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身長差50cmの恋  作者: Last Life
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第四十一話 度重なる試練と会社最終日の出来事。

*優子は次々と度重なる試練に心が折れそうになり、親友の由紀ちゃんに苦しい胸の内を話して、相談に乗ってもらい、前に進む勇気を貰った。自分が負の連鎖に落ちたとき、周囲の事は見失い、なぜ自分だけがこんなに不幸なのと思い込んでしまう。冷静になり、落ち着いて周囲を見ると、自分よりもっともっと酷い人は沢山いる。相談した由紀ちゃんもその1人であった。両親を亡くして、妹の学費を稼ぐために自分の欲しい物も我慢している親友がこんな身近に居ることすら見えていなかった。由紀ちゃんに話した事で、

我に返る事が出来た。由紀ちゃんだって凄く辛いはず、私だけじゃない。だから頑張ろうと改めて自分に言い聞かせる優子なのである。

さて、次なる問題は、会社解雇で仕事を見つけること。新しい就職先の面接を受けて、採用されないと、次のステップにはいけない優子なのである。しかし。気持ちとは裏腹に、現実は、そんなに甘くないである。由紀ちゃんと相談しながら、受けた会社3社だった。1つ目の会社は、2人とも落ちた。会社に来ていた求人はあと2社だけ。

優子と由紀ちゃんは、残りの2社に全力を注ぐことを決めていた。2つ目の会社は、

2次選考まである会社で、1次試験は、面接で2次試験は筆記の一般常識であった。

優子と由紀ちゃんは、2人で面接試験会場に行き、1次試験を受けたのである。

発表は、1週間後で封書にて採否通達がくると説明されていた。優子は由紀ちゃんと、

封書が来たら、お昼時間に一緒に開封しようと約束していたのである。


その1週間後に採否通達の封書が届き、お昼休憩に2人で持ち寄り開封する事にした。

2人は、昼食を済ませて、開封しようとお互いに封書をカバンから取り出す。


由紀ちゃん。ちょっと緊張するね。2人で一緒に空けようか?1次2人とも通っていたら、いいね。あ~緊張。高校受験の発表以来の緊張だよ。


優子ちゃん。じゃ~空けよう。


2人は、封書を空けた。まずは、優子が自分の封書を確認した。すると由紀ちゃんどうだった?と優子が笑顔で由紀ちゃんに聞いてきた。


優子の笑顔を見て、由紀ちゃんはこう話す。「2人とも1次通過だね」良かった。

2次も頑張ろうねと話す。すると・・・・


由紀ちゃん1次通った。「おめでとう」私は、落ちちゃった。「ごめん」

2次試験頑張ってね。


え?優子ちゃん駄目だったの?私こそ「ごめん」優子ちゃんが、笑顔で話すから、

私てっきり1次通過したと思って・・・。ほんと「ごめん」


由紀ちゃんが謝らなくていいの。それより私の封書見て。これみたら笑うしかないよ。と言いながら由紀ちゃんに、不採用の封書を手渡す。そこに記載されていた内容とは・・・。


不採用理由の欄の理由には、身長の事が示されていた。あまりにも優子には厳しい現実を突きつけてきたのである。

って?優子ちゃん。私が抗議してくるよ。何で?理由が身長なの?関係ないよね?

採用担当者に文句言ってくると怒り口調で、由紀ちゃんが話す。


由紀ちゃん。「ありがとう」でもそんな事やめて、そんな事言ったら、由紀ちゃんの1次通過取り消されるから。私は大丈夫だから。落ち着いて由紀ちゃん。


でもこれって、おかしいよ。優子ちゃん納得できるの?やっぱり私が抗議したいよ。

だめ?


それだけは、本当に駄目だよ。由紀ちゃんは、妹さんの学費を稼がないといけないのだから、頑張って2次試験突破して、採用されるように努力してよ。それに大丈夫だよ。最後の1社に私全力尽くすからさ。


  「うん」2次試験努力するから。優子ちゃんも次の採用試験頑張ってね。そう話ながらも、優子の1次試験の不採用の結果内容に納得がいかないのであった。2人で同じ会社に勤めたい気持ちはあるものの。優子が言う通り、由紀には妹の学費を稼がなければならず、文句を言いたい気持ちをグットこらえて、2次試験に望む由紀なのである。


  由紀にお互いに頑張ろうと話して、次の目標に向かって進むのである。

優子は、現実は、思っていた以上に厳しいと感じながら、最後の1社に望みをかけることにしたのである。しかしながら、2社目の不採用の内容の文面が頭を過ぎりまた駄目であったらどうしょうという、とてつもない不安が優子に襲ってくるのである。


優子は最後の1社に望みをかけて、採用試験を受けるのである。最後の1社は、採用人数が、5人であった。それに対して応募者は20人の4倍の狭き門となった。今回の会社は、採用枠は少ないものの面接だけの試験なのである。もう優子は、後には引けない、ここの結果次第で天国にも地獄にもなるのである。優子は焦っていないわけではなかったが、もうここまで来たらと面接の時にある勝負にでようと考えたのである。後悔だけはしたくない。後悔だけは。だから、私が私であるために、私の最大の武器を面接の時に使おうと考える優子なのである。その気持ちを内に秘めて試験当日は、緊張しながらも試験会場に入る優子なのである。


優子の考えてきた面接試験での武器とは、自分の口から、自分の弱点をあえて話す事にしたのである。通常であるなら、自分の負の部分を話す事でマイナスに捕らえられる可能性が非常に高く、リスクは大きい。でも前の不採用の試験結果に背の小ささが記載されていたからこそ、逆にそれをあえて自分の口から話し、プラスにすればいいと考えた優子なのである。果たしてそのことが、プラスになるかマイナスになるのかは、優子も分からない。だからこそ、ありふれた面接で話す内容より、あえて他人よりリスクが高い事を自分から話そうと考えたのである。自分が自分であるいじょう自分の弱さを認める勇気を持つと自分に言い聞かせ、面接に望んだ優子なのである。


3社目の面接試験も無事に終わり、優子は自分の出来る限りの事はしたのである。後は、試験結果を待つだけなのである。今回の面接官は、優子が自分の背の小ささを話した時に、少しだけリアクションがあった。そのことが、どう捉えられたかは優子にも分からなかった。試験結果の発表は、1週間後であった。現時点の会社も後、10日で完全に閉鎖となる。優子としては、閉鎖3日前に新しい就職先が決まればいいなと思いながら、採否の結果を待つことにしたのである。今回の採否は、発表と同時に、会社の説明も行うという事で、採用の有無は、1週間後に試験会場である会社事務所の掲示版に、採用者の受験番号が張られる事になっていた。

5人の枠に入ることが出来るかどうか不安を抱えながら、採用結果発表の当日を迎える優子なのである。


発表掲示は13時に事務所前掲示板であった。優子の受験番号は、13番だった。

面接した会社の門を12時55分に通り、事務所前へと移動する優子なのである。

もう3社目、もし番号がなかったら、どうしよう?緊張しながら、事務所前にむかうのである。実は、この時、由紀ちゃんは、優子が心配で会社の門まで、一緒に来てくれていたのである。由紀ちゃんは、2社目で受けた会社の2次も突破して、採用されたのである。本来は、事務所前まで一緒に行こうか?と言われたが優子は1人で大丈夫と話して、1人で確認しに来たのである。

事務所前に着いた優子は、採用者(合格)の番号を掲示板で確認すると・・・・。


掲示板に採用者番号(5番・9番・12番・15番・20番)と5つの番号が掲載されていた。優子はこの瞬間、3社目も駄目かと・・・下を向き、由紀ちゃんの待つ門へと歩いていった。優子は、心の中で、もう頑張って来たことが、全てこの不採用で駄目になるってしまった。やっぱり私には無理だったのかなと思いながら、門で待つ由紀ちゃんの近くまで行くと・・・・。優子は、由紀ちゃんの顔を見ると、もう堪えていた涙が止まらず、「由紀ちゃん・由紀ちゃん・私・私ね」そう話すと、由紀ちゃんは、優子のその態度を見て、不採用だったとわかり、無言で優子を抱きしめ、しばらく動けない状態であった。10分くらい泣き崩れた優子は、由紀ちゃんにこう話した。

  

「私、頑張ったけど、駄目だったよ」いくら努力しても駄目な時はあるのね?

  会社も後、3日だし、再就職先も見つからなかったから、1人暮しも諦めて、アパー  トも契約解除して、実家に帰るよ。色々応援してくれたのに由紀ちゃん「ごめんね」


  え?優子ちゃんらしくない?本当にそれでいいの?何かまだ方法があるんじゃないの?それに彼の事も諦めるの?


  だって・・・・。もうどうする事も出来ないでしょ?だから仕方ないよ。

  3社も受けて、1社も決まらなかった優子は、珍しくショックも大きかった。

  それに、今勤務する会社も後3日だけ、時間もないし、もう諦めるしかないよ。

  無職で、アパート借りながら、生活をして行く自信も無く、いくら直也を好きでも、

  好きだけでは、とても現実は厳しいと感じる優子なのである。


  もはやどうする事も出来ないと感じた優子は、長年お世話になった、会社の完全閉鎖まで3日となり、残り3日は、最後まで仕事をすると心に決めるのである。

  ここまでくると、誰を責めることも出来ず、あまりにも大きな壁だったと心の中で感じるのが精一杯の優子なのであった。

  そして、ついに会社閉鎖の最終日が来たのである。最終日は、社長からの最後の話を貰い、社長は、社員に深々と頭を下げて謝罪した。

  最終日は、ロッカー等の私物の片付けと掃除で終了となるのである。

  

この最終日に、優子に新たな出来事が、起こるのである。

その出来事とは・・・・。ロッカーの私物整理をしていた時の事だった。

総務部長が優子に話があるって?事務所に今来るようにだって。部長の話とは?最終日に?いったい?



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