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身長差50cmの恋  作者: Last Life
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第三十七話 ゼロに等しい解決策、二人の恋の行方は

*直也は、解決策を優子に直接会って話すと約束したのである。しかし、直也が考えた解決策は、本当に優子を傷付けないような解決策なのであろうか?

優子も直也からの電話があまりにも早すぎて、どんな話をされるのか不安に思うのである。直也も優子もどんな方向に進むのか、全然予測ができないのである。お互いがお互いに、不安を抱えながら、1週間が過ぎ、約束の当日の金曜日になった。

優子は、予定通り、18時30分には、駅の待合室で待っていたのである。直也も時間に間に合うように会社を出て駅へと向った。


 直也が考えた解決策とは、どんな解決策かと言うと、言い方をかえると賭けに等しい解決策なのである。優子を傷付けないようにする為には、解決策を話したときの優子からどんな返答が返って来るのかによって対応を変えないといけないのである。直也は、優子との休みも合わず、会う時間デートの時間もなく、すれ違いそれが耐えられない。でも優子の事は、嫌いではない。優子は、直也と戻りたい。しかし、自宅は門限もあり、優子は両親に厳しく育てられてきたので、あまり自由がきかないのである。お互いに抱える問題は大きすぎる。直也が考えた解決策は、どんな結果になっても、優子をとにかく傷つけないようにする事が、最大の目標でもある。直也は、優子の返答次第でもあるが、お互いに抱える問題が大きいので、やり直すことはほぼないであろうと思っているのである。


駅に着いた直也は、駐車場に車を停めて、優子の待つ待合室へと向かい、優子をみつけ声をかけるのである。


<直也>

 ・お待たせ優子。随分待ったか?椅子に座って待つ優子に声をかけ、優子の隣に座る直也。

  

<優子>

 ・直ちゃん。お疲れ様!私は18時30分位についたから、あんまり待ってないから大丈夫だよ。仕事で疲れてない?大丈夫?


<直也>

 ・今日は、さほど仕事忙しくなかったから、疲れてないから大丈夫だよ。どこで話せばいい?俺の車に行くか?

  相変わらず、直也を気遣う優しい優子。



<優子>

・「うん」直ちゃんの車でいいよと頷いて車へと移動する。


 *2人は車に乗った。直也は、優子にちょっと移動していいか?と話す。優子は、「いいよ」と頷き、車のエンジンをかけて駐車場を出る直也なのである。


<優子>

・直ちゃん!どこに連れて行ってくれるの?ねえ~?ねえ~ってば?

 優子は、予想もしない展開にちょっと驚くのである。


<直也>

・内緒だ!内緒!と言いながら、車を走らせる直也なのである。

 直也は、どんな方向に転ぶか予想もつかないのだが、原点に戻るためあえて、あの海の

場所へとむかったのである。


<優子>

・直ちゃん!内緒なの~?ちょっと変なとこ連れて行かないでよ!

 少し和やかな雰囲気で会話をする優子。

 2人の車での会話は、とてもこれから大事な話をしようとしている2人には思えないのである。


<直也>

・変なとこ?変なとこ連れて行くわけないだろ!ったく!ついてからのお楽しみかな(笑)そんなに時間かかんないから。


<優子>

・へえ~。お楽しみ?どんな所?ってさ!直ちゃん!解決策の話は?ねえ~?

 ねえ~ってば?

 いつもになく直也の行動が違うと感じた優子が問いかけたのである。


<直也>

・もうすぐ。着くからさ。そしたら、そこで話すから。いいだろ?

 って?もうつくな。そう話して3分もしないうちに着いた。

 ここに連れて来たかった!そう言って車のエンジンを停める直也!



<優子>

 ・えっ?ここ?優子は怒り出す!何で?ここ?ふざけないでよ!私嫌だ!場所かえて!こんな場所来たくなかった。ここがお楽しみ?直ちゃんのバカ!普通ここに連れてくる?あの時の嫌な事、思い出すじゃない!優子は怒り口調で直也に話す!

  

<直也>

 ・ふざけてないよ!この場所で話をさせてくれ!お願い優子!

  優子に頭を何度も下げる直也!


<優子>

 ・どういう事?信じられない!私がわかるように説明して!私が納得したら、ここで話きくからさ!納得しなければ、ここから移動してよ!いい?約束できる?

  まだ怒りは収まらない優子なのである。


*直也が優子を連れてきた場所は、優子を裏切り元カノ(菜々)と来た場所だった。

 優子の怒りは想定内ではあったが、これ以上怒らせたら話しにならなくなると感じる

直也なのである。


<直也>

 ・優子には、怒られる事は、百も承知でここの場所に連れてきた。そもそも、全てがここから始まったから、この始まりの地でちゃんと優子に心からお詫びをして、新たなスタートを切りたいと考えたからあえてこの場所を選んだ。自己満足だろ!と叱られるかもしれない。でも!俺が犯した裏切りという過ちを正すためには、この場所からスタートしたかったからだ。理解してくれ!


*直也は、優子に「ちょっと車をおりてくれと頼んだ」助手席に回り、ドアを空けて

 優子が下りてドアを閉めると、直也は、「けじめだから」と、一言。するとひざまずき

優子に「本当に、本当に申し訳ない事をした」と土下座して頭が土につくほど、深々

と何度も何度も優子に謝罪した。許してくれとは、一言も言わない直也。それは、優子

を傷付けた事実は、いくら謝っても消えないからである。


<優子>

・えっ?直ちゃん!頭上げて、もうわかったから!それに直ちゃんがなぜ!ここに私を連れてきたかも分かったから、頭あげて頂戴。この場所で、ちゃんと話聞くから、頭上げてちゃんと話してよ!解決策考えてきてくれたのでしょ?


<直也>

・優子すまないな!俺の勝手でこんな場所選んで、でも「ありがとう」ずっと心の中で引っ掛かっていてさ。優子を傷付けた事は、消えないけど、少しだけ気持ち楽になったよ。それで本題に入りたいけどいいかな?


<優子>

・解決策の事ね?いいけど!その前に、髪についた土くらいちゃんととったら?とハン

カチを渡す優子。直ちゃんの考えて来た事を聞かせて!


<直也>

・「うん」ちょっと暗いけど、波打ち際まで行こうか?そこで話すよ!

 歩きながら、右手にハンカチを持ち、土をとる直也。


<優子>

 ・「うん」と言って、優子は、直也の左腕に右腕を回してきた。

  優子が一言「これは、暗闇で何かあると大変だから、くっついただけですから」と

  直也が口を開き、手を振りはらわれる前に先手を打つ優子であった。


*そういわれると直也は、何も言えず、腕を組んだまま、無言で波打ち際の方に歩く2人なのである。波打ち際の近くに行き、砂浜に腰を降ろした。


<直也>

・解決策だけど、色々考えてみた。俺さ、実家を出て、アパート借りて1人暮らしする事にしたよ。それでさ、優子も家出て、1人暮らし出来ないか?

ストレートに優子に考えた解決策を話す!


<優子>

・え?直ちゃんがアパート借りるの?1人暮らし?

 え?それが解決策?という事は、私が、直ちゃんのアパートに気兼ねなく行けるという事?それいいね!なぜか、優子はテンションが急にあがる。

  

<直也>

・ん?ちょっと待って!そりゃ~俺が1人暮らししたら、俺は自由だけど、優子は、今の

状況なら何も変わらないだろ?ただ俺がアパートを借りるだけで、休日も違うし、会う時間もすれ違いが多い、だからもし、優子も家出て1人暮らし出来たら、休日が違っても会いたい時に会えるからいいかなと考えた。それにご両親を気にせず、門限もないからさ!でも優子には無理だよな?出来ないよな?直也は、無理と思いながら、優子に対しての賭けにでたのである。


  *直也は、優子は1人暮らしなんて出来るはずはないし、確率としてもほぼ0に近いと思っていた。無理という返事が返ってきたら、その時点でやり直す選択肢は消えるのである。もし、優子が1人暮らしの選択をしてくれたら、優子の気持ちに答えようと考えていた直也なのである。

      

<優子>

・直ちゃん!真剣に解決策考えてくれたのね?「ありがとう」私凄く嬉しいよ!

 ねえ~?直ちゃん。聞いていい?


<直也>

・いいよ!優子!何?聞きたい事?


<優子>

・私が、家を出て1人暮らししたら、直ちゃんは私とやり直してくれるの?

 直ちゃんとの時間を作るにはこの方法が1番いいよね?

真剣な表情で直也に問いかける優子。


<直也>

・「うん」優子も1人暮らししたら、やりなおす事考えるよ。

 直也は優子が1人暮らしするとはとうてい思えない。


<優子>

・やりなおす事考える?直ちゃん!考えるじゃなく、断言してよ?私が1人暮らし出来たら、やりなおすと言って?それと、その時は、この先ずっと私だけ見て絶対よそ見をしないと約束して頂戴!約束してくれるよね?直ちゃん?

 

<直也>

・優子わかった。1人暮らし出来たら、優子とやり直すよ。その時は、絶対よそ見もしないよ。約束する。これでいいかな?

 直也は、いくら優子でも1人暮らしは、無理だとこの時点でも思っていた。

 門限のある厳しい親御さんがいるからこそ、優子は家を出る事など出来るはずがないと

 直也はそう思うのである。



<優子>

・直ちゃん!確認だけど、私に言わされてないよね?直ちゃんの意志だよね?そう思っていいのね?それと、1人暮らしが出来なかった時は、私達どうなるの?


<直也>

・心配しなくても大丈夫だよ。やり直すと言った事は、自分の意志だよ。1人暮らし出来ない時は、やり直す事は、難しいと思うよ!


<優子>

・直ちゃん!わかった。私に少し時間をもらえない?今この場で返事出す事は、難しいから、考える時間頂戴、いいかな?気持ち固まってどうするか決まったら、連絡するから、会ってもらえる?


<直也>

・いいよ。考えてもらって返事くれたらいいよ!直也はそう話すと遅くなるから、そろそろ家におくるから。


<優子>

・「うん」ちゃんと考えて返事するから。少しだけ待って頂戴。直ちゃんとも話し出来た

から、私帰るね!悪いけど、また送ってもらうね。


<直也>

 ・じゃ~。「送るね」と優子に話して、エンジンをかけて優子を自宅に送る直也。



*自宅近くまで送って貰った優子は、直也に結論出たら、連絡するからねと言いながら、

自宅へと帰って行った。優子は、直也から解決策を聞いて、やり直す為には、1人暮らしするしかないと思いながらも厳しい両親がいる家を出る事など出来るのか不安になる。でも、優子は直也を絶対に失いたくないので、何とか家を出る方法を考えようと思うのである。直也が考えた解決策は、優子に1人暮らしをして貰う選択。優子はどんな答えをだすのであろうか?今まで沢山辛い思いをしながらも、直也だけをずっと見てきた優子に幸せは来るのだろうか?優子が出す結論とは?


   


 


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