第四十話 会社倒産と友達への相談
*直也からの解決策の最大の難問であった、1人暮らしの許しを父から貰った優子だったが、アパートの契約を済ませ、後は、直也へ伝えて元に戻れると思っていた矢先に、
今度は、会社が倒産し解雇通達を受ける優子。優子にふりかかる次々の試練は、神様からのいたずら?それとも試練なのか?それにしても次々におこりうる事に、優子は疲れてはいたが、ここで諦めてなるものかと思いながらも苦しい心境はかわらず、親友の由紀ちゃんに相談する事にした優子なのである。
優子は、解雇通達を見た次の日に、由紀ちゃんに相談する事にした。とにかく早く動いて、仕事を見つけないといけない。気持ちばかりあせる優子なのである。
由紀ちゃんには、朝出勤した時に、お昼休憩に相談あることを伝えていたのである。
お昼は、いつも2人だけで食べていたので、他の人が邪魔に入る心配もないのである。
とにかく優子は、あせる気持ちを必死に抑えながら、由紀ちゃんに相談するのである。
お昼になり2人はいつもの定位置に場所をとり、お弁当を開くのである。
由紀ちゃん。お弁当食べながらでいいから、話聞いてくれる?と優子が話しかけるのである。
「うん」どうしたの?優子ちゃん?なんかいつもより暗いよ。倒産解雇は、びっくりしたしショックだったけど、優子ちゃんだけじゃなく、社員全員だから、元気だしなよ。
倒産解雇は私もびっくりしたけど、皆同じ条件だから、仕方ないよね?由紀ちゃんは、次の仕事どうするの?
そうだよ。くよくよしても何もはじまらないからさ。仕方ないよ。次の仕事?
会社に応募あった仕事受けてみようと思うよ。優子ちゃんは?
私?仕事探したいけど、由紀ちゃんより私かなり年上だし、それに背がね~。だから簡単には、採用してもらえないと思うしね。
ちょっと優子ちゃん。いつもの優子ちゃんらしくないよ。そんな自信ないなら、実家暮らしだし、しばらくゆっくりして、優子ちゃんに合う仕事を探したらいいのではないの?
ゆっくり?ゆっくりなんて出来ないの。私には時間ないし、早く仕事決めないと、全部がだめになるの。もう。どうしていいのか。由紀ちゃん何とかしてよ。お願い。
え?優子ちゃん。ちょっと落ち着こうよ。時間がないとか?仕事決めないと全部駄目になるとか、話している事が、全然わからないよ。
何?分かるようにちゃんと話して。
ごめん。全然話が見えないよね?実はね。由紀ちゃんに私、話してない事あるの。
驚かないで聞いてね。私ね。前に付き合っていた人がいて、色々あって別れたのね。
それで、その彼と元に戻れそうなのよ。でも会社倒産で、仕事を失い、1人暮らしも出来なかったら、彼と戻れないと思うのね。だから、私どうしていいのか?
優子ちゃん。好きな人いたのね。彼と戻るのに、何で?会社倒産で、仕事失ってしまうと戻れないの?それに1人暮らしも?ちょっと話の内容が理解できないよ。
由紀ちゃんごめん。あまりにも掻い摘みすぎたね。1人暮らしは、父から許しが出て。アパートも契約してきたのね。その1人暮らしは、彼の条件だったの。長くなるから、簡単に話すと私の家って、門限のある厳しい家でしょ?
それに、彼の休みは、平日。私達の休みは土日祝でしょ?すれ違いが原因で1回目別れて、今回色々経緯はあったけど、私の1人暮しが戻る彼からの条件だったのよ。それで、
やっとの思いで、父から許しが出てこれからと思ったら、会社が倒産で解雇でしょ?
仕事失ったら、1人暮しなんてもってのほかだと言われるのが目に見えるしね。
それで悩んでいたの。
優子ちゃん。それなら、仕事見つけたら、いいじゃない。私も解雇だから、一緒に探そうよ。そしたら、彼との事だって悩むことないじゃない。
「うん」でも由紀ちゃんは、まだ若いし、それに私と違って背だってあるし。仕事はすぐにみつかると思うけど、私は・・・。きっと厳しい・・・。
何?弱音を吐いているの?優子ちゃんらしくない。それに、悩む気持ちは形は違うけど、私も分かるよ。優子ちゃんが、背の事で悩んでも相談できる両親が居るでしょ?
私は、羨ましいよ。私には、相談出来る両親いないのよ。何で、妹を働きながら、学校に出さないといけないの。稼いだお金で服だって、化粧品だって欲しいし買いたいよ。
何で私ばかり、こんな苦労しなきゃいけないのと?両親を恨んだことさえあったよ。でも私が、妹を捨てたら、妹はどうなるの?だから今も頑張っている。私の事に置き換えたら、優子ちゃんだって、背が小さい事は両親を恨んだことあったでしょ?それが本音でしょ?だから、私だって形は違うけど、悩みはあるのよ。
私ね。恨んでも何もいいことない。だから、自分の弱さを認めることにしたのね。
頑張っても、頑張っても、空回り、他人と比べると現状嫉みになるし、だから、
そんな苦しさを我慢せず、自分の弱い部分を自分で認める事にしたの。そしたら
凄く楽になったよ。私には両親がいない現実は、今もこれからも変わらない。優子ちゃんも、背が小さい事も今もこれからも変わらない。ならそれでいいじゃない。
そのことが、お互いに弱いのなら2人で弱さを認めて、前に進もうよ。
自分の弱さを認めるか~?確かに私は、どこか背が小さい弱点を両親のせいにしていたのかもしれない。由紀ちゃんに言われて頑張れる気がしてきたよ。
由紀ちゃんも大変なのは知っていて、「ごめん」自分しか見えていなかったよ。
私も優子ちゃんもずっと頑張ってきたのに、神様はなんて意地悪なのかな?もう少し私達に味方してくれてもいいのにね。頑張っていればいつかいい事あると信じて、努力するしかないよ。だから、2人で新しい仕事探そう。それに、優子ちゃん彼と戻るために、くよくよしている暇はないよね。絶対仕事探して1人暮ししないといけないのでしょ?ねえ?優子ちゃんをそこまで夢中にさせる彼って?どんな人なの?優子ちゃんが羨ましい。私も彼が欲しいなあ~。
仕事2人で探そう。彼?えっとお~。無事に仕事見つかって、元に戻ったら紹介するから。その彼は、私が今まで好きになった人の中で、絶対な人なの。ちゃんと戻ったら話すから。由紀ちゃんもいい人必ず現れるよ。
優子ちゃんの彼を見てみたいから、絶対仕事見つけて紹介してもらわないとね。
前に1度だけ、ホームセンターの駐車場で、優子ちゃんが、男性の車に乗った所を見たことあるのね。その人が彼だよね?ちゃんと見ておけばよかった。
遠くからだからチラッとしか見えなかったけど、年上の彼に見えたけど・・・。
あ?ホームセンターの駐車場で?見られた?彼ね。5歳年下なの・・・。
かなりふけ顔(笑)本人にはいえないけど。私小さいから、年下にしか見えないと思うけどね(笑)上手くいったら、ちゃんと由紀ちゃんに紹介するから。
あら~。優子ちゃん。年下の彼? 素敵だね。どうすれば、年下の彼を射止めることが出来るのか、後で手ほどきしてもらおうかな(笑)
もう由紀ちゃんったら?恥ずかしいじゃない。まだ戻ってないから、紹介できるように頑張らないといけないね。
そうだね。そうと決まったら、とにかく新しい仕事を探さないとね。とにかく就職試験
を受けようよ。優子ちゃんと同じ会社に行きたいしね。
優子は、自分の胸の内を親友の由紀ちゃんに話、自分の弱さを認める事により、再度、
勇気を貰った優子は、由紀ちゃんと2人で就職先を探す為、何社か面接を受ける事にするのである。面接は、3社受ける事にして行動を越すのである。
さて、優子にふりかかる次々の試練。果たして就職先が決まり、明るい兆しが見えてくるのか、それとも就職先が見つからず、直也(彼)も諦めて実家に帰ることになるのか、優子のこの先はいったいどうなるのだろうか?本当に神様が居るなら、どうして?こんな試練ばかりを与えるのだろうか?優子の今後の運命はいかに・・・。




