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身長差50cmの恋  作者: Last Life
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第四十五話 気味の悪い出来事。

*優子の努力は、形として報われて、直也と再出発をする事になった。優子は沢山の挫折を繰り返しながらも、直也への一途な思いを貫き通した結果、彼の気持ちを動かすことになった。

直也は今まで、優子を随分傷付けてきた事を心から反省するとともに、こんな自分でも

ずっと思っていてくれた事に、これからは、自分が幸せにすると心に決める直也なのである。2人はこうして、新たなスタートをきることになる。


優子は新しい会社に勤務しながら新生活の1人暮しがスタートした。17時に仕事が終る優子は、自炊する毎日。1人暮らしは、自由があるのはいいが、実家暮らしとは違い、帰っていっても部屋には明かりも無く、当然御飯も出来ていない。

そんな事は、充分分っていた事だが、親の有り難味を感じるとともに、夜になると1人は、寂しいと感じるようになってきたのである。


直也も副店長に昇進したことで、仕事は毎日忙しい日々が続きいつも帰宅は、23時は過ぎていた。優子と付き合う事になったものの毎日仕事が忙しく優子と連絡を取ることすら中々出来ない直也なのである。


再び付き合う事になった2人だが、優子は、新しい職場と新生活に慣れるのが精一杯。

せっかく、直也と戻れたのに自分が思い描いていた事とはほど遠いと感じている優子なのである。毎日疲れて寝てしまい、優子も直也に連絡をとる事が出来ない状況であった。新しい会社に勤務してから、3週間が過ぎようとしていた金曜日の夜にある事件がおきるのであった。


週末の金曜日は、雨模様だった。優子は勤務を終えて会社を出ると、ピンクの傘をかぶりスーパーへ向かった。買い物を済ませて、アパートに帰る途中の事だった。雨模様という事もあり暗くなるのも早く、傘をかぶりながら、買い物袋と会社の手さげを持ち家路に急ぐ優子は、歩道を歩きながら、車が通るたびに後ろを振り向き道路に溜まった水をかけられないように注意していた。道幅の広い道路から、車1台は通れる街頭の少ない路地を200m進み、そこから、左折してさらに500メートル進んだ所に優子のアパートがある。この700メートルの道筋は、街頭も少ない上、雨の日は特に暗く、女性が1人で歩くのにはとても怖いと思うくらい静で暗い道で夕方18時でも車も人通りもほとんどない所なのである。


優子は、広い道路から、路地に入り、100メートルくらい進んだときに、後ろから、

車のライトが照らされた。優子は、道の端に寄り足を止め車が通り過ぎるのを、傘を差しながら待っていた。その時、車の方を見ると車はそこの場所に停まり、ライトをハイビームにするのである。優子は、当然眩しくて、状況が分らない。停車したならとまた歩きはじめた。すると、そのライトはロービームに変わり、雨なので車が進んでくる音が後方から聞こえたので、また道の端に寄り足を止め車が通り過ぎるのを待っていた。

するとまた車が停まり、優子が車の方を見るとまたハイビームにするのである。もう2回も同じ事をされ、優子は怖くなってきた。もう少しいけば、左折だから、そこを曲がれば、いくらなんでももう来ないだろうと思い。とりあえず、雨で足元は悪いが、走れるくらい走ると決めて、優子は走った。しかし車のライトとタイヤが水をはじく音は、耳には聞こえていたが、怖くて振り返ることすら出来ない。左折して250メートルくらい息を切らしながら必死に走った。アパートまであと半分と思うが、息が切れて1度立ち止まり道の端に寄り車を見ると、車は、またライトをハイビームにして停車。もう優子は、怖くて、怖くてどうしようもないくらい震えていた。優子は最後の力を振り絞り、残り250メートルを全力で走って。アパートへと入った。優子が走ると同時に、また車のライトがつき後ろから追いかけてきたのである。


優子はアパートに入り、すぐに鍵をかける。部屋にすぐ灯りをつけたら、部屋が分られてしまうから、灯りをつけず、カーテンの隙間から、アパートの外をみると、暗闇に車が1台、ライトを消した状態で停車していた。中に人が乗っているかどうかは、確認が出来ず、部屋で震えながらその車が立ち去るのを待っていた。帰宅は、19時は過ぎていた。外は雨が強くなってきた。1時間はずっと辛抱強く、灯りもつけず、部屋の片隅でずっと静にしていた。時計を見ると20時半は過ぎようとしていた。

もう1度恐る恐る外を見てみると、もう暗闇には車がなかった。優子は怖くて、怖くて震えが止まらなかった。こんな怖い思いをしたから当然だが、食事すら喉が通らなかった。いったい誰が?何のために?

そんな事を考えていたら、突然雷を伴い、激しい雨が降ってきた。雷は、物凄い勢いで光、雨も強い。時計を見たら午前0時になりそうだった。もう限界だ、1人でいたくない。優子は、直也にSOSを出す事にした。

受話器を持ち、直也に電話をする。優子は、祈る気持ちで直ちゃん。「お願い出て」

と心の中で何回も叫ぶ。

電話コール10回はしただろうか?すると・・・・。


<直也>

・もしもし・・・・。もしもし・・・・。

 眠そうな声で電話に出る直也。


<優子>

・直ちゃん。直ちゃん。私。私。怖いよ。直ちゃん。助けて。お願い。

優子は、声は震え泣きながら、直也に助けを求める。


 <直也>

・優子か?どうした?何があった?直也は、優子の声を聞いただけで、何か大変な事

 があったのだと思い、一気に目が覚めた。優子落ち着け。どうした?深呼吸して

 何があったか落ち着いて話してみろ。


<優子>

・直ちゃん。ごめん。迷惑かけるけど、お願いだから、すぐ来て。私のそばにいて。

ねえ~。直ちゃん。お願い。


<直也>

  ・わかった。今からすぐ行くから、鍵閉めて、じっとしてなよ。わかったか?

   20分くらいで着くと思うから。

直也は、こんな優子は、見たことなかったので、ただ事ではないと感じたのである。


<優子>

  ・ごめんね。直ちゃん。気をつけてきてね?



*直也は、何があったか分らないが、優子が心配で仕方なかった。とりあえず、明日は仕事だから、出社準備もして、優子のアパートへと向かった。

車を走らせること20分。激しい雨と雷は、まだおさまってはいなかった。

アパートに着くと、来客用のスペースに車を停めて。優子の部屋へと行く。チャイムを鳴らす。すると、直ちゃん?と部屋から聞こえてくる。そう俺だよと返事をすると鍵が空いて中に入る。


<優子>

・直ちゃん。直ちゃん。凄く。怖かったよ。まだ声を震わせながら、直也の胸に飛び込んでくる。


<直也>

・もう大丈夫だ。俺が来たから。大丈夫だからな。な?優子もう安心しな。落ち着いて。直也はそっと優子を抱きしめて、10分位背中をさすってあげる。

直也が部屋に入った瞬間も灯りがついていなかったからよほど怖い事があったと感じる直也なのである。優子俺が来たから、部屋の電気つけようか?

<優子>

・「うん」直ちゃん電気つけて頂戴。来てくれてありがとう。やっと落ち着いた。

疲れているのに、こんな遅くに本当にごめんなさい。

もう1時になるね。


<直也>

・俺の事は、気にしなくていいよ。ところで?何があったか説明してくれよ?


<優子>

・「うん」今日会社帰りに、誰かに車でつけられたの。外は雨だったでしょ?

車の音聞こえて、道の端によけるとその車も停まって私が車の方を見るとハイビームにして、歩きだすと、ロービームにして、追いかけてくる。それが、数回同じ事、されて、もう私怖くて、怖くて。アパートに入ってからも、カーテンの隙間から外見たら、1時間くらいライト消して停まっていたから、電気つけなかった。


<直也>

・え?そんな怖い思いしたのか?アパートの外で1時間もいたのか?でその車の心辺りとかは無いのか?それは、今日だけか?

 いったい誰が?何のために?気味悪いよな?


<優子>

・今までは、無かったと思うけど・・・・。でも?私に付きまとうような人?分からないよ。いないと思うし。それに車もよく分らなかった。私が見るとハイビームにされて眩しくて見えなかったしね。私の部屋ばれてなければいいけど・・・・。


<直也>

・そうか~。いくら何でも部屋までは分られてないだろうけど?でも用心することにこしたことはないな。しかし、気味悪いよな。

なあ~優子。俺がしばらくの間、優子のアパートから会社に通うよ。心配だからさ。

たださ。朝は、俺が会社の近くまで車で送ることは可能だけど、問題は、夕方だな?

どうしても俺の帰りは、23時近くになるし。


<優子>

・え?直ちゃんが、私のアパートから、会社に通ってくれるの?ほんとに?ほんと?

「嬉しい」ありがとう。帰りは、凄く注意するから大丈夫。直ちゃんが毎日来てくれるなら、安心だしね。

<直也>

・優子が心配だからな。ほんとどんな奴か分らないから、とにかく帰りだけは、注意しろよ。とにかく、この件が落ち着くまでは、優子のアパートから通うからな。

あ?食費は、ちゃんと払うから・・・。


<優子>

・直ちゃんがそばにいてくれるだけでも私安心だから。食費?そんなのいいよ。

私の警護料だよ。


<直也>

・おっ?優子の警護料?食費か?随分安いな?


<優子>

・直ちゃん・・・。酷い。(笑)


<直也>

・わりい~。わりい~。冗談だよ。やっと笑ったな。とにかく、明日からしばらくは、注意しろよ。それと、何かあったらすぐ。俺のポケベルか会社に電話寄越せよ。

約束だぞ?いいか?


<優子>

・わかった。注意するし、約束するよ。もうこんな時間だから休もう。

もう午前2時を時計はさしていたので休むことにした。


 

*翌朝優子は、早起きして2人分の食事とお弁当を用意してくれていたのである。

会社の準備をして、今朝は2人でアパートを出掛けるのである。優子は、会社の前まで送られると、作ってきたお弁当を直也に手渡す。「これ直ちゃんのお弁当」え?と驚いた表情をしながら、受け取る直也である。直也は、優子に「お弁当ありがとう」と言って、優子を降ろして会社へと向かった。優子は、気味の悪い出来事に遭遇し油断は出来ない状況だが、直也としばらく一緒に暮らせることに、幸せを感じるのである。


しかしながら、優子におきている気味の悪い出来事は、これからも続くのであろうか?

また、この2人に・・・・。


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