表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
身長差50cmの恋  作者: Last Life
48/72

第四十八話 鈴の音の恐怖

*優子は、3度目の嫌がらせをされた事で、身の危険を感じて直也のアパートから当分の 間、会社に通う事になったのである。


直也は、優子が心配なのは事実ではあるが、ずっとボディーガードも出来ず、優子には用心するようにと話す事しか出来ないのである。

それに、優子から3度目の不審車輌の運転手が、元彼に似ていたという事を聞き気がかりだった。不安にさせると思い直也は話さなかったが、冷静に考えると、1度は結婚の約束までした訳で、別れたとはいえ、優子に対して恨みを持ってもおかしくないし、それに今優子の彼が俺であることを知ったとしたら、余計に恨みをかってもおかしくないと感じる直也なのである。


優子は、4度目は無いだろうと思いながらも、どうしても3度目の不振な車輌を運転していた人が元彼に似ていた事が気になっていたのである。

考えれば考えるほど、恐怖が蘇るので、とにかく最新の注意をしするしかないと思う優子なのである。


優子が、直也のアパートから会社に通いはじめてから、3週間が過ぎようとしていた。

この3週間は、あの不審車輌に追いかけられることも無く、何事も起こらず、平穏な生活で、優子は、朝夕の食事を準備し、お昼は2人分のお弁当を作り、直也の身の回りの事も全部優子がこなしていた。優子は、充実した生活に幸せを感じるのであった。この幸せがあるのもあの不審車輌に追いかけられ怖い思いをした事で、直也と暮せたとは、皮肉なものだ。


直也のアパートに来て、間もなく1ヶ月になろうとしていた。嫌な事(不審車輌)を忘れかけてきた頃に、またあの恐怖が再び優子を襲うのであった。


その恐怖は、忘れかけてきた頃に突然やってきたのである。優子は、仕事帰りに、いつものように、スーパーで買い物をして、直也のアパートへ帰る途中の事だった。

季節は、2月末。1ヶ月前とは違い、日が暮れるのは遅くなってきたが、夕方ともなると、まだ冷たい北風が肌をさすのである。普段通、夕食何作ろうかと?考えながら、歩く優子は、後方に鈴の音が聞こえる。何となくだけど人の気配を感じる優子。ちょっと

気になり後ろを振りむく。しかし、薄暗く誰も居る気配がない。前を向いて歩き出すと、また、後方に鈴の音が聞こえる。また気になって、立ち止まり後ろを振りむく。鈴の音も消え、誰もいない。えっ?幻覚?まさか?また歩き出すと、また鈴の音が、怖くなり、小走りすると、鈴の音が、振動にあわせて早く聞こえる音がした。


優子は、小走りで電柱の影に隠れた。鈴の音が少しずつ近づいてきた。恐怖のあまり後ろを振りむく事は、出来ない。その時、正面から自転車に乗ったおじさんが来て、声をかけられた。「おねえちゃんの手袋じゃないの」って?怖さのあまり電柱の陰に隠れたときに落としたのだろう。「あっ?私のです」ありがとうございます。と言うと、

「おねえちゃん。電柱の陰でどうかした?」と言われ、優子は、誰か後ろにいませんか?

と話すと、誰もいないよと返事がきた。恐る恐る後ろをみても、誰もいなかった。

自転車のおじさんは、「ねえちゃん気いつけて帰りな」といって立ち去った。

優子は、怖いながらもアパートに急いで帰った。今度は、徒歩で?でも、今回は、気配は感じたが、人は確認出来ていない。気になるのは、あの鈴の音だ?まさしく、私が歩くスピードに合わせての鈴の音色だった。

どうしても、考えれば考えるほど、悪いようにしか考えられず、元彼?嫌がらせ?

もしも、直ちゃんと同棲している事を知って恨んでいるとしたら、どうしよう?

私だけじゃなく、直ちゃんにも危害が及んだらどうしよう?と恐怖と不安が再び優子を襲うのである。


とにかく、隠し事は無と約束した優子は、直也が帰ってきたら、今日の出来事も正直に話そうと思う。そんな事を考えながら、食事の準備をして、帰りの遅い直也を待つのである。


直也が帰宅したのは、22時30分頃だった。帰ってくるとすぐに夕飯を出して、

食事をしながらでいいから、直ちゃん聞いて欲しい事あるのねと、優子が口を開くのである。


<優子>

・直ちゃん。今日会社帰りにまた、後追いかけられたの。今回は、車じゃなく、

 スーパーで買い物した後の帰り道だった。何か人の気配は感じて、鈴の音がして

 後ろを振り向くと、鈴の音が消えて、歩き出すと鈴の音が聞こえ、2~3回繰り返し、怖くなり電柱の陰に隠れたら、だんだん鈴の音が近づいてきたのね。その時、正面から、自転車に乗ったおじさんが、電柱の脇に落とした私の手袋拾ってくれて、そのおじさんに、誰か後ろに誰かいるか聞いたら誰も居ないといわれたの?

 もう?怖かった。


<直也>

・え?しばらく1ヶ月、何もなかったのに~?またか?優子は怪我も何もなかったか?それにしてもさ、今度は、歩いてつけまわすような事しやがってさ。

やっぱ?警察に相談した方がいいと思うけど?優子の身に何かあってからでは、遅いからさ?そうしないか?


<優子>

 ・警察には、いいよ。それに、今回は、人の気配感じただけだしさ。追いかけられたといっても人を確認した訳ではないしね。


<直也>

・俺は、優子が心配だからさ。警察に届けるのはいや?というなら、身をどうやって守るの?俺がずっとそばで守ってあげたらいいのだけどな。それは無理だし!


<優子>

  ・心配してくれてありがとう。でも自分の身は自分で守らないといけないと思うしね。

   それに私考えたのね。これ以上、直ちゃんに心配かける事出来ない。だから私自分のアパートに戻ろうと思うの。元彼かどうかは、分らないけど、私に何らかの恨みがあってのことだから、私といたら、直ちゃんにも危害が及ぶ可能性もあるし、私の事で迷惑かけられない。


<直也>

・優子。お前さ?何?!それ!心配かけていい!迷惑?そんな事思ってない!

前も言っただろ?優子の抱えている悩みを2人で悩めば、その悩みは半分になる。

何か嬉しいことがあれば、2人で喜べば、喜びは2倍になるって。

だから、優子と2人で乗り越えよう。それに、俺に危害?絶対ない!というよりやれるものならやってみろよ!俺が今言える事は、優子を全力で守ることだけ。


<優子>

 ・でも~。もしもの事があったら、私どうしていいか分らなくなる。直ちゃんの気持ちは、嬉しいけどやっぱり私の事で迷惑かけられない。


<直也>

 ・優子!それいじょう言ったら、「怒るぞ」俺はさ、今まで優子を沢山傷付けてきた。そんな最低な俺の事をずっと一途に思い続けてきてくれた。俺のような最低な男なんかを忘れて、普通は、別な恋見つけるだろ?優子お前バカだよ!こんな俺の為に!

  俺の心配する前に、自分の心配をしなきゃ駄目だよ!

  とにかく、俺に優子を守らせてくれ!それくらい俺にもさせろよ!俺が嫌いなら、

  アパートに戻れ!そうでないなら、ここにいろ!いいな!


<優子>

 ・私の気持ちは、痛いほど分かっている癖に、そんな意地悪な事いうの?私にとって直ちゃんは、凄く大事な人なの。本気で人を好きになり必死の思いで取り戻した大事な人だからこそ、心配だし迷惑かける事、出来ないと思った。


<直也>

・それなら、俺も言わせてもらうよ。優子の気持ちが痛いほど分かるからこそ、俺がお前を守る!いや!俺に守らせてください!優子の気持ちを散々俺は傷付けてきたのだから、優子を守るのは当たり前の事だ!それに俺にとっても、凄く大事な人だからさ!もうこれいじょう言わせんな!恥ずかしいだろ!


<優子>

  ・へえ~!直ちゃんでも恥ずかしいと思うことあるの!もっと、もっと言葉で私の心を「ドキ・ドキ」させてくれたらいいのに。

   直ちゃんの気持ちを素直に、受け入れるね。このまま、直ちゃんのアパートから会社に通勤するから。


<直也>

  ・ったく~。何言うかと思えば(笑)俺だって恥ずかしい事の1つや2つあるさ!

   とにかく今まで通で、注意するしかないな!

   俺が一緒の時に追いかけてくれたら、何とか出来るけどな!これといった策はないが、注意する事にこした事はないからな!


<優子>

  ・「うん」わかった。しばらくの間、注意しながら様子をみるよ。それに少しは、春に向けて明るくはなってきたから、何かあったら、大きな声で叫ぶから。



*こうして、4度目の恐怖は、鈴の音だけで、人影はなかった。それにしてもあまりに

も気味が悪すぎる。過去3回は車で今回は、鈴の音。いったい何が優子の周囲に起きているのだろうか?今までの恐怖の犯人は、同一人物? 元彼なら恨み?でも鈴の音?

これも元彼?嫌?違う?考えれば考えるほど、恐怖心は増すばかりだ!

この恐怖の全貌が次に起こりうる恐怖で少しずつ明らかになっていく。この、

優子に襲い来る恐怖の真相は?



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ