんのオムレツちゃんと食べて行きなさい。
<父さん>
・なんだ?直也と久しぶりに飲むのを楽しみにしていたのに残念だな!次回だな?
父さんだけ飲むな!母さんも座って!食べよう!
*直也も母さんも座り、乾杯して食事を食べはじめる。
<母さん>
・ところで?直也!話があってきたのでしょ?父さんがあまり酔わないうちに話しなさいよ!あんまり酔うと忘れるのだから!覚えているうちに話しなさい!
<父さん>
・そうだ!直也の話は?いったい何?会社でも辞めたいのか?食べながらでいいから話してみなさい。
<直也>
・会社辞める?それはないよ!話は、実は、俺!紹介したい女性が居る!その人と結婚したいと思っている!連れて来て紹介したいから、都合の良い日を教えて欲しい!
<父さん>
・そうか?結婚したい女性が!直也にそんな人いたのか?連れてくるのは構わないよ!
な?かあさん?いいよな?
<母さん>
・直也に好きな人いたのね?どこの人?どんな人?どこで知り合ったの?
<直也>
・母さん!そのうち徐々に話すからさ!今日は、連れてきたいから、都合を聞きにきた!紹介して両親に祝福してもらって結婚したいと考えているからさ!
実はさ!先週に、先方の両親には挨拶に行ってきた。それで、お許しは頂いてきた。
<父さん>
・お相手の御両親には挨拶してきたのか?じゃ~。なるべく早く連れてきなさい。それから、父さんと母さんもお相手のご両親に挨拶に行かないといけないし。
かあさん?いつがいい?来週の日曜とか?どうだ?何か用事あったか?
<母さん>
・来週?早い方がいいなら、来週の日曜日でいいのではないの?
何も用事ないし!直也とかは大丈夫?
<直也>
・俺は、来週でも大丈夫だけど、彼女の方に聞いて連絡寄越すよ!明日の夜には大丈夫だと思うよ!詳しい事は、来週来た時に彼女にでも聞いて!
<父さん>
・彼女に聞いて、来週でいいかどうか、連絡母さんに寄越しなさい。それと連れてくるとき、夕飯食べるように来なさい。
話は分ったから、普段ろくな物食べてないのだろうから、ちゃんと食べて行きなさい。
なんなら、父さんのオムレツもやるか?
<直也>
・それなりには食てるけど、母さんのオムレツは、美味い!父さんのも食べるよ!
あんまり、お腹いっぱいだと帰り眠くなるか(笑)
心の中で、父さんにもっと、色々聞かれるかと思いながらも、あっけなく彼女を連れてきなさいと言われ、拍子抜け!あまりにもすんなり進みすぎに、嬉しい反面、ちょっと何かが引っ掛かっていた。
*久しぶりに両親と会って実家で夕飯をご馳走になり、両親に結婚したい女性が居る事を伝え、合わせる約束まで取り付けたのである。食事後、1時間位、世間話をして直也は、
来週でいいか、明日電話寄越すと言って、実家を後にする。
帰りの車の中で、両親に合わせる約束を簡単に取り付ける事が出来て嬉しい気持ちを、
優子に早く伝えたいと思う反面、本当にこんなトントン拍子に言って居る事が怖いとさえ思う直也。ちょっと考えすぎかもと思い直し、きっと優子は、寝ないで待っていると
思いながら、ハンドルを握りアパートへと帰るのであった。




