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身長差50cmの恋  作者: Last Life
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第四十四話 新しいスタート

*直也に会いに行った優子は、解決策クリアーしたことの報告をして、直也からの返事を貰おうとした時に、急に会社からポケベルで呼び出された直也は、返事をしないまま、会社に戻る事になる。優子の住所と電話を聞いた直也は、翌日優子に返事をする約束をするのである。翌日優子は、直也からの電話を待っていると、お昼に1本の電話がかかってきたのである。それは、部長からの電話であった。内容は、入社説明するから、会社まで来て欲しい?という電話だった。1時間位で終ると言われた。直也からの電話が来ることになっていたから、部屋で待っていたかったのだが、部長には逆らえず、行く事にしたのである。


新しい会社は、優子のアパートから電車で、30分で、歩いて10分でトータル40分位かかるのである。部長とは、会社に15時待ち合わせだったので、遅れないように出かける優子なのである。

直也は、優子には悪いと思いながらも、昨日急に会社に呼ばれ仕事したぶん、今日は、15時上がりでいいと、上司に言われたので定時に上がる事にした。仕事終わったら、優子に公衆電話からでも連絡しようと考える直也なのである。

こうして、15時に会社で部長と待ち合わせの優子と15時に仕事を終えて返事をしようとする直也。ちょっとこの2人にすれ違いが生じるのである。


直也は15時に、仕事が終わり、公衆電話から優子に電話する。いくら呼んでも出てくれない。この時、優子が留守電をセットしていくのを忘れていたのである。

直也は、いくら呼んでも出てくれないので、仕方なく、住宅地図を車の中で広げて、優子から聞いた住所を調べてアパートを探すのである。とりあえず、アパートまで行く事にしたのである。

車を走らせる事、30分でアパートまで着いた。この時、時計は15時50分を指していた。アパートの脇に路駐し、優子の部屋のチャイムを鳴らす。3回鳴らすがいない。

ちょっと買い物にでも行ったのかと思い、車の中でしばらく待つ直也。すると、天気が悪くなり、雨が降ってきた。通り雨のようだが、30分位で冷たい強い雨が続いた。

すると今度は風が強くなってきた。優子と約束したから、帰るわけにはいかず、優子が帰るのをこのまま車の中で待つ事にしたのである。


その頃、優子は、部長からの会社説明も終わり帰り足だったが、駅まで着くと、雨は上がっていたが、強風の為、しばらく運行を見合わせると構内アナウスがあった。時計を見るとすでに16時半。もうこんな時間、直也から電話がきていたらどうしよう?と思う優子なのである。強風がおさまり電車が動いたのは、2時間後の18時半だった。急いでアパートに向かう優子なのである。


直也は、時計を見ると19時が過ぎようとしていた。もう待つこと、3時間。風はおさまってきたが、外は北風が冷たく随分帰りの遅い優子に何かあったのか心配になる直也なのである。探しに行くにもどこに行ったか分からないので、動かずずっと待っていたのである。


優子は、駅に着くと急ぎ足で、アパートに向かうのである。アパート近くになると、道路に見たことある車が停まっているのを見つけた。

近くに行くと、直也の車のナンバーだった。優子は車の中に居る直也を見つけ、運転席の窓を軽く手で叩く。


直也は、優子に気付いて、運転席の窓をあける・・・・。


<優子>

直ちゃん。ごめん。わざわざ来てくれたの。もしかしてかなり待ったの?

 

<直也>

昨日約束したからきた。いやさっき着いたばかりだよ。

優子は、どこか、買い物でも行ってきたのか?


<優子>

お昼頃、会社から電話きてさ、入社説明があるからと呼ばれて、会社まで行ってきたの。帰りの電車、強風で遅れて今になったの。ねえ~。直ちゃん、コーヒー入れるから、私の部屋にどうぞと話す。


<直也>

「うん」と頷き、車のエンジンを停めて優子の後を着いていき、優子の部屋に行く。

お邪魔しますといい、玄関から部屋に入る。


<優子>

北風冷たかったから、寒かったよね? 

今、コーヒー入れるからと・・・・。

お湯を沸かしてコーヒーを入れると直也にどうぞとコーヒーを出す。


<直也>

「ありがとう」いただくよ。コーヒーを飲みながら、直也が話し出す。

昨日は、急な呼び出しで、わざわざ来て貰ったのに、すまなかったな。

<優子>

仕事だったのだから、仕方ないよ。直ちゃんの返事聞かせて、頂戴。いいかな?


<直也>

「うん」返事ね。その前に、俺さ。1人暮らしをしてみて凄く、親のありがたみを感じている。実家に居るときはさ、親が何かと口うるさくてさ、でも仕事がいくら遅くても、夕飯の準備はされていたし、風呂も沸いていたし、朝も起きれば朝食も弁当も出来ているし、Yシャツとハンカチにもアイロンがちゃんとかかっていたし、

今は、全部自分でしないと何も進まない。それに、真っ暗な部屋に帰るのも寂しいものだよ。親元から離れてみて、自由はあるけど、大変なのが現実だな。やっぱり理想と現実は違うな。だから、優子も1人暮らし大変だぞ。


<優子>

親のありがたみか~。確かに、私もまだ1人暮らしはスタートしたばかりだけど、

直ちゃんが思っていることは、私も感じていたよ。私は女性だから、実家ではある程度は手伝ってきたけど、お母さんのようには上手く出来ないし、何でも自分でしないと進まないのは、私も直ちゃんと一緒かな。

直ちゃんが、寂しいなんて思うの?男なのに?もしかして、お母さんって?言いながら、泣いたりして・・・(笑)


<直也>

そりゃ~。俺だってさ。寂しいと思うときは、あるさ。男だってそれはある。けど、

お母さんって?泣く訳ないだろ!って?俺マザコンじゃないし!

優子のほうこそ、どうだ?1人は寂しいものだろ?

   

<優子>

頑固な直ちゃんにしては、珍しく寂しいのは認めるのね。私?私は、寂しいとは思うけど、直ちゃんよりは、強いかな。


<直也>

頑固は余計だよ(笑)ん? 俺より強い? どこが?


 <優子>

私強いよ!だって直ちゃんに随分鍛えられたからさ。随分あっちに、フラフラ。

こっちにフラフラとされたから、そりゃ~あれだけ揉まれたら、強くもなりますよ~。そんで、直ちゃんの返事は聞かせて?

<直也>

  俺が、優子を強くしたのか~。過去の事は、何回も謝ったじゃない。でも優子にし

た事は、一生消えないからな。でも?何でここまで俺の事を?


<優子>

  そうだよ。私の心の傷は一生消えない。でもそれいじょうに、直ちゃんを好きな気 

持ちは、どうする事も出来ない。人を好きになるのに理由などない。好きな物は好き。それだけ。それに、私の心の傷は確かにあるよ。でも直ちゃんを諦めるという選択肢をとる心の傷の方が、修復不可能な心の傷になるから。そうなったら私は一生涯後悔する。


<直也>

優子?俺は、お前を裏切った男だぞ? その事で、優子を沢山苦しめてきた?

そんな俺と、また戻りたい?こんなどうしようもない駄目男の為に、何で?ここまで、

一生懸命になる?解決策は、1人暮しと言えば、何で諦めないで、努力して、目標クリアーできるの?どこからそんな力がでる?


<優子>

そう裏切った?苦しめた?どうしようもない駄目男? だから?どうなの?

そんな男を好きになって、ここまでそうさせたの、直ちゃんでしょ?

全部!全部!直ちゃんの責任!私だってこんな駄目男!嫌いになれるのならなりたいわよ!世間からすれば、裏切りの駄目男許すの?って?言われるでしょ?そんな男やめな?って?言われるでしょうね? 

だから?どうなの?そんなの世間が決る訳じゃない!私が決める!好きな気持ちに理由はない!世間から笑われても批判受けてもいい!自分の気持ちに正直に生きる。

そう教えてくれたのは直ちゃんだし! だからここまで努力できた。

いくら背が小さくても、直ちゃんは私に言ってくれた。世間から何て言われてもいいじゃない!言いたい奴には言わせておけばいい!背が小さい事で反対されても諦めるような事は、絶対ないし、周囲を敵に回しても俺が必ず優子を守る約束すると言ったその言葉は、私の心に凄く響いた。あのリハーサルの時の言葉は、私に力をくれたの。


<直也>

全部!俺の責任か~。そう言われると、返す言葉なくなるな。そう話すと、コーヒーを一口飲み、コーヒーカップをテーブルの上に置くと、直也は、ポケットから、キーホルダーつきの鍵を出し、優子に手渡す。


<優子>

え?何この鍵?と言いながら、鍵を受け取るのである。


<直也>

俺のアパートの合鍵だと答える直也。つまりそういう事だ!


<優子>

直ちゃんのアパートの合鍵?じゃ~。つまりそういう事って?どういう事?

ちゃんと直ちゃんの言葉で言って頂戴。


<直也>

優子が、こんな駄目俺で本当にいいのなら、もう一度やり直そう。それと、たまに俺のアパートに来てくれると嬉しいから、合鍵渡しておく。


<優子>

仕方ないな~。直ちゃんがそう言うなら、戻ってあげてもいいかな(笑)

私に合鍵寄越したら、毎日でも行くよ?いいのかな?直ちゃん。


<直也>

  仕方ないだろうけど、戻って下さい。そして、汚い部屋に毎日押しかけてくれるなら、

  掃除とか洗濯してくれると助かるしね(笑)


<優子>

  え?私?家政婦なんかしないからね~。私、今とても嬉しいよ。直ちゃんをずっと信じて、待って良かった。私、直ちゃんがそばに居てくれたら、何もいらない。

  だから、直ちゃん。私に約束して、もうどこにもいかないって?私のそばに、ずっといると約束して・・・。


<直也>

  俺も悩んだよ。全て自分がまいた種だから仕方無いけど、優子を裏切っておきながら、元に戻るなんて事、許されるのか?そんな事は、許されるはずがない。俺がどれだけ優子に酷い事をしてきたのか、俺が一番知っている。それなのに、優子はこんな俺でも、一途に思ってくれていた。その思いに甘えていいのか?戻るなんてそんな身勝手許されるのか?優子を俺が幸せに出来るのか?葛藤があった。解決策だって、優子が一途に思ってくれれば、くれるほど苦しくなっていたから、1人暮しの提案をだした。

  正直、出来るなんて思っていなかったし、出来ない事を理由に、終わりにするつもりだった。でも優子が、本当に1人暮しして、解決策クリアーした。もうここまで来たら、もう俺も逃げずに、優子に向き合おうと思ったし、裏切りの過去は消えないが、それは、俺が時間をかけて優子だけを見て、守りながら幸せにすると決めた。今の俺は、優子が「好き」という気持ちに嘘はない。優子のそばから離れない約束する。



*こうして、直也と優子は、再び付き合う事になった。優子は、何度も挫折を繰り返しながら、自分の気持ちを貫き、自分を信じて努力してきて良かったと感じる優子なのである。さてこの恋の行方は?2人は次なるステップに進む。




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