表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
身長差50cmの恋  作者: Last Life
49/72

第四十九話 学生証と引換え

*優子に4度目の恐怖が襲い、是といった策もないまま、直也のアパートから会社に通勤する日々が続いた。そして5度目の恐怖が優子に襲ってくるのである。

 それは、4度目の恐怖から10日が過ぎた、火曜日の夕方に起きるのである。

 優子は、いつものようにスーパーで買い物をしたのである。そして直也のアパートに帰る途中のことだった。この日は、直也も休日で優子を驚かせようと、スーパーの近くまで、歩いて迎えにいったのである。スーパーについた直也は、店舗内を1周するも、優子とは一足違いだったようだ。電車が着く時間と買い物する時間を考えても今追いかければ、まだ帰る途中だから追いつくと思い、アパートの方へ急いだ。すると前方150メートル位先に、優子らしき姿を発見し小走りに先を急いだ。


 とその時、事態は急展開するのである。直也が優子を見つけ小走りに追いかけていると、

 優子が歩く歩道の左側に平行して、ヘンスがあり、良く見るとヘンスの脇には、砂利の道が平行してあった。すると、優子と直也の中間位の距離で、ちょうどヘンスが切れているところから、女子高生が過って小走りに入っていった。


 直也は、不思議に思いながらも優子のそばに急ごうと思っていた。すると前方のほうから、鈴の音が聞こえ始める。当然直也が聞こえる距離だから、優子も聞こえたようで、立ち止まる。すると鈴の音は消え、また優子が歩くと、鈴の音が聞こえ立ち止まると鈴の音は消える。もう一度、同じように優子が歩くと鈴の音が聞こえ、止まると鈴の音は消える。直也は、その様子を後ろから見ていた。当然優子は怖くて後ろ振り向くことは

 ない。そのまま優子は、小走りにアパートの方に歩く。するとヘンスの切れ目から女子高生が出てきた。その時、制服のポケットから、鈴が落ちた。

 その様子を後ろから見ていた直也は、直感で確信した。犯人はこの女子高生だと、とにかく、真相を確かめようと、女子高生に近づき、声をかけようと決める直也。

 自分が不審者に思われて騒がれないように充分注意しながら、道を尋ねるふりをして、その女子高生に声をかけるのである。優子を苦しめ恐怖をずっと懐かせた犯人が女子高生であろうと許せない気持ちをグット我慢しながら、声をかける直也。


<直也>

・「すいません」と後ろから、女子高生に話しかける直也。


<女子高生>

 ・「はい、何ですか」


<直也>

・ちょっと、駅の行き方を教えて欲しいのですが、いいですか?

<女子高生>

 ・いいですよ。って?私も今から駅に向かうので、良かったら案内しますよ?と言われる。ここから5分くらいですし。


<直也>

 ・ありがとうございます。助かります。直也は、少しだけの会話だが、決して悪い子には見えないと心の中では思うが、駅までの5分でどう?聞き出すか悩む直也なのである。しかし時間も無いので、ある勝負に出る。歩きながら話しかける直也。君は、毎日ここが通学路なの?


<女子高生>

・別に、私も駅に行きますから、気にしなくてもいいですよ。え?この道は、通学路ではないですよ?どうしてですか?


<直也>

 ・駅まで案内頼むね。いや~。さっきさ、フェンスの切れ目から入って、またフェンスの切れ目から出てきて、鈴落す所を後ろから見たからさ~。なんか?変だな?と思ってさ?これ君の鈴だろ?とポケットから取り出しみせる。


<女子高生>

 ・あっ?それは~。えっとお~。後ろから見られていたのですか?

  あきらかに動揺する女子高生。

  すると・・・・。

  すいません。もう二度としませんから、許してください。だから、警察に連絡しないで下さい。学校にも言わないで下さい。お願いします。といいながら、頭を下げる女子高生である。


 *女子高生は、何をどう思ったのか?急な展開に直也の方が、驚くのであった。 

  しかし、理由は分らないが、自ら白状したのだから、真相を確かめるのには、絶好のチャンスが来たのである。直也は、女子高生の口から真相を話して貰う為、いかにもその行動を知り尽くしていたような話し方で女子高生に問いかける。


<直也>

 ・君?学生だろ?この事、ご両親が知ったらどう思うだろうな?警察?学校?どうしようかな?それは、君次第だよ?悪いことをしたと思うのなら、どうすればいいのか?

  わかっているでしょ?

<女子高生>

 ・え?私次第?お願いします。警察にも学校にも言わないで下さい。

  でも・・・・。どうすれば、いいかって?

  そんなのも嫌です!それは許してください!

  

<直也>

 ・ちょっと、君? 何か勘違いしてないか?俺が、どうすれば、いいかと言った意味は、

  なぜ?あんな事をしたのか?それに何の為にしたのか?

  それを聞いて、二度としないとこの場で約束してくれるのなら、俺が見た事は、目を瞑るよ。そして、警察も学校にも話さない。


<女子高生>

 ・分りました。正直に全部話します。今からちょうど、3週間前の事ですけど、私が2年間付き合っていた彼に振られて別れたの。その時に駅のフォームで泣き崩れて居た時に、1人の見ず知らずの女性に声をかけられたの。そのお姉さんは、優しく私の話を聞いてくれた。その人には何度か駅で会って慰めてもらったの。そのお姉さんも振られた事あるから、気持ち分かるよ?と言ってくれたの。そしたらお姉さんから、理由は聞かない条件で簡単なバイトしないと?と言われたのね?1回5000円と言われて、内容聞いたら、ある女性を後ろからばれないように追いかけて、恐怖を与えて欲しいと言われた。正直気乗りはしなかったけど、私の話聞いてくれたし、お姉さんの役にも立ちたかったの。だから、2回ほど、今日のように、鈴の音色で追いかけて

  恐怖心を懐かせて欲しいと言われた。私もばれないようにすればいいし、それにバイト料5000円も魅力だったから、つい引き受けてしまったのです。ほんと悪気はなかったし、追いかけたお姉さんにも凄く怖い思いさせて申し訳なかったと反省をしております。本当にすいません。これが全部です。


<直也>

・直也は心の中で、「学生の分際で」バイト5000円だと?ふざけんな!と怒りを必死に抑えながら、本音は警察や学校にも通報したい位だと心の中で思いながら、こう女子高生に話す直也。

  本来なら、許される事ではないからな?分ったか?君が、逆な立場ならどうだ?

  自分がしたことの重大さに気付くはずだ!一つだけ覚えておけ!悪いことをして、

切羽詰まったときにだけ、自分の保身の為に必死に謝罪する!謝罪する位なら、

最初からするな!君がしたことは立派な犯罪だからな!もう二度するなよ!

  この事は、俺は心の中に閉まっておくから、俺の質問に正直に答えてくれ、それと頼みを1つだけ聞いてくれるか?

<女子高生>

 ・本当にごめんなさい。もう二度とこんな事は絶対にしませんから、許してください。

  質問に正直に答えますし、私の出来る事は何でもしますから、お願いします。

許してください。


<直也>

 ・謝る相手は、俺じゃないだろ?追いかけられて恐怖にさらされた彼女じゃないの?

  ちゃんと彼女に謝る事だ!

  俺の質問は、君にバイトを依頼した彼女の名前を教えて?それとその彼女に会わせて欲しい。もちろん俺の事は内緒で。この条件をのんでくれるなら、悪いようにはしないから!どうだ?


<女子高生>

 ・条件をのむ前に、悪いようにとは?私の事を警察とか学校とか両親とかには絶対に今回のことを言わないと約束してくれますか?


<直也>

 ・その条件は、のむから。だからさっきの俺の質問に答えてくれ!


<女子高生>

・わかりました。質問にお答えします。バイトを依頼した女性の名前は、正直しりません。バイト代は、前回の時は、駅で待ち合わせして、私の学生証と引き換えに、先に2500円を前渡しで貰い、残りの2500円は、追いかけた後にまた駅に戻り、学生証と引き換えに2500円もらいました。もちろん依頼してきたお姉さんも私の行動を見ていたと思います。依頼したお姉さんに会わせる事は、今回のバイト代を貰う時しかないと思います。お姉さんの依頼は2回だけだったので。今回でバイト最後

何ですよ。  


<直也>

・名前知らない?そうなの?今回のバイト代をもらうときが、依頼した女性と会うチャンスという事か?バイト代を貰う約束はいつ?その時に俺にその女性と会わせろ!君には、迷惑かけないから、いいか?


<女子高生>

・依頼した女性とは、今日駅で待ち合わせしたのですが、急に仕事が入ったから、バイト代は明日学校帰りに、17時に駅の改札で待ち合わせして渡すからといわれました。

<直也>

 ・依頼した女性とは、明日17時駅改札で会う約束!その時にうまく駅の外に誘導できるか?俺が駅の外で待っているから、その女性を外に連れ出したら君の役割は終わりだ!いいか?


<女子高生>

 ・分りました。明日依頼女性をどうやって駅の外に連れていけばいいですか?それとなぜ、そんなに、その女性の事を気にしているのですか?


<直也>

 ・駅の外に連れてくる時は、人目があるから、バイト代は駅の外でとか言えばいいさ。

  依頼女性の事?それは君には関係ない事だから、詮索せず、黙って俺の頼みを聞いてくれ!それと、君の学生証を人質で預からせてくれ、もし、明日逃げたら、今日の事は全て表に出すから!俺は駅の公衆電話ボックスの陰に隠れているからさ!


<女子高生>

 ・分りました。言われた通りに、明日依頼女性を駅の外に連れ出します。公衆電話の方に誘導すればいいのですね?お兄さんが、なぜ、その依頼女性を気にするかは、もう詮索はしません。約束します。

  え?学生証ですか?見せるだけで駄目ですか?


<直也>

・学生証は、預かる。逃げられたらどうもこうもないし!君がした事を考えたら、大事な人質だからな!だから預からせてもらう!君に手荒な事はしないから!とにかく

学生証を預からせてもらうよ!約束守ってくれたら、明日必ず返すから!


<女子高生>

 ・明日必ず返してくださいと言って、学生証を渡すのである。

  では、明日17時に駅の外でいいですね。


<直也>

 ・確かに預かるよ。明日な!


*直也はこうして、女子高生に、誰か分からない女性からバイトを依頼されて優子を追いかけて恐怖を与えるように指示された事を聞きだした。そして、女子高生の学生証を人質にして、明日依頼女性に引き合わせる約束を取り付けたのである。女子高生と別れた直也は、優子の事が心配で急いでアパートに帰るのである。

アパートに着いた直也は、優子に今日の事を説明するのである。

当然、優子は、また追いかけられた恐怖しかなかった。


<直也>

 ・「ただいま」優子ちょっといいか?


<優子>

 ・「お帰り」直ちゃん。私も話しがあるのね。


<直也>

 ・優子の話は、今日また追いかけられただろ?その事で俺から話がある?

  

<優子>

 ・えっ?何で追いかけられた事を直ちゃんが知っているの?

  今日も怖い思いしたのよ。


<直也>

・実はさ、優子を迎えに行って、スーパー1週して探したけど1足違いでさ、優子を小走りで急いで追いかけた。そしたら、優子を見つけた時に、女子高生が、優子の歩く歩道の左側にフェンスあっただろ?その切れ目から、入ってヘンスと平行した砂利を女子高生が進み。優子が小走りに立ち去った後に、ヘンスの切れ目から女子高生が出てきて鈴を落した。それを俺が後ろから見て、声をかけたら、優子の動きに合わせて鈴鳴らしていたと白状した。つまり鈴の犯人は、女子高生だった。


<優子>

 ・えっ?犯人女子高生?何で?私面識ないよね?

  直ちゃんが、捕まえてくれたの。正直びっくり!

  何で?そんな事、したのか話してくれた?


<直也>

 ・優子を追いかけたのは、女子高生で間違いないけど、それだけではなかった。

  女子高生は、優子を追いかける事を別な女性に依頼されたと話された。それも1回5000円のバイトだってさ!2回頼まれて、今日がその2回目で、バイト代金は、明日駅で17時に貰うと話したから、学校や警察には今回の事は通報しないから、依頼女性と俺を会わせてくれと交渉しその約束を取り付けてきた。だから、明日その依頼女性と会って真相を確かめる事にするよ。


<優子>

 ・その女子高生は、バイトで私を追いかけたの?その依頼女性?誰?何か怖いよ!

  ちょっと考えても、わかんない!誰かに恨まれる事私あるかな?

  ねえ~?直ちゃん。私も明日その女性と会ってもいい?


<直也>

 ・優子も?明日一緒に?いや、それは危険じゃないか?

  俺がさ、ちゃんとけりつけてくるから、優子はアパートで待っていたほうが無難だと思うけど・・・・。


<優子>

・でもさ!直ちゃん。私もやっぱり連れて行ってよ!怖いけどこのままだと、私が先に進めなくなるし、それに直ちゃんがそばに居てくれたら怖くないから、一緒に連れて行って頂戴!お願い直ちゃん!


<直也>

・優子がそこまで言うなら!明日一緒に行って、けりつけよう!明日は17時に駅改札で、女子高生が依頼女生と会って、バイト代を貰うらしい。依頼女性を女子高生が駅の外に連れて出て来るように指示してある。俺たちは、駅の外で出て来るのを待ち伏せする事になる。いいか?


<優子>

 ・いいよ。わかった。私は明日15時で、早退してくるから。直ちゃんは仕事大丈夫なの?


<直也>

 ・俺も大丈夫だ!何か理由つけて、早退するからさ!


*直也と優子は、依頼女性が何の為に、こんな事をしたのか明日2人で直接対決をして決着をつける覚悟をしていた。優子に襲ってきた恐怖5回は、全て繋がりがあるのか?果たしてこの恐怖の真相は?明日に備える2人なのである。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ